散歩から探検へ~個人・住民・市民

副題を「政治を動かすもの」から「個人・住民・市民」へと変更、地域住民/世界市民として複眼的思考で政治的事象を捉える。

メキシコ五輪のサッカー銅メダル~45年後の今と比べると

2013年08月25日 | スポーツ
お誂え向きのタイミングでNHKが昨日の午後に放映した。当時、筆者は大学2年生で関東大学リーグの下部組織である京都リーグ第1部のチームに所属していた。日本が銅メダルを取った試合は最後のほうを見た記憶がある。しかし、得点シーンはビデオの再生でしか見ていない。

その大学でのOB戦が8月の上旬に行われ、筆者も最年長の部類でゲームを楽しみ、終了後、前後の学年の方とビールを呑みながら歓談した。その席で、当時の我々のレベルでみると、現在の現役は、年齢を離れても、とてつもなく上手く、どの程度のレベルだろうか?との話題となった。結論的には、現在、東京都リーグ第3部(最下部)のチームが、「日本代表クラス」ではないか、となった。

そんなことがあって、対メキシコ戦を興味深く観戦した。選手は懐かしく、すでに亡くなられた方もいる。布陣は「3-3-4-1」であり、スイーパーを置く。「GK横山/BK片山、鎌田(SW)、小城、山口/HB宮本、森、渡辺/FW松本、釜本、杉山」のメンバー構成である。HBは森がボランチの位置だ。

日本の戦術は中盤の省略、守備陣は森を入れた5名でバイタルエリアではマンツーマンで鎌田はSWとしてカバーに入る。クリアーという言葉が生きていて、競り勝てば大きく蹴り、バックラインでパスを繋ぐ発想はない。両FBの片山、山口の粘着力、競り合った処でのスライディングタックルの深さは見事だ。

メキシコは攻撃でひとりかわしても、二人目は余裕がない。そこまでの戦術・技術までには至っていない。かといって、走り込んでスルーパスを受ける試みにも乏しい。日本の術中に嵌まってボールを奪われるか、こぼれ球になるかだ。

こぼれ球を中盤で競り合うのは渡辺、宮本に加えて両サイドの松本、杉山も入る。渡辺はトップ、ウィングの選手だが、この大会ではHBをこなしている。ボールタッチ、フェイントの巧さで、ボールを支配下に置くことができる。

トップの釜本はポストプレーで味方からのパスを繋ぎ、サイドへ供給する。また、DF陣、HFは長いパスを再度の奥深くフィードする。杉山、松本の両ウィングが突破あるいはかわしてからフィードを中へ入れる。

この作戦はカウンターとしてスペースがある処へパスを出せると有効である。日本の2得点はこのパターンで左サイドの杉山から中央の釜本へとパスが通った結果から生まれている。試合はこの2点で決まったが、前半終了間際に、杉山―釜本とロビングを通して、ヘッドで落とした処をフリーで飛び込んだ宮本が外したのが試合を決め損ねた。

しかし、後半開始早々に取られたPKを横山がセーブしたことによって、逆にメキシコが自ら試合を決めてしまった。その後は疲れもあってか凡戦に終始し、メキシコ観衆が苛立って日本の応援の回る場面もでてきた。

総じて、技術・戦術共に大味で、現代サッカーからすれば、間延びしており、スピード感に乏しく、シュートパス、ロングパスの精度もイマイチだ。次のプレーを予測した動きあるいはボールのトラップ、タイミングを計った細かい動き直し、などは戦術的に取られていない。

そこからすれば、現在の東京都リーグ第3部(最下部)のチームであっても体力が同等であれば充分に対応できるかもしれない。日本サッカーの45年にわたる長期の進歩に改めて感心させられた。

      


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