物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

12月が近づいて来たので、

2021-11-30 12:27:45 | 物理学
12月が近づいて来たので、「数学・物理通信」の編集にとりかかる時期が来た。

予定されたSさんの投稿も受け取ったし、いくつかの原稿の用意もできてはいる。だが、もう少し原稿がいるだろうか。

ちょっと考えているのは武谷三男関係の科学史的資料を二つ用意していたのだが、一つはもう少し発表の時期を延期することを考えたほうがいいのかなと思いはじめた。

それにこの史料に関係して、新しい仕事の構想も思いついたが、これはかなり私には重い仕事なので、取り掛かるべきだとは思うが、仕事自身は完成する見込みはあまりない(注)。

しかし、懸命に生きて来たのでかどうか、今年の正月がついこの間のことだったような気がしないでもない。

(注)この思いつきは武谷氏の主な業績と考えられている、核力研究のストラテジーTNSと略称される研究の現在の視点からの評価を科学史的にすることである。これは別に私がしなくてもいいので、そういうことに関心を持つ人が出て来てくれてもいい。

この科学史的な研究にはQCD(量子色力学)、特に漸近的自由とか、その場の理論も含まれている。そして、クォークの物理としての核力の研究も含まれている。そういう研究は世界的に3つほどほとんど同じような時期に、研究論文が出ていると聞いている。

3次のLevi-Civita記号の積の関係

2021-11-29 11:25:31 | 物理学
今読んでいるベクトル解析の本、上野和之『ベクトル解析』(共立出版)のちょうど60ページにこの積の縮約の私がよく知っている3次のLevi-Civita記号の積の関係が、すべての値のときに正しいことを表で示した、いかにも地道な証明があった(注)。

そこに与えられたのとは違ったこの等式の証明を小著『数学散歩』『物理数学散歩』(国土社)で、3つのやり方で書いたことがある。

もっとも、その最後の証明は高名な物理学者、今井功さんの証明をなぞっただけだった。これは私には直観的にも正しいことだと思われたが、それでも実際に昨日ちょっと手を動かして計算をしてみた。

これは以前から手を動かした計算を付録として、つけておいた方がよいのではないかと思っていたのだが、直観的にはこの今井功さんの証明でも一般の方にも理解できると思っていた。

昨日の午後は日曜日だのに妻は外出していなかったし、喪中で年賀状を出せないのでその喪中のお知らせのハガキのあて名書きをしてから、その計算をしてみた。

この計算は面倒なだけで難しいところはない。それで紙は数枚が必要であったが、簡単にできた。

(注)この本上野和之『ベクトル解析』の6章と7章を読み終わっていないが、他の章は読んだ。練習問題をやらないので、まだよくわかったかどうかはわからない。私はなんでも問題を解くのが苦手である。それで話の筋を大切にして問題はよほどのことがなければ解かない。

今日は一月一回の雑談会の日

2021-11-27 13:25:13 | 本と雑誌
今日は一月一回の雑談会の日である。

机の上の書類を1時間以上かけてファイルし、それから掃除機をかけた。
この雑談会をするので、どうしても掃除をするのだ。

それがないと数か月も掃除機をかけない。仕事場だから、あまり人の出入りはない。それこそ世を捨てた仙人のような生活である。

一方、妻は人とかかわることが好きなタイプである。よく何年も一緒に生活できるものだと言われればそうかもしれないが、別にお互いに不満もなく過ごしている。

ドイツ語クラスで出て来た言い方だとIch bin echt nicht besonders reich.「特別にとりたててお金持ちでもない」し、なんとか生活が「かつかつ」できる程度である。だから収入の手段を考えないといけないときがきているのだが、あまりいい方法も思い浮かばない。

それで、いままで在職中にしてきた物理の講義を書籍にでもできないかなと思い始めている。もっとも本の形ではなく電子書籍という形にできないかなと昔の講義ノートを覗いて見たりして考えはじめた。

比較的回数の多かった講義は量子力学、波動物理学、それから定年の数年前にした熱力学くらいである。力学もあまり多くではないが、2,3回は講義をした。一番少ないのは電磁気学の講義であり、これは友人の同僚が在外研究で10か月ほど海外に出かけたときに代講でしたくらいしかない。

