こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

人生あっという間、私の時間もあと少し。
よりよく生きるにはどうしたらいい?

毒にも薬にもならない様ではサプリとは言えないが

2024年03月27日 | 病理のこと、医療のこと、仕事のこと
やっと晴れた。
これで、足踏みしていた桜の開花も一気にすすむはず。
明日は一旦崩れる様だが、週末にかけては晴天となりそうで、週末は段葛の桜も楽しみ(と同時に鎌倉市内の混雑も心配)。
頭だけ出していたチューリップも一斉に咲くだろう。

小林製薬が販売した「紅麹」成分配合のサプリメントを摂取した人から、急性腎障害等の腎障害を含む健康被害が相次いで報告されている。
定期的に服用していた人には亡くなった方もいて、事態は深刻だ。
腎障害がなぜ起こったのかが特定できていないというのも困った。

腎臓の病理診断は私のサブスペシャリティーの一つなので組織像をぜひ見たい。
組織で腎臓の状態が可逆的であるのかそうでないのかが分かれば、生検で予後判定もできる。
一刻も早く情報が欲しいところだ。

それにしても、小林製薬は人体実験(治験)は十分に行っていたのかが疑問になる。
薬の場合の治験は健康な人に対して行い、その後は実際の病気の人にも用いて、安全性、もしくは副作用の有無を検証する。
サプリだからこれが疎かになっていたとしたらそれは問題だ。

そもそもこういうサプリを飲むのはある程度臓器障害のある人だという前提で提供していたか。
もちろん実験は行っていて、健康な人では副作用はほとんど出なかったのかもしれないが、糖尿病性腎症のような腎障害をすでに有している人に用いた検証は行なっていたか。
毎日服用することで有害物質が蓄積する可能性はなかったか。

薬ならば医師の監視下で投与されて副作用が出たらその時点で対処する。
薬の中には腎疾患さらには発がん性のあるものだってある。
ところが、サプリの場合は服用は自分の自由意思だから、監視する人はいないし、服用量が多くなっても誰にもわからない。

私も数年来サプリを何種類か常用している。
ビタミンだとか血液サラサラだとかの類で、この小林製薬の痩せサプリにだって、もしかしたら手を出していたかもしれない。
サプリはほぼ薬剤として飲んでいる人がほとんどだろうから、健康被害はすなわち薬害となるが、では長期間にわたって飲むほぼ食品の様なものであるサプリをどう位置付けるかは難しい。
飲めば必ず元気になるわけではない

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