秋麗(あきうらら)

うーちゃんの節約日記です。
不思議だなと思う心、いつまでも忘れずにいたいな

縄文のビーナス

2012-10-29 | 縄文 JOMON
土偶にも国宝が4つあることを昨日知りました。
信楽のMIHO MUSEUMの土偶展で『縄文のビーナス』を見てきました。

長野県茅野市の棚畑遺跡で出土、土偶では最初の国宝に指定されました。
BC3300年頃、4000~5000年ほど前の八ケ岳山麓の縄文人が作りました。

高さ27cmと想像してたよりも小さかった。
たっぷりとしたお腹には赤ちゃんが宿っているのでしょう。


ピアスの穴まであいてます。

縄文時代の土偶は、全国で1万個以上出土していますが、ほとんどは体の一部。
足や腕を欠いたりバラバラにされるなど、わざと壊された状態で発見されてます。
壊すことに呪術的な意味があったとも言われています。

この縄文ビーナスは、手や足などいくつかのパーツに分かれて作成され、
ソケットのように結合されたことが分かっているそうです。
このビーナスに限っては壊すことを前提とせず、全身の状態で祀るなどの違う意味があったのかも、と説明書きにありました。

全身が出土しているのはわずか40~50個ぐらい。
その出土分布は東日本、とくに積雪地帯に多いといわれています。

同じような時代、BC3000年頃、山形県西ノ前遺跡で出土した『縄文の女神


平成10年には重要文化財で、縄文のビーナスという同じ名前でしたが、
今年4つ目の国宝に決まり、『縄文の女神』と名前を改めました。
11月9日から最終日12月9日までミホミュージアムで展示されます。

なんとなく土偶って想像しているものとフォルムが異なり、8頭身です。
デフォルメの仕方がずいぶん違うような。
民族が異なるのか、美的感覚やものの捉えかたが異質なのか…。

土偶の国宝はあと二つあります。

合掌土偶 11月9日より展示


青森県八戸市是川の風張遺跡出土 BC1300年頃 


こんな風な形で出土したそうです。
合掌した手をみてびっくりぎょうてんだったでしょうね。


中空土偶 11月30日より展示


北海道函館市尾札部町の著保内野(ちょぼないの)遺跡 BC1300年頃
茅空(カックウ)という愛称がついてますが、北の縄文ビーナスとも呼ばれます。
中を空洞にするため土を薄く焼き上げる技術、表面に施された縄文模様など精緻なつくりで国宝になったようです。


11月9日以降に行けば、3つの国宝土偶が、11月30日以降なら4つ全部揃ってみることができます。
たぶんこんなチャンス、まずないと思います。



ちなみにミホミュージアムの南棟は常設展示で、エジプトや中近東などの展示も見事です。


隼頭神像は、BC1295-1213 とのことで、合掌土偶や中空土偶と同じ時代です。

土台は銀製で表面の金箔がはげてしまっています。
眼球は水晶珠、髪は薄いラピラズリが象嵌されていて見事です。
下地との間は青い顔料(エジプシャンブルーのペースト)で結合されてるそうです。
スゴイ技術です。




MIHO MUSEUM
滋賀県甲賀市信楽町田代桃谷300



入場料1,000円で1日中楽しめます。

6 コメント

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Unknown (マンデー)
2012-10-29 21:48:34
土偶に関して無知でしたが、『縄文のビーナス』綺麗ですね。
以前鑑定団で凄い値段が付いたのを見た記憶があります。
BC3300年頃、4000~5000年だなんてスゴイ。
機会があったら、覚えておいてぜひ見てみたいです。

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マンデーさんへ (おざさ)
2012-10-30 07:42:26
土偶220点が勢ぞろいというかつてない規模の展示でした。
教科書とかで見た火焔型土器は想像以上に大きかったです。
画像というのは自分勝手なサイズで想像しているもんですね。
数ミリぐらいの小さな土偶もあってよく発見されたなと驚くサイズです。
お守りにしてたのでしょうか。
出土した土偶はその地域の市町村で立派な博物館などが設けられて、普段はそこで展示されています。
合掌土偶も八戸市で見られますよ。
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土偶 (mari)
2012-10-30 09:35:04
可愛い土偶ですネ。
日本のものは愛嬌も感じられます。

夏にテラコッタ用の土をもらってあります。
土偶を作るのにぴったりの土です。
形を作って、干して、焼くそうです。
12月で退職しますので、ゆっくり作ってみたいですネ。

私は小指ぐらいの仏像(仏様?)を作りたいと思っています。
近所にあるお寺の塀の穴に入れるためです。
だんだん減ってきていて、なくなりそうなんです。
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mariさんへ (おざさ)
2012-10-30 22:58:43
今日、友人が芸術新潮11月号を贈ってくれました。
「縄文の歩き方」大特集で土偶いっぱい載ってます。
エジプトや古代オリエントの造形もすばらしいのですが、縄文時代はあたたかいですね。
デフォルメされた形がおもしろいものたくさんあります。
ご自分で作られるの楽しみですね。

本文に書きもれましたが、縄文のビーナスの土には雲母が混ぜられてるのでキラキラしてました。

お寺の塀の穴に仏像、どんなかなぁ~
撮影してもいいのならそのうちブログで紹介してください。
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縄文のビーナス (悠々美術館)
2012-10-31 20:43:10
縄文の昔から
ビーナスと言えば女性


なんといっても
生命の起源です


土偶も
当然ながら
女性がモチーフですね


あらためて
女性に敬意を表します
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悠々美術館さんへ (おざさ)
2012-11-01 07:53:19
豊かな実りでちゃんと食べていけて、子供が無事生まれ健康に育ち繁栄しますように。
いつの時代も願うことは一緒です。
たくましくもありもろくもある生命の不思議、
地母神に祈りたくなるのはわかります。

どんな芸術品も生でみると感じるもの多々ありますが、
土偶のエネルギーは、やはり学校の教科書ではちゃんと伝えてなかったことがよくわかりました。
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