散歩から探検へ~個人・住民・市民

副題を「政治を動かすもの」から「個人・住民・市民」へと変更、地域住民/世界市民として複眼的思考で政治的事象を捉える。

幻想の中の新宿駅西口~檻の中の子犬たち、自らの鏡として

2015年01月06日 | 回想
新宿ミラノ座が年末に閉館した。
新宿の変貌に付き合っていてもキリがない。しかし、昨年の7月に所用があって新宿辺りまで出掛けた際に、ついでに西口辺りで変わらずに残っている処を写真にでも撮っておこうと思いついて、カメラを持って行った。



思い出横丁はアジア系の外国人の名所になった様で、正面の看板も立派に掲げ、昔の面影は残しながらも、意識的に存在感をアピールしているみたいで、少し違和感を持った。外人観光客もチラホラいて、こちらもカメラを持っていたから同じ様な存在と化してしまったのかと思って、シャッターに手を当てるのに気後れを感じた。
  
横丁を入ると、見慣れた風景の中にも、少しずつ感じが変わっている店屋もあった。大学一年生の終わり頃から三年生の途中まで、帰り道で晩飯をよく食べたツルカメ食堂は時間の関係なのか、閉まっていたのが残念だった。


  
高校性の頃も、思い出横丁の中に入ったが、これは興味本位であって、特に何か食べたわけではない。高校性にはチョット入りにくい雰囲気もあったからだ。酒を飲む年では無かったし…。

それよりも残念だったのは、最初の写真にある「東口近道」へ向けて右へ入り、突き当たった処にあった子犬屋が無くなっていたことだ。


  
今流で云うペットショップと書いてある「清水園」、その向かって右隣の自販機の処に、「川原ケンネル」があったはずだ。自販機を少し右へ行くと、JRガード下の抜け道に続く。ともかく、二軒が並んでいたことは確かだから…左隣だったかも知れない。

この二つの店先に出ているガラス張りの檻の中に、子犬たちが入っていた。可愛いらしいこと夥しいから、休日には、人集りがする。おそらく、子犬と共にこの店を覚えている人は多いのではないか!

しかし、「檻の中の子犬たち」を見ると、奇妙に自分たちの存在を象徴していると、ふと、思うようになった。中学生時代だろう。自意識に目覚めた頃、高度経済成長は軌道に乗り、オリンピックの準備で東京は急激に変貌していた。

檻は「受験競争」を意味していたのかも知れない。
景気の波はあっても、社会全体としては少しずつ豊かになって、前途は明るいと感じられた。その中で、戦後ベビーブーム世代の子ども達を、軌道を外さないように、監視しながら見えない檻の中で育てている。子犬のように!

そして今、ペットと共に暮らす高齢者は、当時の自らの状況をペットに逆照射しているかのようである。

      

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