俺流俳句 「いちらくいちらく」

俳句で遊ぼ。

あなたも、優しくなれます。
          
          千秀

1/31  冬

2006年01月31日 | 俳句

冬鴎啼く 港がなぜか 恋しくて
(かもめなく みなとがなぜか こいしくて)
88 【季語】 冬鴎 【季節】 三冬


冬鴎啼く 港が俺を 呼んでいる
(かもめなく みなとがおれを よんでいる)
89 【季語】 冬鴎 【季節】 三冬


日向ぼこ 今日はどこまで 舟漕ぎし
(ひなたぼこ きょうはどこまで ふねこぎし)
90 【季語】 日向ぼこ 【季節】 三冬


武庫の川 遠目の鷺に 威厳あり
(むこのかわ とおめのさぎに いげんあり)
91 【季語】 鷺 【季節】 三冬


散歩道 戻りの時間 鴨の泣く
(さんぽみち もどりのじかん かものなく)
92 【季語】 鴨 【季節】 三冬


冬の星 呼び名忘れし 君の名も
(ふゆのほし よびなわすれし きみのなも)
93 【季語】 冬の星 【季節】 三冬



1/30  粉雪

2006年01月30日 | 俳句

陽はさすも 粉雪舞いて 足早に
(ひはさすも こなゆきまいて あしばやに)
80 【季語】 粉雪 【季節】 晩冬


もういやや いつまで続く この寒波
(もういやや いつまでつづく このかんぱ)
81 【季語】 寒波 【季節】 三冬


寒晴れや あとひとときぞ 頑張れや
(かんばれや あとひとときぞ がんばれや)
82 【季語】 寒晴れ 【季節】 晩冬


湯豆腐は 嵐山やろか 伊勢やろか
(ゆどうふは らんざんやろか いせやろか)
83 【季語】 湯豆腐 【季節】 三冬


湯豆腐は 棺入り前の 舌鼓
(ゆどうふは かんいりまえの したづつみ)
84 【季語】 湯豆腐 【季節】 三冬


不思議なり 麺食らう度 くしゃみ出る
(ふしぎなり めんくらうたび くしゃみでる)
85 【季語】 くしゃみ 【季節】 三冬


この頃は やけに身にしむ 隙間風
(このごろは やけにみにしむ すきまかぜ)
86 【季語】 隙間風 【季節】 三冬


ボタの山 いつ起きるとや 山眠る
(ぼたのやま いつおきるとや やまねむる)
87 【季語】 山眠る 【季節】 三冬



1/29  みぞれ

2006年01月29日 | 俳句

白鶴は みぞれ舞い散る 田に舞いぬ
(はくつるは みぞれまいちる たにまいぬ)
73 【季語】 鶴、霙 【季節】 三冬


怖きかな 撒き餌に群がる 冬鴎
(こわきかな まきえにむらがる ふゆかもめ)
74 【季語】 冬鴎 【季節】 三冬


雪国に 新婚の旅 道迷う
(ゆきぐにに しんこんのたび みちまよう)
75 【季語】 雪国 【季節】 晩冬


懐手 英世の真似が 癖になり
(ふところで ひでよのまねが くせになり)
76 【季語】 懐手 【季節】 三冬


冬の陽に 背中押されて 散歩する
(ふゆのひに せなかおされて さんぽする)
77 【季語】 冬 【季節】 三冬


雪ん子の 思い出深く 溶けもせで
(ゆきんこの おもいでふかく とけもせで)
78 【季語】 雪 【季節】 三冬


溶けるほど 抱きしめたきや 雪の女
(とけるほど だきしめたきや ゆきのひと)
79 【季語】 雪女 【季節】 晩冬



1/28  雪見酒

2006年01月28日 | 俳句
 
 昔は、私から酒を取ったら、
「酒糟」も残らないと言われた程の飲兵衛でした。
 最近は、飲む量、回数も十分の一以下に減りました。
 でも、酒は好きです。
 朋と飲む酒が一番です。


