グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

今年最後の日です

2009年12月31日 | その他
今年最後の日記なので、スタッフの自由投稿です。


2009年最後の太陽が沈みました(4時28分)水平線ではなくもっと上の雲の中でした。

ことしもおつかれさまでした。    (しま)



嶋田が今年最後の夕陽の写真を載せていますが、私も同じ時間に違う場所で夕陽を見ていました。

「今年の夕陽は海に沈まず、雲に隠れてしまったなぁ。」なんて思ってふと後ろを振り返ったら、
空に白くて大きな月が浮かんでいました。


月明かりに浮かぶ山や対岸の明かりが美しい、素敵な夜です。
今日の強烈な西風ですら〝大島の冬“という感じがして落ち着きます。
冬に西風が吹かないと異常気象で何かがおかしいような気がして、心配になりますから…。

さて、2009年は私たちにとってのエコツアー元年でもありました。

この日記が始まってからは丸9ヶ月。
この間に何人もの方から励ましのメッセージをいただきました。
この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。

この島の自然の面白さをどうやってお客様にお伝えすれば良いか、
植物、虫、鳥、火山…学ばなければならないことは膨大で、
一生かかっても学びきれるものではないと痛感しています。

でも、少しずつでもあきらめずに続けることで、きっと何かが身についてくるはず…
そう信じて前へ進みたいと思います。

そして、本から得る知識ももちろん大切ですが、何よりもフィールドを歩いて、
自分達が見たり感じたりしたものから学ぶことが、大切だと思っています。

スタッフはそれぞれ個性があり、知識も得意分野も物を見つける目も違いますが、
時間があれば労をいとわず、野外に出掛ける情熱を持っているという点は共通しています。

来年も皆で自然の中の、たくさんの不思議や美しさを、見つけていきたいと思います。

来年も引き続き、よろしくお願いいたします。

さて最後に、私から花のプレゼントです。今まだ咲き残っているイガアザミの花のアップです。

筒状のものがおしべで、白い花粉はおしべの筒の中から押し出されて出てくるのだそうです。
こうやってじっくり見ると本当に美しいですね!

では、皆さん!良いお正月をお迎え下さい。

(カナ)

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磯の貝達18

2009年12月30日 | 海の生物
とうとう、2009年も残す所、後1日です。
今日の午後から西風が強く吹いてきました。
前回もヤドカリの時に書きましたが、西風が吹くと大島周辺の海水温は下がってきます。
大島の東側は岸から急に深くなっています。
強い西風が吹くと、水面の水が移動しその代わりに水深の深い所にある冷たい水が浅い所に上がってくるのが原因だと思います。
強い西風が2日続けて吹くと水温が約1℃下がってきます。
現在17℃。これは明後日には16℃になってるかもしれませんね。。。

さて、そんなに海が冷たくなっても、毎日海に入っています(笑)
今日は、タカラガイについてちょっと書いてみようと思います。
理由は、タカラガイが大好きだからです!!

前に「メダカラ」というタカラガイについて書いた事があります。
今回は「ハナマルユキ」というタカラガイです。
写真は、その生態写真です。
貝の周りでボコボコして見えるのは、貝の中身で「外套膜」と呼ばれる部分です。
本来、中身の軟体の部分を守る為に硬い貝殻を持っているのですが、
このタカラガイや近似のウミウサギガイ等は、何故かその貝殻を守る為に外套膜でその貝殻を覆っています。
不思議ですね~~

まっ そのお陰で綺麗な貝殻を拾う事が出来るのです。
磯で打ち上げの貝殻は、磨耗してその美しさが失われます
しかし、水中で拾うとピカピカと光る様な光沢があり、正に宝のようです。

このハナマルユキダカラは、主に潮間帯に生息するタカラガイの仲間です。
通常、石の下等に居て、石を捲らないと発見出来ません。
そ~っと捲りその下に居たらラッキ~という感じです。
勿論、捲った石は元に戻しておきましょうね。

水中で探してみても、これが中々発見出来ません。
岩壁の亀裂の奥等に隠れているのでしょう。
写真の貝は、先日発見したものです。
この貝、もう数週間同じ場所で観察中です。
実はまだ若齢貝で、成貝になるのを楽しみにしています。
これからが楽しみです。