金曜日はほっとする感じ

2021-11-26 15:14:31 | 物理学
1週間も金曜日になるとほっとする。

ということで午前中には書けなかったブログを書いている。これは12月に発行予定の「数学・物理通信」に発表予定の原稿を少し用意していたからである。

とはいっても今回は私の用意した数学関係のエッセイは一つであり、それも短いものである。

むしろ今まであまり取り扱わなかった、武谷三男の科学史的な資料となるものを2つ発表したいと思っている。

それと、これは号外としたいと思っているが、「遠山啓博士の著作目録」を発表したいと考えて原稿を用意している。

普通にいけば、通常の号が2号とそれに号外号の発行を予定している。これはいつも投稿してくださる、Sさんが今回も投稿してくださるとの予定の下に言っていることだが。

峠を外国語でどういうか

2021-11-25 13:25:16 | 本と雑誌
あまり峠を外国語でどういうか知らない。ドイツ語でも知らないような気がする。der Passであったような気がした。いま辞書を調べたら、パスポートの意味の外に、峠という意味もあった。

ヒマラヤ山脈の登山の本を読んでいてだったかで、コルという言葉を聞いたことがあるような気がする。colだったろうか。いま英和辞典を引いて見るとこの語は「峰と峰の間の鞍部」という意味らしい。では英語で峠はどういうのだろうか。

英語でもpassは山道とか峠という意味があるらしい。この語については前にもこのブログに書いたことがあるかもしれない。

(2024.4.1付記)ハングルでは峠はいつかのブログでも書いたが、アリランである。これはアリランとかいう歌があるとこのブログで書いた。


行列の積の導入は歴史的にどうなされたか

2021-11-25 12:14:20 | 数学
行列の積の導入は歴史的にどうなされたかに関心をもっている。ところが私の持っている数学史の本はこういう経過について書いた本が1冊もなかった。

それで昨日県立図書館に行ったときに、メルツバッハとボイヤーの『数学の歴史』II (朝倉書店)を借りて帰った。それのケイリーの項に行列の積の演算が1次変換を2回行ったことから導入したことを知った。

1次変換を2回行うことから、行列の積を導入することは、実は私は大学の教養部の数学『代数学と幾何学』の講義で知ったことでもあった。だが、実際に光藤教授がその計算を行ったときには面倒なことをするなとその教育的な意味を理解しなかった。

行列の積がどういうふうに導入されたかと疑問に思い出したのはその講義がなされてから、何十年も経ってからであった。

そのときに、ようやくその当時のテクスト、矢野健太郎『代数学と幾何学』(裳華房)を取り出してきて1次変換をつづけて2回することから導入されたことを知った。

その動機をもっていたから、雑誌「数学セミナー」で、ある数学者がこの行列の積の定義についてちょっと私には形式的と思われるを回答していたことから、私の理解している導入のしかたを「数学・物理通信」に書いた(注)。

だが、これが歴史的に始めてされた導入のしかただったのかどうかは確信がなかった。それがボイヤーたちの書で示されていたことを知った。

いまではむしろ行列の積の導入は内積と同様に導入するのが、わかりやすいかもしれない。多くの線形代数の書ではそういう導入をされているであろう。

教育的にはそれでいいと思うが、歴史的ないきさつを知っておくことはいいことであろう。

(注)「数学・物理通信」で検索すれば、すぐに名古屋大学の谷村さんのサイトに行きつく。ここには「数学・物理通信」のすべてのバックナンバーがある。

アリラン

2021-11-25 11:23:27 | 本と雑誌
先刻、車で移動していたときに、ラジオからアリランという語が聞こえてきた。

アリランは韓国・北朝鮮とかに関係した言葉であろうが、妻も私も意味を知らなかった。それで妻がすぐに自分のスマホで検索をしてみたら、ハングルで峠という意味だった。

そういえば、日本語訳では「アリラン峠を越えて行く」という歌があるはずだ。

そういう言葉の意味を知らないことが多い。これはもう一昨日のことだが、朝食後に妻がアルデバランって何だろうとつぶやいていたので、「星のことではないの?」と答えた。その後、やはりスマホで調べた妻が牡牛座の星だとか言っていた。

星のことはあまり知らない。それで2回目の大学1年生のときに同級生となった、星などに詳しい Y 君とはそういうことで仲良くなった。まさに私の欠けていた分野に関心を持った男だった。なかなか個性の強い人ではあったが。

 Y 君からあまり感化は受けなかったが、それでも Y 君から星のことを聞いたりした、夜空にひときわ明るく輝く星があるので、あれは何だろうというと、シリウスだろうと教えてくれた。マイナス一等星だとかも教えてくれた。