雪見酒 飲み干すほどに ほどほどに
(ゆきみざけ のみほすほどに ほどほどに)
69 【季語】 雪見酒 【季節】 晩冬


コップ酒 いつも定番 冬暖簾
(こっぷざけ いつもていばん ふゆのれん)
70 【季語】 冬暖簾 【季節】 三冬


このごろは 玉子酒でも 酔いしれし
(このごろは たまござけでも よいしれし)
71 【季語】 玉子酒 【季節】 三冬


夢の中 女房気にせず 熱燗を
(ゆめのなか にょうぼきにせず あつかんを)
72 【季語】 熱燗 【季節】 三冬


1/27  鴨

2006年01月27日 | 俳句

刈られたる 裸の池に 鴨一羽
(かられたる はだかのいけに かもいちわ)
65 【季語】 鴨 【季節】 三冬


空に浮く 鴨のシルエット 見とれおり
(そらにうく かものしるえっと みとれおり)
66 【季語】 鴨 【季節】 三冬


井戸端か 橋の袂に 鷺の群れ
(いどばたか はしのたもとに さぎのむれ)
67 【季語】 鷺 【季節】 三冬


堰の上 等間隔に 鷺並ぶ
(せきのうえ とうかんかくに さぎならぶ)
68 【季語】 鷺 【季節】 三冬


1/26  妹 風邪

2006年01月26日 | 俳句


風邪なれど 妹は元気だ シャツ一つ
(かぜなれど いもはげんきだ しゃつひとつ)
60 【季語】 風邪 【季節】 三冬


往きは徒歩 帰りはだっこの 冬散歩
(いきはとほ かえりはだっこの ふゆさんぽ)
61 【季語】 冬 【季節】 三冬


寝もせずに 湯冷め心配 妹の宵
(ねもせずに ゆざめしんぱい いものよい)
62 【季語】 湯冷め 【季節】 三冬


春近し 妹は四っつを 恋しがり
(はるちかし いもはよっつを こいしがり)
63 【季語】 春近し 【季節】 晩冬


今の日を 大寒とすや 妹と我
(いまのひを だいかんとすや いもとわれ)
64 【季語】 大寒 【季節】 晩冬



1/25  奈良・明日香

2006年01月25日 | 写真
 
 写真は、猿沢の池からのぞむ興福寺五重塔です。


冬苺 ビニールハウスに 灯がともる
(ふゆいちご びにーるはうすに ひがともる)
57 【季語】 冬苺 【季節】 三冬


冬苺 明日香ルビーの 味がする
(ふゆいちご あすかるびーの あじがする)
58 【季語】 冬苺 【季節】 三冬


春近し 明日香の宿に 雀飛ぶ
(はるちかし あすかのやどに すずめとぶ)
59 【季語】 春近し 【季節】 晩冬


1/24  冬・新年

2006年01月24日 | 俳句
 

暗黒の 雲に覆われ 冬の宵
(あんこくの くもにおおわれ ふゆのよい)
54 【季語】 冬の宵 【季節】 三冬


月冴えて 宵の明星 従えり 
(つきさえて よいのみょうじょう したがえり )
55 【季語】 月冴える 【季節】 三冬


福寿草 陽光を浴びて 黄色増し
(ふくじゅそう ひかりをあびて きいろまし)
56 【季語】 福寿草 【季節】 新年


1/23  妹

2006年01月23日 | 俳句

水仙の 落ちそで落ちぬ 泪露
(すいせんの おちそでおちぬ なみだつゆ)
51 【季語】 水仙 【季節】 晩冬
水仙=妹  落ちそで落ちぬ泪


寒きほど 抱きしめる愛を あなたにも 
(さむきほど だきしめるあいを あなたにも  )
52 【季語】 寒い 【季節】 三冬


哀しきや 妹遠のきて 寝酒ぐせ
(かなしきや いもとおのきて ねざけぐせ)
53 【季語】 寝酒 【季節】 三冬



1/22  薺(なずな)

2006年01月22日 | 俳句
 

ペンペンと 三味の音色 薺咲く
(ぺんぺんと しゃみのねいろ なずなさく)
49 【季語】 薺 【季節】 新年


かわいくて 撫で撫でたくて 妹なずな
(かわいくて なでなでたくて いもなずな)
50 【季語】 薺 【季節】 新年


1/21  冬の旅

2006年01月21日 | 写真
 

 写真(絵)は、十数年前に描いた博多人形のパステル画です。
(写真が小さい場合、写真をダブルクリックすると大きく出来ます。)
俳句集「いちらく いちらく」の表紙に、モノトーンで載せています。
全体的雰囲気は、かもし出されていると思いますが、
一番大事で最も注力して描いた博多人形の目元、口元は、
写真が小さいこと、モノトーンとあいまって少し見づらくなっていると思います。
そこで、カラーでサイズを大きくして紹介することにしました。
目元、口元に注目して見て下さい。
「優しい」気持ちが伝わって来ると思います。
(原画は、贈り物としたため手元になく、額縁の上から写真に取ったものから
トリミングして採用しています。原画は全身像です。)
モデルの博多人形は、「幸せ」(多分?)という題目で市販されています。

私の俳句のテーマ・目標は「優しさ」(?)ですが、
博多人形の「薫りと艶」も大事な目標としています。

またまた寒波襲来。ご自愛。ご自愛。



冬の旅 異なもの奇なもの 粋なもの
(ふゆのたび いなものきなもの いきなもの)
46 【季語】 冬の旅 【季節】 三冬
冬の旅=人生?