私が大島で確認しているタカラガイの数は、23種類(貝殻採取も含む)です。
今後何種類まで増えるでしょうね~
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ノスリ

2009年12月29日 | 
今日は午前中は雲がありましたが午後からは陽射しいっぱいの穏やかな一日でした。

陽が照っているのとそうでないのとでは大違い!
日なたに停めた車の中はぽかぽかで、鳥を見るのにも快適です。
太陽の力ってすごいです。


天気がいいと鳥たちもよく飛びます。
そんな太陽いっぱいの午後、青空をバックに悠々と飛ぶノスリに出会いました。
ノスリはワシやタカの仲間です。

伊豆大島では秋~春にかけて見ることができます。
9月の終わりに上空を旋回するノスリを見つけると「秋が来たなぁ~」と思います。

大きさはトビよりも小さくハシブトガラスくらいです。
お腹側が白く、茶色い腹巻をしているような部分があります。





頭を風上に向けて空中に留まり、なにか獲物を探しています。
双眼鏡で見てみると結構キョロキョロしていてかわいいです。





こうして見ているとたまに急降下して森に突っ込むことがあります。
狩りをしていることは間違いないのですが、ノスリが獲物を捕ったところはおろかなにかを食べているところでさえまだ見たことがありません。
たくさんいるのに。

いつか現場を押さえてみたいものです。





あまり聴くことはありませんがノスリはとても素晴らしい声で鳴きます。
私はあの声が大好きです。

真冬の晴天に響き渡るノスリの声を聴くと、清々しい気分になります。


    がんま
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蔓性植物

2009年12月28日 | 植物
樹木に絡み付いている蔦(ツタ)・蔓(カズラ)などと呼ばれているツル性植物があります。

小学校1年生で観察する朝顔はおなじみですよね。もっと大きくなる物に葛なんかは木々一面を覆って木が枯れてしまったりもするそうで困りものだそうです。太陽の取り合いはすさまじい物ですね。

木々達は太陽を求め大空に向かって成長していくわけですが、自立しないツル植物は幾つかのパターンによって空に向かいます。

朝顔などは蔓本体がくるくる巻き付いていきます。植物により右巻きと左巻きの違いがあります。
                         
               これはフジヅル長年かかってこんなに食い込んで居ます。木にとっては迷惑ですね


ツルはまっすぐだけど脇の蔓の先が巻き付く物



ツルはまっすぐで途中で楔を打つように他の木に食い込む物、ブロックの塀にも食い込んでいるのを見ます。
                     


バラやサルトリイバラなどはトゲを持っていて他の植物にひっかける。トゲの向きに注目、トゲは下向きに付いていて風などで枝が飛ばされたりすると他の枝に引っかかり上にあがれます(これはアイデア!)



◎サルトリイバラ(山帰来)=大島の物はとげが少なかったり無い物も多く有ります。
先日の松本清張の2時間ドラマにも出ていました。『火と汐』
サルは捕れません、私はよく引っかかりますので シマトリイバラに改名してもらいましょうか? (しま)
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まいまいの殻 

2009年12月27日 | 哺乳類、爬虫類、他

今日も風もなくいいお天気でした^^
泉津の遊歩道を少しお散歩。


ヤブニッケイ??
赤の色素を出しながらのかわいい芽生え、目立っていました^^

そして

勲章グサを見つけて喜んで胸に貼りつけ遊びました・・・^^
アップにするとこんな感じ↓

小さな葉っぱの面から柄からすべてがギザギザしているのがわかりますね!
これならひっつくはず♪
それにしても花のようにかわいい葉っぱですね!
(花もかわいいらしいです!)



そして、今度はイヌマキ?と思う古い木に目がとまりました。
表皮がボロボロで「どうしたんでしょう?」と話しながら、その剥がれかけた皮の一部をペロっとめくってみました。
すると、皮の中には小さなカタツムリが休んでいました!

木の皮の中でぬくぬくと冬眠しようと思ったのでしょうね~^^
眩しくしちゃってごめんね。
あら素敵な殻ですね~、ちょっと見せて♪


なんと殻を作っている最中のようですね!
出口に一番近い部分が半透明なのがわかりますか?!