その後になって、知った星の名前というとオリオン座とかそのオリオン座の中のリゲルだとか、ペテルギウスとかである。これはプラネタリウムで知った星の名前である。

まだ数歳のころだが、朝鮮に住んでいたころ、親戚の家から帰宅の途中で見た星は多分オリオンの三ツ星であったろう。これは父に抱かれて自宅に帰る10分くらいの間に夜空に見た星座の星であった。

これはいまの韓国のチネ(鎮海)での経験である。理由があって、敗戦の半年前くらいに 生地の I 市に帰って来たのだが、それからまもなくアメリカ軍の空襲を受けるという経験をした。

1945年の敗戦を迎える月の数か月前の5月にようやく一月遅れで幼稚園に入ったのだが、あまりなじみができないうちに、たびたびの空襲とかその後の焼夷爆弾の攻撃で I 市は町中が焼け野原となってしまい、幼稚園も焼けてしまったことから、幼稚園の経験は2カ月とは経たないうちに終わってしまった。

それでも小学校に入ったときには幼稚園でみかけていた子を数人は知っていた。よく知っているというほどではなく、顔を覚えているという程度ではあったが。 


久しぶりに県立図書館に行った

2021-11-24 13:42:40 | 本と雑誌
このところ県立図書館には足が遠のいていたが、『日本の最終講義』(角川書店)を借りにいった。あまり碩学の最終講義などというものにあまり関心のないほうだが、実は遠山啓の最終講義がこの中に再録されているとのことだったので、借用してきた。

もう長い間「遠山啓著作目録」を準備してきたが、『数学・物理通信」号外号(12月発行予定)に遠山さんの著作目録を発表しようと思って国会図書館のOPACを検索したら、この本が出て来た(注)。

もちろん最近の発行だから、目録の中には入っていなかった。他の本も数冊出ているが、近くの大学図書館とか県立図書館にはない本が多い。

それに収録していない書籍があるからといって、いつまでも引き延ばしていてもなかなかこういうものは完成ということはない。だから、どこかで見切り発車で発表しなければならない。

それに『数学・物理通信」に発表すると名古屋大学の谷村先生の努力によって彼のホームページに載るので、インターネットで一般の人が検索できるようになる。

前にも書いたかもしれないが、いまのところ用意されている原稿は41ページにも及ぶものである。

(注)国会図書館のOPACは使えるが、これは詳しいデータがほしいときにはあまり使えない。ページ数とか発行日とかの詳しいデータがほしいときには少なくともOPACでは不十分である。その辺が微妙である。

人気漫画の海賊版の摘発

2021-11-23 12:17:04 | 本と雑誌
もう2週間かもっと前だったろうか。夕方の7時のNHKのテレビのニュースで人気漫画の海賊版の摘発を出版社の集英社が行ったという話題が報じられていた。この被害が3億8千万円とか4億円とかいう話だった。

それほど大きな話ではないが、小著『数学散歩』『物理数学散歩』(国土社)も海賊版というのか無料のpdfが配布されている。『四元数の発見』(海鳴社)も出回っていた。それもいずれの本も高額の書ではない。3000円にも届かない書であるのに。

その後、出版社に申し出たせいか、『四元数の発見』の方は無料pdfはあまり見かけなくなったが、『数学散歩』『物理数学散歩』は出版社に申し出たのだが、法的処置をとってくれないらしい。

今朝も『数学散歩』『物理数学散歩』を読み返してみたら、自分の本があまり系統的なテクストにはならないが、それでも学習のヒント以上の役割をするだろうと思った。

自己満足になっているのかもしれないが、結構よく書けていると思うのだ。

最近も、ある元高校の数学の先生に『物理数学散歩』に送ってあげたのだが、その感想をもらうことができなかった。

その方が理解して、感想を下さるところまで行かないらしい。理解するのはそんなに難しくはないはずだが、それを読む意欲がわかないのなら、しかたがない。 

私は数学者ではないから、数学が専門の方が感想をよせるような事柄ではないのだろう。

それに物理学関係の方からもあまりほめられたことはない。化学の研究者の方で昔の同僚だった方からは同感との手紙だったかメールはもらったことが一度あるだけである。この方は私と感覚がよく似ているが、私とは違って、優秀な化学者の方であった。


フランス語はかなり多くのところで話されている

2021-11-23 11:28:00 | 本と雑誌
フランス語がアフリカでもニューカレドニアでもはたまたマダガスカルでも話されている。

今日取り上げるルーマニアでも500万人の人がフランス語を話しているということである。そしてそれはルーマニア人の1/4にもあたるという。

ルーマニアの詩人、エミール・シオランの言った言葉というのが、「人は国ではなく、言語に住むのだ。それが祖国であり、他の何ものでもない」と。

On n'habite pas un pays, on habite une langue. Une patrie, c'est cela et rien d'autre.

