「おかえり、ブルゴーニュへ」 PG12 セドリック クラビッシュ監督 仏 ☓
10年ぶりにブルゴーニュの実家に戻った長男と妹、弟、それぞれの問題を解決していく姿をぶどう畑の美しい景色とともに描きました。
ジャン(ピオ マルマイ)は父親が重病になり、実家に帰ってきます。驚いて迎える妹ジュリエット(アナ ジラルド)と弟のジェレミー(フランソワ シビル)ですが、5年前に母親が亡くなったときに帰ってこなかったジャンを責めます。妹はずっと父親とドメーヌ(ぶどう畑とワイン製造)を切り盛りしてきました。弟は大きなドメーヌの婿になり、義父からあれこれ指導を受けていました。ジャンには息子がいますが、妻とはうまくいっていないようでした。3人それぞれ問題を抱えながらもぶどうは育ち収穫の時期を迎えるのでした。
オープニングのぶどう畑の四季折々の映像が美しいです。人間ドラマはよくある展開ですが、ぶどう畑の場面では、収穫時の季節労働者の労働形態、冬季の大胆な剪定、農薬散布を巡るトラブルなど勉強になりました。ガスマスクと宇宙服のような防護服で農薬を散布する隣の農家に「安全だと言うならマスクを外しなさい。」と詰め寄る姿には拍手!
タバコは、妹が喫煙者で、ぶどう畑でも室内でも(窓を開けて)喫煙していました。ワインのテイスティングの訓練に子どもの頃から目隠しして味覚を鍛えている一方で味蕾を傷つけるタバコを吸っていてはお話しにならないのではないでしょうか。隣家の農薬には抗議するのに自ら畑で喫煙して畑にニコチンを散布しているのもちぐはぐです。
ちなみに邦画でワイン作りがテーマの「ウスケボーイズ」は無煙でした。これならば国産オーガニックワインを飲むことをお薦めします。