カタツムリさん、冬眠の間にかなり成長するらしいのです。
きっと、暖かくなってくると今日見たサイズよりもっとビッグになって表に出てくるのですね^^
こうやって成長する段階ごとに、殻に横線がつくのだそうです^^

カタツムリを調べてビックリしたのが2つ。
1つ目は、カタツムリの殻は汚れないのですって!!
すごいですね~っ、どんな仕組みなのでしょう?!

そして2つ目は、1ミリぐらいの小さな卵を土の中に産卵して、海の貝と同じように孵化してクルリンとかわいい貝になっていく、という成長過程・・・!
わぉ~、そんなシーン、まだ陸上で見たことがないな!!

と、えらくわくわくしましたので、暖かくなってからの産卵シーズンにはちょっとカタツムリさんの生態にも目を向けてみようかと思いましたっ。

報告、楽しみにお待ちください!!

(友)





コメント (4)
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カシラダカ

2009年12月26日 | 
カシラダカ と聞くと猛禽のタカの仲間だと思うかたもいるでしょう。
しかし今回ご紹介するこの鳥はホオジロの仲間の小さな可愛らしい小鳥です。

日本には冬鳥としてもっと北の地方からやってきて、ここ伊豆大島にも毎年姿を現してくれます。
この冬は特に多く目にするような気がします。

今日は海岸沿いの公園で出会いました。
「チッ、チッ」という声で気付いたのです。
似た環境にいるホオジロやアオジとはちょっと違う声なので区別がつきます。

声のするほうを探すと、地面に降りて一心不乱にエサをついばんでいました。

そーーーーっと近づきます。


枯れた草の中に紛れていると一瞬どこにいるのかわかりません。

こちらにお尻を向けた後姿です。





マツボックリをつつきました。

なんてかわいい!!






警戒は怠らず。

しょっちゅう顔を上げます。






やや正面顔・・・やっぱり面白い!

お腹が白いのがホオジロとの大きな違いです。






地上をすたすた歩いて移動しながらエサを探します。

すたたたたーーーー。





風の穏やかな日は鳥たちの小さな声もよく聴こえてきます。
先週とは大違いです(笑)


     がんま
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聖夜~ヒイラギ系

2009年12月25日 | 植物
 クリスマスの聖なる夜。Holy night:ホーリー ナイトに、ちなんで、Holly(Lの小文字が1つ多い)について少し。

 アメリカ映画の中心地Holly-woodの「ホリー」はヒイラギのことです。ヒイラギはリース飾りに使ったり、今日頂いたポストカードにも赤い実とトゲトゲした葉がデザインされていました。欧米でクリスマスに飾るのは、セイヨウヒイラギ、アメリカヒイラギで、最初と次の写真は、その近縁種のシナヒイラギです。こちらは、葉には鋭いトゲがありますが、全体に丸みのある葉で、この時季に直径1センチほどの赤い実をつけます。原産地は中国で、チャイニーズ・ホリーとも呼ばれます。



 シナヒイラギやアメリカヒイラギは、モチノキ科ヒイラギ属で、庭木などとして移入されたものです。マンリョウと同じような赤い実ですが、鳥たちはヒイラギの実の方がお好みで、ほとんどの実が食べられてしまいました(涙)

 それで、この写真は10日程前に撮っておきました(勝!)




 こちらが、本物のヒイラギです。というのは、ウソです(笑) 失礼しました、上の写真は、ヒイラギの葉の「そっくりさん」で、ヒイラギナンテンといいます。これも庭木としての移入種で、江戸中期に中国・台湾方面から渡来したそうです。春に黄色い花をたくさん房状に付け、秋に黒紫色の実になります。写真のボツボツは、これから春に向かって大きくなっていく蕾(つぼみ)の子どもです。



 こちらは、ホソバヒイラギナンテン。上のヒイラギナンテンと同じく、メギ科ヒイラギナンテン属。秋に黄色い小さな花を房状にたくさん付け、次の年の2~3月に黒に近い藍色の実に熟します。こちらも中国原産で明治初期に移入されたそうです。「南天:なんてん」の近縁種だけあって、どちらも薬用にされます。

