自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

12月,このチョウとの出合い

2016-12-04 | 昆虫

12月に入りました。季節が順調に冬に移っているようで,近頃の最低気温は12月3日の1.9℃です。霜が降り,氷が張る日が近いでしょう。

毎朝,公園にある人気遊具の1つに水滴が付いています。それを取り除くのもミュージアム職員の仕事です。

さて,最低気温を記録したその日,快晴で,朝から紺碧の空が頭上に広がっていました。遊具に露が付いているので,除去作業から開始。トンボとモップを使います。すでに来園者がこの遊具で遊ぶのを心待ちにしている姿も。大急ぎの作業です。


作業を終える頃,近くに咲くセイヨウタンポポの花に降り立ったのがツマグロヒョウモンのオス。朝から活動している! 口吻を出して蜜を吸い始めました。越冬態は幼虫が主のようですが,情報によっては蛹とか,基本形を持たずいずれでも,といった感じです。


作業を完全に終えてその場を離れようとしたら,今度はベニシジミがやって来ました。翅が相当に傷んでいました。いのちを託し終えた後の姿でしょう。


すると,近くに来たのがキタキチョウ。まだ完全越冬には入っていないのです。寒い中,日差しを浴びて浮かれたように活動を始めたのでしょう。


と思って写真を撮っていたら,また近くにちらちらと飛んできたのがヤマトシジミ。これも翅がかなり傷んでいます。それにすっかり色あせて。精一杯にここまで生きてきた姿です。


チョウは季節を感じ,それに適応できるように種ごとの生活環をつくり出してきています。冬の到来と合わせるように死期を迎える成虫,成虫で越冬する種。一朝に,4種ものチョウを,それもほぼ同時刻に見るとは思いも寄りませんでした。

 


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