冬の旅 人生一楽 酒一生
(ふゆのたび じんせいいちらく さけいっしょう)
47 【季語】 冬の旅 【季節】 三冬
冬の旅=人生?


冬の旅 紡ぎ続けし 赤い糸
(ふゆのたび つむぎつづけし あかいいと)
48 【季語】 冬の旅 【季節】 三冬
冬の旅=人生?





1/20  冬華十二撰

2006年01月20日 | 俳句
 
 昨年暮、甥っ子が結婚しました。
そのお祝いの引き出物(?)の一つとして俳句を贈りました。
それを紹介します。


<巻頭>

雅なり 三重九重に 冬の華
(みやびなり みえここのえに ふゆのはな)
31 【季語】 冬 【季節】 三冬
"甥の結婚式の引き出物(?)の一つとして
俳句「冬華十二撰」を贈りました。
その巻頭句です。"




<冬華十二撰>

山茶花の 匂いあふるる 曲がり角
(さざんかの においあふるる まがりかど)
32 【季語】 山茶花 【季節】 初冬
「冬華十二撰」


石蕗は 愛でたき花よ 愛おしき
(つわぶきは めでたきはなよ いとおしき)
33 【季語】 石蕗 【季節】 初冬
「冬華十二撰」


葉の棘は 花柊の 若さかな
(はのとげは はなひいらぎの わかさかな)
34 【季語】 柊の花 【季節】 初冬
「冬華十二撰」


冬牡丹 藁蓑つけて おとなしく
(ふゆぼたん わらみのつけて おとなしく)
35 【季語】 冬牡丹 【季節】 三冬
「冬華十二撰」


寒菊に 酒と月とは 欲しきもの
(かんぎくに さけとつきとは ほしきもの)
36 【季語】 寒菊 【季節】 三冬
「冬華十二撰」


冬薔薇 花一輪に 華があり
(ふゆそうび はないちりんに はながあり)
37 【季語】 冬薔薇 【季節】 三冬
「冬華十二撰」


赤き花 ポインセチアの 目立つ季節
(あかきはな ぽいんせちあの めだつころ)
38 【季語】 猩猩木 【季節】 仲冬
「冬華十二撰」, ポインセチア=猩猩木


白銀に 紅を落として 寒椿
(はくぎんに べにをおとして かんつばき)
39 【季語】 寒椿 【季節】 晩冬
「冬華十二撰」


道の端 淡く清しく 冬菫 
(みちのはた あわくすがしく ふゆすみれ)
40 【季語】 冬菫 【季節】 晩冬
「冬華十二撰」


寒梅も あとひとときの 暖かさ
(かんばいも あとひとときの あたたかさ)
41 【季語】 寒梅 【季節】 晩冬
「冬華十二撰」


水仙は 凛々として 凛として
(すいせんは りんりんとして りんとして)
42 【季語】 水仙 【季節】 晩冬
「冬華十二撰」


山の道 見つけてうれし 寒桜
(やまのみち みつけてうれし かんざくら)
43 【季語】 寒桜 【季節】 晩冬
「冬華十二撰」



<補撰>

君知るや 色白小花 八ツ手花
(きみしるや いろじろこばな やつでばな)
44 【季語】 八ツ手の花 【季節】 初冬
「冬華十二撰」補


身に余る コート着たよな 枇杷の花
(みにあまる こーときたよな びわのはな)
45 【季語】 枇杷の花 【季節】 仲冬
「冬華十二撰」補





1/19  博多

2006年01月19日 | 俳句
 

 
 博多近辺を詠んだ句を紹介します。
 場所の説明を簡単に説明します。
 若杉山は福岡市の東北、隣接する郡部の志免町、須恵町、宇美町の北に、
篠栗町の南に位置する杉で有名な山です。
 若杉山という関取がいましたが、この山から四股名を取っています。
 大濠は、福岡市の真ん中に位置する公園で、福岡城の濠です。
 NHKの朝ドラ(名前は忘れましたが)で漫画の「博多っ子純情」主人公が毎朝走っていた公園です。
 筥崎は、正月に行われる祭祀「玉せせり」で有名な筥崎宮です。
 博多山笠の清めの砂を取るところでも有名です。
 玄海は玄界灘のことです。博多では内海といえば博多湾、外海といえば玄界灘のことです。
 浪といえば玄海の浪を思い出します。
 昔、元が攻め込んできた(元寇)時、防壁(土塁)を築いて戦いました。
 その防壁跡です。
 ふるさとを長く離れていると、色んなことが思い出されます。