 それで、次に国産の純正「ヒイラギ」を登場させるはずだったのですが・・・(汗)、写真が間に合いませんでした。(!涙!)
 メンバーから「大島公園にある!」「元町の○○にある!」と情報をもらったものの時すでに遅く、時間切れでした。今度、節分までに写真を撮っておきましょう。
 図鑑によると、ヒイラギは福島以西の本州・四国・九州・沖縄・台湾に分布しています。残念ながら大島には自生していないらしく、『伊豆大島の植物』総目録に記載がありません。

          ≪ここにヒイラギの写真が入る予定≫



 
 (上の写真は、後から撮って入れました。お正月でも花が少し残って良い香りをさせていました。)


 この国産ヒイラギは、モクセイ科モクセイ属で、11月頃香りのよい白い花を咲かせます。翌年の初夏に黒紫色の実が熟しますから、クリスマスに使うわけにはいかないですね。

 「木」偏に「春」は、椿:ツバキで、「木」偏に「冬」が、柊:ヒイラギです。大島は常春(とこはる)の島と言われる椿の島なのでした!

 なお、タイトル「ヒイラギ系」の「系」は、「科」や「属」のような学術的な意味は一切ありませんので、念のため(笑)

 今年の私の日記担当は、今夜が最後です。

 皆さま、どうぞ良いお年をお迎えください。  (なるせ)

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クリスマスイヴの勉強会

2009年12月24日 | 植物
今日も勉強会で山を歩いてきました。
テーマは“逞しく生きる植物の姿が楽しめるコース”を一番リクエストの多い半日でどう時間配分するか…でした。

まずは普通に山頂へ。

あら!伊豆半島を解説した看板が飛んでいます!数日前の西風のせい?

まだ新しい看板を吹き飛ばすとは、恐るべし風の力!
特に山の縁は平地の何倍にも風力がアップするので、相当な力が加わったのでしょうね。

お客様を案内する時にはくれぐれも慎重に行かなきゃ~、などと考えながら歩いていたら
足元に森の中でよく見かける葉があることに気づきました。シュスランの葉です!

シュスランは常緑の森の半日蔭の環境に生える植物です。
(シュスランの花が見たい方は9月17日の日記をご覧ください。)

それがなぜ風が強くて日が当たり、土の栄養分も少ない火山の頂上付近にあるのでしょう?
不思議です!!

ランの種はとても小さくて軽く、風に乗ってかなりの距離を移動するそうです。
このシュスラン達の種も風に乗ってたまたまこの場所に降り立ち、
山にかかる霧の水分とイタドリの葉が作る日陰で、何とか生きてきたのでしょうね。


けれど今は冬。日蔭を作っていたイタドリも葉を落してしまいました。
まるで落ち葉の蒲団の中で暖を取りながら、冬を越そうとしているかのようなシュスランの葉っぱ達。
彼らは無事ここで生きられるのでしょうか?また時々様子を見に行かなくちゃ…。

温泉ホテルに向かう道では散り始めたマユミの葉がボロボロでした。
「前はここにミノウスバが居たんだよね。寒くなったからさすがに居ないよね~。」なんて話をしながら葉をめくってみたら…
シャクトリ虫が出てきました!

急に葉をめくられて、かなり慌てて動き回っています。

ヒトスジマダラエダシャクというマユミやツルマサキを食べる幼虫のようです。
もう冬になるというのに幼虫のままで大丈夫なのでしょうか?
ムシャムシャ食べていたであろうマユミの葉は、あと少しで完全に落葉してしまいそうなのですけど?
まあ、ツルマサキは常緑だから、運良く見つけられれば食べ物はありそうですが…。

薄暗い森の中では今回も、イヌツゲの明るい緑色の葉が目立ちました。
でも周囲のイヌツゲは皆濃い緑の葉を身にまとっています。
そういえば新しい葉が出てくる季節ではないような…?

どうやら木の幹をバッサリ切り落とされたものだけが新緑の色の葉を伸ばしているようです。

太陽の光を受け止めて、生きるための栄養を作りだす大切な葉。
その葉が全く無くなってしまった木は慌てて新しい葉を伸ばし、葉が沢山付いている木はひっそりと冬に備えているのかもしれません。

ところで、今日はクリスマスイヴです!