(オン ナビット パ アン ペイ,オン アビット ユヌ ラング.
 ユヌ パトリー,セー スラ エ リィアン ドートル.) 

(注)フランス語のできる人はカタカナの発音は無視してください。これはフランス語のできない人のためですから。

(NHK「まいにちフランス語」11月号 p.41から) 

日曜で気分一新して

2021-11-22 10:24:34 | 物理学
日曜で気分一新して仕事場に出てきた。土曜日は休まないが、日曜は極端に言うと、はし一本も転がさない。

ぼんやりといまごろなら、こたつに入ってさして広くもない庭の木々を見たり、居眠りしたりしている。妻に付き合ってテレビを見たりもしている。

しかし、テレビを見ることはできるだけ控えるようにしている。それでも妻が暇なのか日曜日には昼過ぎには古畑任三郎シリーズを見たりする。

テレビを見るのを控えるとはいっても、見ないわけではないので、極端にテレビ漬けにならないとの配慮だけである。

これはもう半世紀も昔のことだが、湯川秀樹先生が所長だった、研究所の非常勤講師を数か月務めたことがあった。

そのころ所長室の隣室の小さな会議室で昼食を所員みんなで取っているというので、そこに行くようになった。すくなくとも半年は非常勤講師を務める予定だったが、6月の半ばにE大学工学部の講師に任用された。ただ、はじめから半年はその研究所にいてもいいとの許可をもらって、9月までそこに滞在をした。10月初めに松山に赴任した。

もっとも講義の義務は免除されなかったから、E大学に6月だったか生まれてはじめて初歩の量子力学の集中講義にでかけたのを覚えている。

その私の初めての講義を聞いた学生の数人はその後には工学部の同僚の教員となった。工学部長を後で務めたM君もその中の一人であった。



講義ノートがいくつか出て来た

2021-11-20 11:40:07 | 物理学
棚の上の封筒に何が入っているのかを調べたら、2001年度の法文学部の夜間主コースでした講義のノートが出て来た。これは授業科目「自然の営み」の中で行った『原子物理学』という講義であった。

ノートのページ数は34ページであるが、目次をみると
1.はじめに
2.X線と放射能
3.電子と中性子
4.原子の量子論
5.原子核反応
6.核分裂と連鎖反応、その発見者たちの人物像
7.臨界量
8.原子爆弾
9.原子炉
10.原子力発電
11.放射線障害
12.原子力の将来
13.核と政治
とある。34ページでこれらがすべて十分に講義できたとは思わないが、なかなか興味深そうな目次であろう。

仕事をもっている人たちが学ぶコースがこの夜間主コースであった。8時くらいから授業が始まるので、時間をつぶすためにその前にあったカナダ人のフランス語の先生の授業に了解を得て、出席さしてもらった。

学生の邪魔をしたくなかったので、できるだけ静かにしていたが、それでもやむにやまれず授業の途中で数回先生にフランス語で質問をしたことがあった。

私のフランス語で言えることなどしれたものだが、それでも私の試験の答案 紙の余白にあんなにフランス語を話せるなんてと書いてくれた女子学生もいたが、これなどは単位ほしさのためかもしれないなどと思った。

フランス語の最後の授業での試験を受けて合格したが、先生が評価を学務係に届けようかと言われたが、その必要はありませんと答えたのを覚えている。

この講義の数年前に工学部の学生を対象にした歴史の科目として「技術と科学の歴史を考える」と講義の第2部として「原爆製造と原子核物理学」という講義を7, 8時間受け持ったことがあった。

これはいわゆる大学の教養部が廃止されたことによって、歴史学とかに関係がまったくなかった私にまで歴史学の講義の一部の担当が回ってきたことが原因であった。なお、参考までにこの講義の第一部は友人の物理学者で、その後、情報処理を専門とした故N教授であり、コンピューターの歴史であったと思う。

(注)これらの2つの講義の付録として私が以前に書いた『ドイツ語圏世界の科学者』というエッセイをつけた。



現状の日本をどう打開するのか

2021-11-19 11:16:37 | 本と雑誌
現状の日本をどう打開するのかについての、いいアディアがあるわけではない。

だが、まだ日本の人口はけっこう多いので、それらの人々の潜在能力を最大限に生かす方法はないか。

一つの人材は老齢の引退生活を送っている方々の活用であろう。もちろん静かに趣味とか、読書とかボランティアの生活を送りたいと思っている人に無理やり引き出そうというのではない。

