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縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

縄文時代の敷石住居の意味は? (9/10 縄文を五感で探る)

2022-08-27 | 第十一章「五感で面白おかしく」

縄文時代の展示でよく見られる柄鏡形敷石住居。縄文中期の後半から後期の前半ごろまでの1000年間くらい見られる現象とも言える。配石遺構などまで考えると、もっと長い期間の現象かもしれない。

何故、このような住居を列島の祖先達は作ってきたのか。これに対していろいろな説があるが、未だに納得できる回答は見つからない。

さて、私は学生時代に実験心理学の卒論を書いたり、この20年くらい前からU先生に習い、比較宗教学や比較文化論のベースがある臨床心理学系の勉強をしてきた。その中でいろいろ役に立つ理論を学んだが、カール・ロジャースの心理学は有名な来談者中心のカウンセリングとして広く知られているが、現象学的なアプローチをとり心理学以外の分野にも影響を与えたとされる「パースナリティ理論の19の命題」はとても役にたっている。たった19の命題だけで人のことを語れるというので、かつてロジャースがノーベル平和賞候補になったということももっともだと思う。

それはともかく、19の命題の中の一つに、ある人間の行動(行為)は何らかの意図(内的枠組み)が必ず背景にあるというものがある。

私はかつて福祉の現場の仕事を短期間した経験があるが、この理論は現場でとても役だった。一見意味不明の行為の裏に尊厳のある人の意図が隠されていると考えるか否かで、ケアの質も変わることも経験した。

さて、縄文時代の柄鏡形敷石住居。これはどういう意図が隠されているか。当時は縄文海進の時代からかなり冷涼化する時代なので、寒さ対策として外気と住宅内部との間に緩衝地帯のような部屋(張出し部)を置いたとする考え方がある。私も寒冷地に住んだ経験もあり納得できるが、何故敷石も伴うのかといわれるとまた分からなくなる。こうした謎に何十年も取り組んできた方もおられ、歴史的解釈はかなり定説化されたようだが、敷石に関しては、埋甕の問題や図像学的解釈とか、いろいろな立場から祖先の心の内に接近する必要が残されているように感じる。

私もしがない縄文小説家として、その意味を考えるが、やはり生き甲斐の問題や死生観を大事にしたいので、象徴的なものにとても惹かれてしまう。

(写真は 東京都埋蔵文化財センター 縄文の村にて筆者が撮影)

9/10 縄文を五感で探る

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       森裕行

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