勉強会の帰り道、林道でイヴにピッタリのクリスマスカラーを見つけました。
たわわに実ったアオキの実です!

アオキの実は鳥たちに人気があるようで、赤くなったと思うと数日で食べられてなくなってしまうような気がします。
それなのにこれほど沢山の実が残っているとは!

イヴの日にツヤツヤ光る緑と赤の色を楽しませてくれるために、鳥たちが残しておいてくれたのかもしれませんね。

ということで(どういうこと?)
メリークリスマス!!

(カナ)
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大島のヤドカリ達 1

2009年12月23日 | 海の生物
今日は、ちょっと趣向を変えてヤドカリについて書いてみようと思います。
毎回、貝について書いている私ですが、実はヤドカリの方が専門です。
約6年程前から、ある研究者の方と組んで「伊豆大島のヤドカリ類相」の調査をしています。
私が発見した大島のヤドカリは、93種類に上ります。
その殆どが分布中心を南に持つ、南方系のヤドカリ達なのです。
何故、大島にそんなに南のヤドカリ達がくるのか?というと
ま~ それは今度ゆっくり書く事にします。

ヤドカリというと皆さんどの様な生き物を想像するでしょう?
貝に入っていて、ハサミがあって、脚があってと簡単にその姿を想像出来ます。
しかし、あまりにも有名過ぎてそのヤドカリに数多くの種類があるなんて思いもしないのが普通です。

大島に海水浴にいらした家族づれの方ならば、お子さんが磯でヤドカリを捕まえ
子:「持って帰る~~」母:「可愛そうだから逃がしてあげなさい」なんて事になるでしょう。(勝手な想像?)
それ位、磯では有名な生き物です。
一見地味な物から実に綺麗な物まで、磯には生息しています。

最近、西高東低の冬型の気圧配置により
強い西風が大島には吹いています。
強い西風が吹くと、大島周辺の海水温はドンドンと下がっていきます。
実際、1週間前に20℃あった水温が16℃まで下がってしまいました。

毎日海に入っている私にとっては、水温の低下は致命的なのですが
ヤドカリの種類によっては、大事な繁殖期を迎える事になります。
水温の高い時期には見られなかった種類のヤドカリも、この時期には容易に見られる様になります。
今回、写真で紹介しているヤドカリもそんなヤドカリの1つです。
「ホシゾラホンヤドカリ」という名のヤドカリです。
潮間帯の転石下から見られる磯のヤドカリで、
体に入る青い斑点を「星」に見立てて、この名が与えられました。
このヤドカリ、高水温の時には石の下にしてあまり姿が見られませんが
水温が下がって来ると表を歩いている姿を見る事が出来ます。

このヤドカリを見ると毎年「冬」を感じるのでした。


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波打ち際で・・・

2009年12月22日 | 海の生物
 なんか強力な寒気団が迫ってきた年の瀬ですが、ここ伊豆大島もぐっと冷え込みました。でも今日は比較的暖かかったですよ。

 先日のことですが、海岸で鳥を見ていたら岩礁のエッジの部分(波打ち際)でなにやら動いているのが目に入りました。

 ん…?なんでしょう?



魚のようです。意外と大きい魚ですね~。
しかも何匹もいるようです。



それにしても、水深がものすごく浅い所に入ってきているようです。ほとんど潮溜まりみたいなところです。



 実は、この魚はこの辺りの磯釣りで人気者のメジナ。
見えているのはサメのような背びれではなく、尾びれのようです。
満ち潮に乗って浅瀬に乗り込んで来て、激流に揉まれながらも逆立ちしながら必死に餌となる海藻を食べているようなのです。
 本来メジナは雑食性の魚で動物質の餌もよく食べますが、岩の表面に生える小型の柔らかい藻類を好むのだとか。
 このような光景は、伊豆大島では時折見られる光景なのですが、汐との兼ね合いもあるので注意していないとなかなか見られないかもしれません。

中には勢いあまってこのようなあられもない?姿になることも。


大きいものは体長50cmくらいありそうです。そんな大きい体で浅瀬に乗り込めば、下手をすれば引き潮で取り残されてしまったり、上空からミサゴに狙われたりするでしょう。そんな危険を冒しても食べたい海藻ってどんな味がするのでしょうね?

(あまの)
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