どの国にも諜報機関が存在します。
アメリカのCIA(中央情報局)、イギリスのM15、ロシアのSVR(旧ソ連のKGB)などがありますが、日本には存在するのでしょうか?
そもそも、情報機関とは、安全保障の目的で国内外の情報を収集・分析し、政策に反映する国家機関です。
スパイ機関とか特殊機関とか、あるいは特殊機関とも呼ばれています。
日本では、裏の警察ともいわれる警視庁公安部外事課があります。
その外事課には、日本に密入国するテロリストを取り締まる国際テロ捜査諜報部隊があります。
この映画は、国際テロを未然に防ぐため、法を侵すギリギリまでの手段を使い、時には民間人までも引き込むというものですが、これを単なる映画として見るか、本当に日本でも、そのような恐ろしいことが起こっているのではないかと緊張感を持って見るかは、見る人の考えによるのでしょう。
それがNHKの人気サスペンスドラマであったというのも、興味をひくものでした。
それが警察が最大のタブー化されているスパイの話であり、テロが日本に侵入していることの恐ろしさを、架空といえども、身近に恐怖心を誘う物語となっているからです。
それでなくとも、スパイ天国と言われる日本、たやすくテロリストが潜入していると言われています。
物語は、3・11の東日本大震災のどさくさの中、大学から原子力関連部品のデーターが盗まれることから始まります。
同時に、朝鮮半島からの濃縮ウランの流出という事態があり、日本で核テロが懸念されます。
公安の魔物とも云われた住本健司(渡部篤郎)は、テロリストと交流があると疑われている企業、奥田交易の社長夫人・香織(真木よう子)を協力者に仕立て上げようとします。
住本の徹底した揺さぶりで、香織は罪悪感を持ちつつ、外事警察に協力します。
”その男に騙されるな”ということは、次々と住本の巧みな話術と行動に表れます。
果織・・・彼女の手に握られた写真は・・・・ 徐 ・・・深いしわには、過去と現在の苦悩が・・・
韓国の諜報機関NISも潜入捜査官を日本に送り込み、日本の外事警察、NIS、テロリスト、協力者などがそれぞれの思惑が入り乱れます。
元在日二世で「あの国」で核開発に携わり、韓国に亡命していた徐昌義(田中 泯)を日本に連れ帰り監視の下最高の医療を施し、分かれた娘を探すなどといって懐柔しますが、テロリストに拉致されます。
徐の凄みのある演技が印象に残りました。
彼の顔の表情には、今までの苦悩が刻み込まれたように思われました。
この映画では、「あの国」とか「朝鮮半島の国」という表現をしていますが、それがあの北朝鮮であることは明白です。
終盤は、徐を中心に物語は進みますが、彼が何を考えているのか、さっぱり分かりません。
”その男に騙されるな”のその男とは徐にも、当てはまるのかも知れません。
演技派、個性派俳優で、物語は二転三転して片時も目が離されませんでした。
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