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四十にして惑う、それがトリニータ。

【新戦力分析・その2】岸田翔平選手

2017-02-06 01:41:28 | トリニータ
第2弾は岸田翔平をいってみたいと思う。國分のユース→大学→帰還が初なら、翔平のユース→大学→他クラブ→帰還のパターンも初だと思うけど、今季は本当に「カムバックサーモン人事」が多かった。サポーターとしては嬉しいから今後もあってほしいと思う。翔平についてはプレーは今までほとんど観たことがなかったので、今回特に重点的に試合を観た。

17節・H・セレッソ戦
24節・A・水戸戦
25節・A・松本戦
27節・A・熊本戦
28節・A・清水戦
31節・A・セレッソ戦
32節・H・札幌戦
33節・A・岡山戦
35節・A・横浜FC戦
36節・H・群馬戦

以上の10試合をチェック。翔平の2016シーズンの出場記録は34試合2820分(先発は33試合)。シーズン序盤は試合に絡めていなかったものの、4月からは完全にレギュラーの位置付け。川西もそうだけど、前年同じカテゴリーのチームの主力として試合に出続けた選手を獲得出来るのは本当に大きいと思う。

まずはポジション。昨季の長崎は一年を通して3バックを採用。その中で翔平はずっと右のWBを務めた。WBはその選手の特徴によって位置取りや役割も大きく変わってくるポジションだと思うけど、翔平の場合はやや重心が後ろにあるタイプのWBかなという印象。上がって攻撃に絡む回数もそこそこあるけど、最前線まで踏み込んでいくことはほとんどない。一方で押し込まれた際にぐっと位置取りを下げて最終ラインと連動することへのためらいはほとんどない。そういう意味ではもし今季大分で4バックが採用されたとしても右SBは全く問題なく務められるんじゃないだろうか。基本的にはフル出場することがほとんどだけど、32節の札幌戦(0−0)では珍しく70分で交代となった。その際に翔平の位置に入ったのが、流経大卒のルーキー中村慶太だった。中村はドリブルが上手くて、翔平よりも攻撃面に特徴のある選手。スコアレスで進んだホームゲームで点を取りにいきたかった高木監督が選んだ選択肢が翔平に替えて中村の投入だったように思われる。このことからも翔平に期待されていた(もしくは期待出来る)のはどちらかと言うとディフェンス面だったことが窺える。


スピードで相手を振り切ってクロスを上げ切るタイプのプレーヤーではないため、右足で切り返して左足でクロスを上げる回数も多いけど、この精度もなかなかいい。33節の岡山戦ではスタートからいつもは左WBのパク・ヒョンジンと左右を入れ替えて、左WBに入ったこともあった。高木監督の岡山対策として1試合だけ遂行された作戦だったと思うけど、自分が観た10試合の中でその岡山戦が一番良かったと思ったくらいで、翔平も左サイドで躍動していた。使い方次第では左でも輝くかもという印象を持った試合。


相手を抜き切るような局面でのスピードは乏しいもののロングスプリントではいいものを見せる。24節水戸戦での70mを走ってラストパスに合わせたカウンターのゴールは思わず唸ってしまうような素晴らしいゴールだった。あと、1試合に1〜2回は自分のポジションを捨てて、ダイアゴナルに相手ゴール前に侵入していってボールを要求する動きをする。特に試合が膠着してるような時間帯にやるような雰囲気があり、試合を動かしたいという判断がそうさせてるのかもしれないし、そうだとするとしっかりと試合の流れも読もうとしているんだなと思う。セットプレー時は密集には入らず、最後方待機役。身長もそこそこあるし、中に入ってもよさそうなのになぁとずっと思ってたけど、いつも被カウンター対策要員だった。


最終的に10試合を観たけど、途中からもうこれ以上観なくてもいいかなと思うようになった。それはどの試合からも感じる印象がほとんど変わらないから。どの試合でもミスが少なく、でも突出したプレーも少なく、常に平均値を出し続けられるプレーヤーという印象。42試合という長いJ2のシーズンを考えるとこういうプレーヤーは非常に大切だと思う。順当にいけば、ポジションを争うのはユースの後輩である岩田。素直な気持ちはどっちにもポジションを奪ってほしいという複雑なもの。切ないがどっちにも頑張ってほしい。

これは完全に余談だけど、長崎の試合を10試合観て、得点王争いに絡んだ永井龍が素晴らしかったのは言うまでもないけど、もう一人梶川がどの試合でも本当に良かった。クイックに動いて技術のある選手という印象だったけど、それまでの自分の印象から全てにおいて一回りレベルアップしていた印象。今季はヴェルディに移籍したので、第2節は注意したい。


話を戻して岸田翔平。プロ入り後、1シーズン通して試合に絡み続けたのは昨季が初めてだったわけで、選手として大きな経験を積んだと思われる。そのタイミングで地元大分に戻ってきてくれたことは本当に嬉しい。岸田兄弟の地元である日出町は嫁さんの実家があるので、翔平に感じる親近感は並々ならぬものがある。移籍してきて早々のシーズンが始まる前からこんなことを感じる選手もそうそういない。そんなこんなで色んな意味で勝手に過度に期待しちゃってるわけで、そんな一方的な期待に応えてくれたら本当に嬉しい。頑張れ、翔平!!
コメント
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