グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

ツルって不思議!

2021年08月29日 | 植物
伊豆大島の草地〜低木林の環境に、どんどん進出する「サルトリイバラ」
葉っぱは、草餅を包むのに使われたりしますが…


ツルは、色々なものに絡みつき、木々に這い上って光を奪い

動物が絡んだらなかなか抜けられない「天然の罠」みたいな形状になることが多い植物です。


今年の夏のツアーでは、このサルトリイバラのツル実験が、大人にも子どもにも人気でした。
ことの始まりは7月26日のツアーです。

私が元気に伸びたツルを見て「モノに当たると巻き始めるらしい」と話したところ、お客様が裏砂漠へ向かう途中で小枝をつかませて、実験がはじまりました。

この時は、1時間後には少し巻いていて、みんなで盛り上がりました。

翌日(7月27日)、これとは別の長めの小枝に、軽く一巻きして放置したところ、当日は全く変化がありませんでした。
が、4日後の7月31日には、何処かから新たに2本のツルが伸びてきて、3カ所でぐるぐる巻いていたので驚きました!


この時からツアーの行きにツルの先っぽに小枝を抱えさせ、帰りに観察し、また次のツアーで観察する日々が始まりました。

長い小枝をからませたら、帰りには落ちてしまっていたり

妙にバランスよく、良い感じになったり

なかなかダイナミックな合作になったり(?)


その中でも安定して経過観察できた2本の小枝がありました。
短い小枝、と長い小枝です。

8月10日の短い方の小枝。ツルはしっかり巻いて小枝をつかんでいました!!

この後どんな変化をするのか楽しみにしていましたが、毎回ほとんど変化なく、18日後の昨日(8月28日)はこの状態でした。


8月10日の、長い小枝の状態はこちら。

これも歩くたびに観察しましたが変化なく、18日後の状態はこちら。

ツルの巻き具合は変化がないけど、小枝が折れてしまったようです。

ツルはどうやら、しっかり安定するまで巻くと、満足して成長を止めるみたいですね。
だいたい4回転すると満足して、巻くのをやめる感じがするのですが、どうなのでしょう?

一方、巻きつく相手が見つからないと、宙を漂ったり(これ以後の写真は全て昨日のものです)

ススキを折り曲げただけでは満足せず(?)自分で自分に絡まったり

これもきっと、互いに絡み合い始めることでしょう。


冬には葉を落とすサルトリイバラ。
すでに枯れているツルもありました。

なんだろう? 巻きつく相手が、いなくなっちゃったのかな??

観察の結果、「しっかり巻くと満足して(?)巻くのを止める」ことはわかったけれど「宙を漂うツルはいつ成長を止めるのか?」や「ツルが枯れ始めるのはなぜか?」など、わからないことがいっぱいです。

どの生き物も、不思議なことだらけです😊

(かな)
コメント
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