散歩から探検へ~個人・住民・市民

副題を「政治を動かすもの」から「個人・住民・市民」へと変更、地域住民/世界市民として複眼的思考で政治的事象を捉える。

国民的視点からみた「日本維新の会」の位置~限定政党から全国政党へ~

2013年01月13日 | 国内政治
今回の衆院選挙(2012年選挙)は、民主党と自由党との併合による小選挙区制における二大政党化の試み(2003年選挙)、に対する国民的評価の一つ帰結だ。先の記事では、その流れを概観しながら、能動的に選択を判断する主体的浮動層の重要性を指摘した。

一方、その9年間、
1)自民党をぶっ壊すという「小泉改革」への支持   (2005年選挙)
2)コンクリートから人へとの「民主党政権」への交代 (2009年選挙)
3)日本維新の会を中心に「第三極」への今回の期待  (2012年選挙)
へと、目まぐるしく“民意”が変遷した。ここで「第三極」は、自民、民主に対抗する一大勢力となり、今後の政治状況を左右する存在となった。本稿では、「第三極」の課題を「限定政党」から「全国政党」への移行と捉え、その方向を考えてみる。

9年間の帰結と先ず述べたのだが、その軌跡が“変われば変わるほど、もとのまま”の状態で、根強い支持の下「自民党復権」になったのは、皮肉と言ってもよい。しかし、投票結果を分析すると、今回の選挙は未だ過渡期の間にあるとうにみえる。それは、期待と現実のギャップはあるが、自民党・公明党連合は依然として支持率低下の状況にあり、維新の会、みんなの党への投票率に示されるように、改革への期待は大きいものがあるからだ。

では、どのような方向が考えられるのか。先ずは、今回の選挙結果から、改めて「小選挙区・比例代表制」における政党のあり方を規定してみる。

     2012年12月衆議院選挙結果
          小選挙区    比例代表区  
  政 党  得票率  議席 得票率 議席 
  自民党  43.0%  237  27.6%  57 
  公明党   1.4%    9   11.8%  22 
  小 計  44.4%   246   39.4%  79
  民主党  22.8%   27   15.9%  30
  維新会  11.6%  14   20.3%  40 
  みんな   4.7%   4   8.7%  18 
  小 計  16.3%   18   29.0%  58

上記の表は、各政党の小選挙区と比例代表区を対比させたものだ。ここで、政権の主体となることを目指す「全国政党」と国会に議員を送り、補完的勢力を目指す「限定党」に区別しよう。

自明のように自民党と民主党が「全国政党」であり、それは三百に及ぶ小選挙区に対して多数の候補者を立て、得票率において、小選挙区が比例代表区を上回ることで示される。反対に、小選挙区に候補者をそれほど立てず、比例代表区を含めて議席を得ることを狙うのを「限定政党」と呼ぶ。ここでは、維新の会、公明党、みんなの党、維新の会は「限定政党」であり、記載しないが、共産党、生活の党等も同じだ。

ところで、「全国政党」は比例代表区においても、当然、「限定政党」より高い得票率を示すはずだ。しかし、表に示されるように、比例代表区での維新の会の投票率20%は民主党の得票率16%よりも高い。また、維新の会の小選挙区での立候補者は151名でわずかに、小選挙区での過半数を越えるに止まり、政党として“政権奪取”の意思は示していないのだ。

その維新の会とみんなの党を合わせた「維・み」の比例代表得票率29.0%は、民主党15.9%を大きく上回る。しかし、「維・み」の小選挙区得票率は16.3%であり、比例代表得票率に全く届かない。その差13.7%は小選挙区において、どこに投票されたのだろうか?これに対して自民党と公明党を合わせた「自・公」の比例代表得票率39.4%は、小選挙区得票率44.53%に近く、公明党の差10.4%は、ほとんど自民党へ流れていると推察できる。

本来、「維・み」が全国政党化し、その責任を果たすべきとの結果論にならざるを得ない。もちろん、その支持層は不安定で有り、客体的浮動層が多いことは否めない。しかし、第三極政党側が主導して“民意”に道筋を付ける役割を果たし、自らの固定層を確実のものにしないと「自・公」長期政権か不安定に変化する政権か、どちらかの選択を有権者は迫られる状況になる。そこで、以下が提案となる。

今後の方向(案)
1)第三極を複数「限定政党」から「単一全国政党」へ
  →「維新の会」と「みんなの党」との併合
2)橋下代表代行は大阪市長辞任・参院選出馬(国民へのPRー最大の意思表示)
3)指導体制の整備ー実質的な再編成
  名誉代表・石原慎太郎 代表・橋下徹 代表代行・渡辺喜美 幹事長・江田憲司
4)政策の統合・具体化
5)統一地方選挙を目指した地方組織構築(住民自治を基盤に地方自治の課題提起)
  ・今年の名古屋・横浜・川崎各政令市長選挙から統一地方選挙へ


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