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米軍展開のフィリピン① 軍施設ぜんぶ使える

2013-09-22 19:21:45 | 国際政治
米軍展開のフィリピン① 軍施設ぜんぶ使える

フィリピンと米国が、フィリピン全土の軍施設で米軍が展開できるようにする軍事協定をことし8月から協議中です。9月末か10月上旬にも締結の見通し。南シナ海で中国と領有権や管轄権を争う現状を念頭に「最低限の防衛力」確保の一環だとするフィリピン政府に対して、国内からは「全土の米軍基地化は地域の緊張を高める」との批判が出ています。
(マニラ=面川誠)

ガズミン国防相は8月30日、マニラを訪れたヘーゲル米国防長官との共同記者会見で、「われわれはすべてのフィリピン軍施設を(米軍の)利用に提供する」と言明。へーゲル氏は米比相互防衛条約に基づくフィリピン防衛義務を確約しました。



米比合同軍事演習「バリカタン」開幕式で訓練旗を開く両軍司令官=4月5日、マニラ(比国軍提供)

憲法は駐留禁止
両国は1998年に「訪問米軍地位協定」を締結済み。約600人の米軍部隊がミンダナオ島でフィリピン国軍の武装勢力掃討作戦に協力しています。
フィリピン国防省によると、「いま展開中の米軍活動は国内のテロ対策支援に限られているが、増強される米軍は対外的な防衛への協力を目的としている。この協力活動を明記する協定を地位協定の一部として締結する」といいます。
1991年に米軍基地協定の延長を否決して米軍を撤退させたフィリピンの現憲法は、外国軍の基地設置と部隊駐留を禁じています。新協定の名称は「増強ローテーション駐留(IRP)枠組み合意」。ローテーション形式の一時的な駐留なので常駐ではない、というのが政府の立場です。
大統領秘書官のカランダン氏は、米軍によるフィリピン軍訓練の機会が増えるとして、「新協定はフィリピンの国防力を高める」と指摘。南シナ海で中国がフィリピンの管轄権を侵害していると批判する一方で、「中国を封じ込めるというような考えは一切ない」と強調しました。
カランダン氏は「米軍のローテーション展開強化は、東南アジアの他の海洋国家にも利益になる」と言います。その理由として「米国のプレゼンスの強化は、この地域の均衡を取る要素」という点をあげます。
米国はローテーション展開をアジア・太平洋地域で拡大しています。へーゲル国防長官は8月30日の記者会見で、「すでにシンガポールとオーストラリアで行っているように、ここ(フィリピン)でもローテーション展開を増やしたい」と述べました。



カランダン氏(左)、シンブラン氏(右)(面川誠撮影)

数千人に膨らむ
新協定が締結されれば米軍の規模は数千人に膨れ上がると見込まれています。
「非核フィリピン連合」議長でフィリピン大学教授のシンブラン氏は「アフガニスタンやイラクを見れば分かるように、米軍が関与すれば新たな混乱と敵を生み出す」と批判します。
シンブラン氏は、米軍増強はフィリピンの国益とは関係ないとして次のように指摘します。
「南シナ海は米軍の世界展開にとって戦略的価値の高い海域であり、米軍増強は米国の国益のためにやっていることだ。領有権争いは米軍増強に絶好の口実を与えている」(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年9月17日付掲載


スービックから米軍を撤退させた経験のあるフィリピン。東南アジアでもとりわけ米軍からの距離を置くようになっているフィリピンとの思いがあったのですが、中国との関係を利用してアメリカが急接近してきているようですね。
「紛争を戦争に発展させない」としているASEANの理念からして、危ない感じですね。

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