今月、松坂和夫著作集、全六巻が岩波書店から発行になった。
このブログでもそういう企画があるとは知らずに、彼の著作のいくつかをこのブログに書いた。その中で私のもっていなかった第1巻『集合・位相入門』と第3巻『代数系入門』を注文しておいたら、先週末に来たとメールで連絡があったので、今日取りに行ってきた。
松坂和夫『数学入門シリーズ』は次のような構成になっている。
1.集合・位相入門
2.線形代数入門
3.代数系入門
4.解析入門 上
5.解析入門 中
6.解析入門 下
である。この中で『線形代数入門』と『解析入門』とはすでに持っていたので、今回は購入しなかった。『解析入門』は大判で6冊本であったのを3冊に編集しなおしたらしい。
松坂さんには高校数学程度と思われる、『数学入門』6冊があるが、今回はこの6冊は『数学入門シリーズ』に入っていないのは残念である。
松坂先生はいまをときめく、数学者の新井紀子さんの一橋大学時代の先生であるらしい。新井紀子さんの松坂先生の紹介の折り込みが付いていた。
一橋大学法学部に入学したのに、その後、数学者となったという異色の経歴を新井紀子さんはもっている。こういうことが可能なことは一般の人にとっても大きな希望が持てるものである。
(2024.4.3付記)
新井紀子さんの名を知ったのは私の知人のTさんとの関連である。このTさんは以前にアメリカのイリノイかどこかで数学を教えている方とメールかなにかで懇意になってその方の著書を日本語に翻訳して出版したいと思われた方である。
この本はその後、新井さんの翻訳で講談社ブルバックスとして出版された。ドナルド・コーエン(新井紀子訳)『アメリカ流 7歳からの微分積分』である。
私の知人のTさんはコーエンのワークブックをどこかで出版してくれないかと探したが、どこも出版してくれるところはなかったらしい。コーエンのワークブックの方が彼の著書よりも興味深いというのが、Tさんの評価であった。
数冊のこのワ-クブックを T さんはコーエンさんから送ってもらったらしいが、その1冊を私に下さった。今でも大事にもっている。まだ私が大学に在職中のことであったから、これは2005年よりは以前のことである。
その後、このTさんとは連絡がなくなったので、いまも彼が健在なのかどうかは知らない。