若杉山は 間近なれども 雪催
(わかすぎは まぢかなれども ゆきもよい)
26 【季語】 雪催 【季節】 三冬
"若杉山は福岡市の東北、隣接する郡部の
志免町、須恵町、宇美町の北に、 篠栗町の南に位置する杉で有名な山です。
若杉山という関取がいましたが、この山から四股名を取っています。
"


大濠に 群れ湧き出でし 冬鴎
(おおほりに むれわきいでし ふゆかもめ)
27 【季語】 冬鴎 【季節】 三冬
博多湾から南に、西公園、大濠公園と続き、
大濠公園にも海鴎が多数飛来します。


筥崎の 清めの潮井 冷たくて
(はこざきの きよめのしおい つめたくて)
28 【季語】 冷たき 【季節】 三冬
"清めの潮井(汐井)=博多祇園山笠の心身を清める神事であり、
お汐井とは箱崎浜の「真砂(まさご)=砂」のことです。
http://www.club-9.com/yamakasa/2004/oshioi.html
"


冬の浪 玄海の浪 なつかしく
(ふゆのなみ げんかいのなみ なつかしく)
29 【季語】 冬の浪 【季節】 三冬


元寇の 防塁に降るや 雪時雨
(げんこうの ぼうるいにふるや ゆきしぐれ)
30 【季語】 雪時雨 【季節】 晩冬
元寇防塁(げんこうぼうるい)
=鎌倉時代に北部九州の博多湾沿岸一帯に築かれた石による防塁。
蒙古襲来(元寇)に備えて築かれた。
http://inoues.net/ruins/genkoh.html





2006年1月18日 博多

2006年01月18日 | 俳句

2006年1月18日
廃坑を 塞ぎし門に 枯れ芒
(はいこうを ふさぎしもんに かれすすき)
21 【季語】 枯れ薄 【季節】 三冬

2006年1月18日
草枯れて さびた線路の 筋続く
(くさかれて さびたせんろの すじつづく)
22 【季語】 草枯る 【季節】 三冬
廃線の線路跡には、雑草ががレールを覆わんばかりに茂ります。
草が枯れると、錆びた線路が侘びしく現れます。

2006年1月18日
竪坑は 凍えて立てり 雪の中
(たてこうは こごえてたてり ゆきのなか) 18日
23 【季語】 雪 【季節】 三冬
竪坑櫓=海軍、国鉄の志免炭鉱のシンボル。http://www.town.shime.lg.jp/site/bunkazai/tatekou-yagura.html

2006年1月18日
ボタ山の 錐の頂 凍る足
(ぼたやまの すいのいただき こおるあし)
24 【季語】 凍る 【季節】 晩冬

2006年1月18日
老いるほど 若草生ゆる ぼた山は 
(おいるほど わかくさはゆる ぼたやまは )
25 【季語】 若草 【季節】 晩春


2006年1月17日  はぐれ鳥

2006年01月17日 | 俳句

2006年1月17日
寒雀 あちらこちらに はぐれ鳥
(かんすずめ あちらこちらに はぐれどり)
14 【季語】 寒雀 【季節】 晩冬

2006年1月17日
時経ても 増すや恐さよ 大震災
(ときえても ますやこわさよ だいしんさい)
15 【季語】 大震災 【季節】 晩冬

2006年1月17日
冬萌えて 草木も鳥も 満を持し
(ふゆもえて くさきもとりも まんをじし)
16 【季語】 冬萌え 【季節】 晩冬

2006年1月17日
熱燗は 愛の深さか ちと熱し
(あつかんは あいのふかさか ちとあつし)
17 【季語】 熱燗 【季節】 三冬

2006年1月17日
女房殿 旅立ちの朝 風邪治る
(にょうぼどの たびだちのあさ かぜなおる)
18 【季語】 風邪 【季節】 三冬

2006年1月17日
小夜時雨 夫婦で歩く 気持ち良さ
(さよしぐれ ふたりであるく きもちよさ)
19 【季語】 小夜時雨 【季節】 三冬
小夜時雨(さよしぐれ)=夜降る時雨

2006年1月17日
風邪の俺 残して女房 旅に出る
(かぜのおれ のこしてにょうぼ たびにでる)
20 【季語】 風邪 【季節】 三冬