陽が出て沈み、出ては沈むを繰り返す。
とめどなく流れゆく日々の中に溺れながら、
嬉しいことや悲しいことは覚えていても、
なんでもないことは、忘れ去ってしまう。
なんでもないことが、じつはとても幸せなことなんだと、
ジュルが、わたしに教えてくれた。
嬉しいときは喜び、悲しいときは泣けばいい。
なんでもないときは、どうしたらいいのか、わたしは知らなかった。
わたしの周りをただ、日々が通り過ぎていっただけだった。
楽しめばいい。
なんでもないときを楽しめることを、幸せっていうんだよ。
ジュルが、わたしに教えてくれた。