おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
昨日(5月24日)の午前中にオフィスに『自分を勇気づける アドラー心理学7つの知恵』(ベストセラーズ、1,400円+税、5月26日発売)の著者見本が10冊、出版社のベストセラーズから届きました。
この本は、2013年11月に同文館出版から『カウンセラーが教える「自分を勇気づける技術」』として出版されていた本ですが、絶版になってしまったために、大幅に加筆・修正だけでなく章立ても変更し、「自己勇気づけの決定版」として蘇った本です。
構成
第1の知恵 自分自身を最大の味方にする人間関係を築く
最2の知恵 気分や雰囲気に左右されない自分の意志を持つ
第3の知恵 あなたを作ったのはあなた、あなたを変えるのもあなた
第4の知恵 感情を味方につけて、心を整える(旧第5章)
第5の知恵 未来の目標を持つことによって現在の状況、境遇を変える
第6の知恵 他者に対して勇気をくじく言動はしない
第7の知恵 「ダメ出し」を止めて「ヨイ出し」をする
アマゾンでも予約受付中です。
昨日の午後から仙台に来ています。
仙台では、19:00~21:00にリーダー向け講演会「アドラー心理学による『勇気づけ』リーダーシップ」を行いました。
100名の定員を上回る120名にお集まりいただきました。
主 催:株式会社セールスリンク/共 催:アドラー東北/協 力:有限会社ヒューマン・ギルド
会 場:アエル仙台 情報産業プラザ6F セミナールーム
講演は大盛況。
「アドラー心理学の本を読んだことがある人?」と尋ねたら8割以上、「私の本を読んだことがある人?」と聞いたら7割以上の人が手を挙げたのは驚きでした。
レベルの高い受講生に2人一組で時々討議・演習を交えながら進めるやり方が大受け。
私としては「大満足」で講座を終えました。
その証拠の1つが持参した本40冊がすべて売れたこと。
お買い求めに方々に私はサインをさせてもらいました。
講座が終えてからは、居酒屋で魚介類をいただきました。
それがまたおいしいこと。
大満足の仙台の夜でした。
主催の株式会社セールスリンクの 佐藤なな子さん、共催のアドラー東北の 高橋直子さん、ありがとうございました。
さて、「蜷川幸雄は、勇気くじきの演出家だったか?:山田さんのご質問に」シリーズの4回目です。
勇気づけのコミュニケーションが成立するためには、次の4つの要件が必要であることを アドラー心理学ベーシック・コース で伝えていることは、3回目で書きました。
1.発信者
2.受信者
3.相互関係
4.記号
勇気づけは第1に、誰からそのメッセージが発せられるか、の発信者によって決まります。
稽古では怒鳴りまくり。駄目ならキャストもすぐ入れ替える。その繰り返し。
俳優を「バカ!」「マヌケ!」と激しく怒鳴りまくる、灰皿を投げつける。
以上は、蜷川自身が語った言葉です。
もし、蜷川が職場においてこのような振る舞いに及んだら、「パワハラ」で訴えられてもおかしくありません。
ちなみに、「パワハラ」とは、パワーハラスメントの略で、職権などのパワーを背景にして、本来の業務の範疇を超えて、継続的に人格と尊厳を侵害する言動を行い、就業者の働く関係を悪化させ、あるいは雇用不安を与えることをいいます。
うつ病などのメンタルヘルス不調の原因となることもあるとされています。
平成24年1月30日、厚生労働省の「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告」によると、職場のパワーハラスメント(パワハラ)とは、「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう」と定義されています。
上司から部下に行われるものだけでなく、先輩・後輩間や同僚間、さらには部下から上司に対して様々な優位性を背景に行われるものも含まれます。
職場のパワーハラスメントの行為類型は以下のとおりです(ただし、職場のパワーハラスメントのすべてを網羅するものではありません)。
(1)身体的な攻撃(暴行・傷害)
(2)精神的な攻撃(脅迫・暴言等)
(3)人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)
(4)過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害)
(5)過小な要求(業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと)
(6)個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)
それだけではありません。
次のような法的な責任も負わなければなりません。
<民事上の責任>
加害者責任 人格権の侵害・・・・不法行為(民法709条)
使用者責任
(1)不法行為責任 損害賠償責任(民法715条)
(2)債務不履行責任(民法415条) 職場環境整備義務、職場環境調整義務
<刑事上の責任>
傷害(204条)、暴行(208条)、名誉毀損(230条)、侮辱(231条)、脅迫(222条)
私は蜷川幸雄をいろいろ調べた末、彼のパワハラまがいの振る舞いの源流を子ども時代からの劣等感と、それによって培われたライフスタイルにあることを突き止めました。
このことは次回に。
<お目休めコーナー>5月の花(25)