アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリング、コンサルティングを行っています。
アドラー心理学による勇気づけ一筋40年 「勇気の伝道師」   ヒューマン・ギルド岩井俊憲の公式ブログ



おはようございます。
アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

昨夕から鹿児島の串木野市に入っています。
この地で2日間、研修を行ってきます。

現在は 劇団四季 で押しも押されぬ主力俳優の 石波義人さん

石波さんは私の小学校、中学校、高等学校、大学の後輩。
長らくヒューマン・ギルドの会員でいらっしゃり、この5月には10数年ぶりに1日のワークショップ(詳しくは後述)をご担当いただきます。

石波さんは人間学を探求する出版社 致知出版社 の『致知』2022年2月号の「致知随想」で劇団四季の創設者の浅利慶太氏の厳しくも温かい人柄について語っています。

自ら石波さんのインタビューをされた 致知出版社 の取締役編集長の 藤尾允泰さん の許諾を得て転載します。

劇団四季の俳優として活躍する石波義人さん。
61歳で劇団四季に入団、
『美女と野獣』のキャストとして活躍していた頃、
大きな壁に直面します。

石波さんの真摯さと共に
浅利さんの厳しくも温かい人柄が伝わってくる
エッセイ(致知随想)の一部をお届けします。

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(石波)

オーディションに合格したことを機に
劇団四季に移籍したのは2010年、61歳の時です。
その年から『美女と野獣』のキャストに入り、
既に200ステージ以上に出演していた2013年のある日、
劇団創立者の浅利慶太さんが稽古を見に来られました。

私のデュエットを聴かれるなり、「歌じゃないな」と一刀両断。
劇団の廊下には大きな文字で
「歌は音程とリズムを正確に」と書かれているのですが、
私は音程やリズムが多少崩れても、
役の心情が表現できればいいと思っていたところがあり、
浅利さんはそこを見逃さなかったわけです。

夜遅くまで個室にこもり、
ピアノの音を聞きながら音程を合わせて歌う練習に励みました。
翌日の稽古にも浅利さんがいらして、
目の前で歌うとこうおっしゃいました。

「前半はよくなったな。でも、後半は全然ダメだ。
石波君にはお引き取り願ってもらったほうがいいだろう」

最初はその意味が分からなかったのですが、
劇団の方に「石波さん、契約解除ということです」
と言われ愕然としました。

家族に言えるはずもなく、
翌朝、劇団に出かける振りをして人気のない公園に行き、
できなかった後半部分をただひたすら練習しました。
寒い冬の時期でしたが、
次の日もまた次の日も黙々と練習に明け暮れました。

そして6日目、思いがけない展開が起こります。
劇団の方から
「浅利先生が舞台稽古を再度行うとおっしゃっているので、
札幌に来てください」
と電話が入りました。
翌朝一番の飛行機で向かうと、
そこには数十名の俳優が集められており、
すぐ舞台稽古が始まりました。

「石波、よくなったな」
浅利さんのひと言で私は再びキャストに選ばれ、
そこから40日も出演することになったのです。
「慣れだれ崩れ=去れ」
「劇場が貧しくとも装置が貧しくとも、
俳優の魂の高貴さと高い技術があれば、舞台は光り輝く」

浅利さんは本当に厳しい方でしたが、
俳優としてプロとして、そして一人の人間として
大切なことを学ばせていただきました。

※『致知』2022年2月号 致知随想より

昨年10月20日にヒューマン・ギルドで出会い・取材の場をご提供していました。
その際の写真です。

ところで私は『致知』の40年間(間に抜けた数年あり)の読者です。

書店では手に入らない月刊誌『致知』。
宅配の購読お申込みを強くお勧めします。
   ↓   ↓
https://www.chichi.co.jp/plans/index.php

◆リアル開催「自己表現ワークショップ」
の概要は次のとおりです。
カウンセリングを学ぶ人、コミュニケーションを大切にしている人に強くお勧めします。

https://www.hgld.co.jp/p_lecture/view/967

日時:5月22日(日)10:00~17:00 
講師:石波義人氏(劇団四季 俳優)
会場:ヒューマン・ギルド研修室(東西線 神楽坂駅徒歩3分)
受講料:19,800円(会員)、23,100円(一般)

講 座 内 容

劇団四季の俳優、石波義人さんをお迎えして「自己表現ワークショップ」を開催することになりました。 

石波さんは、今まで「演劇ワークショップ」を含め何度も講師を務められました。
その中で実感するのは、「演劇の訓練メソッドの中には心理学との接点がある」という点と、「石波さんは、勇気づけ(演劇業界用語では「ヨイ出し」)を演劇の手法の中に、さらには日常生活に具現化した人だ」いう点です。

今回は、「相手との関係性や特定の状況をしっかりと読み取って、自分らしいコミュニケーションの仕方をするには?」「肝心なところで自分の力量を発揮できそうにないと思われる場面でも集中力を高め、リラックスする方法は?」「今の引っ込み思案だと決めつけていた自分の多様性と可能性を発見するには?」などの要求に応えて発声法や、自分に合った振る舞い方、自分らしい感情の表し方を、俳優の訓練メソッドを体験していただく中で発見していきます。
 石波さんからは「私のワークショップは、自己表現のハウツーものとは違って、より自分らしい自分を発見するための研究集会といえるのではないかと思います。それが俳優の訓練にはとても大事なことで、その自分らしい自分を土台にして演技をするから個性的になるのです」という言葉を寄せてくださいました。

ご参加の方は特に限定しませんが、一般の方から教師、研修講師(SMILEリーダー、ELM勇気づけトレーナーを含む)まで幅広く、お誘い合わせの上、楽しく学ぶ感覚でお越しいただくことを期待しております。石波さんのお人柄に触れるだけでもこの1日は貴重な体験になるかもしれません。 
 
 石波義人さんプロフィール

1949年2月栃木県生まれ。
1972年3月早稲田大学第一文学部卒。
在学中から、小池朝雄、岸田今日子、橋爪功などが在籍していた劇団雲の研究生となる。
1974年、劇団雲に入団。76年、劇団名が昴に改まるに伴い、劇団昴に所属。
出演の劇団公演としては『クリスマス・キャロル』(99~02年、松本永実子/菊池准演出、スクルージ役)第55回芸術祭演劇部門芸術祭大賞受賞の『怒りの葡萄』(00年、03~04年、ジョン・ディロン演出、父役)、第3回朝日舞台芸術賞受賞の『ゴンザーゴ殺し』(03年、05年、菊池准演出、チャールズ役)など。

外部公演では、東宝『風と共に去りぬ』(01年、山田和也演出、成金/船長役)、俳優座劇場『サマーハウスの夢』(05年、宮崎真子演出、グレイソン役)、日生劇場『屋根の上のヴァイオリン弾き』(06年、寺崎秀臣演出、巡査部長役)などに出演。

CMや、海外ドラマ・洋画・アニメーションの吹替などでも多数出演している。また各地で演劇訓練メソッドによるワークショップを指導。

ヒューマン・ギルドでも演劇ワークショップ、自己表現ワークショップなどに数度ご登壇。
アニメ『ヒカルの碁』、『GTO』.『NARUTO』などに出演するほか、『不都合な真実』のような実録物や数多くの洋画で吹き替えを務めた。

劇団四季には2007年のオーディションを通ってから、『この命誰のもの』、『ハムレット』、『人間になりたがった猫』などに客演し、2010年から正式に所属。

代表作は『クレイジー フォー ユー』のヒロインの父親(エベレット・ベーカー)役、『美女と野獣』のモリース役、『アラジン』のサルタン王役など。

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