だが、もっと社会貢献をしたいと考えている人々にもっと生きがいのある生活を送ってもらえないかと促すことはできるのではないか。

私の知人、友人にも大学退職後も研究に励んでいる方も一人、二人にとどまらない。こういう方にその能力を生かせる方法を考えるような政策をとれないだろうか。

その2の政策は、これはその実情は政府のどこの省も把握をしていないだろうが、引きこもりの人たちである。40万とも50万とも言われる人が日本全国では引きこもっておられるとも聞く。

それらの方々の引きこもりの要因をカウンセラー職を充実させて、一人二人と相談に乗って、解きほぐしていけば、彼らは再生することは可能だと信じている。そのためには地道な努力が厚生省ほかの部署で必要であろうが、それらの人を生かすことができれば、社会のために大いに役立つであろう。

もし、これらの方々が社会で働くことができるようになれば、彼らはタックスぺイヤーともなれるのだから、お荷物とは逆のいいを果たすことになる。

だが、そういうことを政策に掲げる政党はほとんどないので、じり貧の日本の経済的、技術的現状である。

過去の日本の栄光をいつまでも懐かしんでいるべきときではない。積極的な施策が必要である。



4週間に1回の検診

2021-11-18 12:17:32 | 本と雑誌
歳だから、高血圧で薬が欠かせない。それで4週間に1回の検診に行く。

今日はその日で血圧を測ってもらい、脈とかの検診を受けた。心臓の鼓動はいまのところ問題はない。

こういういい状態がいつまで続くかはわからない。だが、かなり長く続くことを祈るしかない。

もっとも薬で押さえられた血圧は先月までは120mmHg代であり、今月は130mmHg前半である。私にしたらちょっとあがったですかと尋ねたが、そうだとも言われなかった。これは多分気候として寒くなってきたから仕方がないところがあろう。


熱を知らない人はいないが、

2021-11-17 13:30:21 | 物理学
幼児のころは朝鮮に住んでいた。今でいうと韓国でプーサンに近いチネというところである(注1)。

そのころ家には風呂はなく、銭湯に行くのが普通だった。そして風呂に入ると体にあつい熱というかある種の痛みというかがしみ込んでくる体験をした。

今から考えるとこれが私の熱の伝わる現象を意識的に体験した初めだったと思う。でもその頃には熱とかいうことを知っているわけではないから、お風呂に入るとしばらく皮膚が痛いと思っていた。じりじりと音がするわけではないが、音がするような感覚をもっている。

これは熱の伝達のしかたで言えば、熱伝導である。中学校の理科で学ぶように熱の伝達のしかたには接触したものの間にその温度差に応じた熱が伝わる、これが熱「伝導」である。

熱の伝わり方は何もない空間をわたって電磁波(赤外線)として伝わる「熱輻射」もあるし、また風呂のお湯が沸くという現象のような「対流」もある。

よく晴れた冬の日の夜に気温が下がるという現象が起こるが、これは地球やその周りの空気が持つ熱が地球の周りの空間に放射で熱を放出するから、晴れた日の夜などは放射冷却が起こるのである。

もしか空が曇っていたりすると、地球とかその周りの空気のもつ熱の放射が雲にさえぎられて減り方が少なくなる。

最近話題の気候変動だと地球のまわりに炭酸ガスが地球の大気上層に多くなり、熱が地球から放射されにくくなって、それで地球全体の平均気温が2度以上も上がることが予想されている。これは炭酸ガスによるある種の保温効果といっていいであろう。

これは地球のもつ熱の放射による熱の減少を防ぐためである。一般に熱の減少を防ぐというといいことのように思われるが、地球は太陽から四六時中、光による熱を受けている。その熱の供給と放射によるバランスが大切なのである。

私の友人のTさんは地球の上空に薄いアルミかニッケルかなにかの金属の広い薄膜を赤道上に打ち上げてそれを移動させることによって、それで地球に来る太陽の光を反射させて、結果として地球への熱の流入を防ぐという卓抜なアイディアを出しているが、こんなアイディアが技術的にも経済的にも可能なのかは誰にも今のところ分からない(注2)。

(注1)チネ(鎮海)は桜の名所として有名なところである。春の桜の季節には100万のオーダーの観光客が訪れるという。私の幼少のころにもそれで有名であったが、現在の方がもっと有名になっているらしい。

(注2)このアイディアは「数学・物理通信」に発表されている。「数学・物理通信」はインターネットで検索できる「はず」である。