そこそこ立派なサクラの樹がある近所の公園へ。
パッ、パッ、パッ、
花びらの開く音が聞こえてきそうなほどに、
勢いよく咲くサクラに、元気を分けてもらった。
サクラの花の香りを楽しむなんて、
風流だね、ジュル。
そうそう。ジュルの耳は、サクラの花びらみたいになっている。
ノラの頃、ケンカかなにかで傷ついたのだろう。
サクラの花びらのように、耳の先が小さく割れているのだ。
寛いでいたら、サクラの花びらがジュルの頭に、ふわりと降りた。
突然のことに笑いながら、「もう、散ってしまうんだ。。。」と、
美しくも短い時を懸命に咲き誇るサクラが、切なくもあり、
次第に、健気に思えてきた。たいしたものだね、生命というものは。
短くても、意味なんてなくても、生きていることを喜んでいる姿は、
こんなにも美しいものなんだ。
こんどはサクラ吹雪が舞うサクラ並木を歩きに来よう。