ふと思い立って、これまで作り貯めてあったピール類のチョコがけを始めました。
貯め込むばっかりではなくて、素敵に変身させて、成仏させてやらなくては。
1/23、1/30、2/6と3回やって、どの回もテンパリングは1度では成功せず。
初回1/23は2度、1/30などは、5度くらいはやったかもしれません(根気は割とある方だと思うけど、さすがにこの日は辛かった!)。2/6はシード法で1度、やっぱりあまりよくなくて温度を上げ直して水冷法で1度。
まだ必勝法は見いだせていませんが、とりあえず気づいたことをまとめてみます。
チョコレートのテンパリングには水冷法、シード法、マーブル台を使う方法など色々あるようですが、私がやっているのは水冷法です。
シード法にも一度挑戦してみましたが、予習不足のせいかいまひとつピンときませんでした。
一旦溶解させたチョコレートを、32度まで下げて、そこに15%の刻んだチョコを加えて、32度を維持する、という方法でやったのだけれど、最後の段階で32度なのにコテコテの固めなのです・・・。むむむ・・・何故・・・。
水冷法は時間はかかるけれど、結晶の変化について少しはイメージしやすいので、当分この方法でチャレンジしてみます。
■■チョコレートのテンパリング(水冷法で1キロくらい作業する場合)
(ネットや本にプロの解説が沢山ありますのでどうぞそちらを参照下さい。ここでは自分用の覚え書きを書いておきます)
■道具
・シャトルシェフの外鍋
・それにぴったりはまるチョコ用ボウル(チョコがなみなみ満タンになる浅さがよい)
・チョコ用ボウルより一回り小さめのボウル(28度まで下げる際に使用)
・ゴムべら
・温度計 2本 (チョコレート用、水用)
・チョコフォーク(ひとつ買うなら三つ又がよい)
・金串3本を1cmの隙間をあけて束ねたもの (余分のチョコレートを切るため)
・電気湯沸かし器/大きな水差しに水/外鍋からくみ出すためのボウル (水温調節用)
・チョコのボールを置くための乾いたタオル
・手を拭くためのおしぼり(気を付けていても手にチョコがついてしまいます)
・ヘアードライヤー チョコレートの温度の微調整用
・室温は20度程度
■調べること
チョコレートのメーカーによって溶解温度が違うので調べておく。
(例えば溶解温度は50度が標準だがヴァローナは55度。カカオバリーは45度と随分幅がある)
ヴァローナだけだと高いからT&Cと半々で混ぜて使おう、などという下心から複数メーカーのチョコを混ぜてしまった場合は、状況をみつつ判断する。
標準は ●溶解温度50~55℃、 ●下降温度27~29℃、 ●調整温度31~32℃。
温度計のその目盛りにマークをつけておくとよい。
■手順
(1)シャトルシェフにボウルを嵌めて、あふれないギリギリの水位のラインに印をつけておく。
(2)チョコレートを刻む。ディスクタイプの場合はそのまま。
(3)シャトルシェフの設定水位まで、48度程度のお湯をため、チョコレートのボウルを嵌め、放置。(休日の朝起きてすぐ溶かし始めています)
時々通りすがりにゴムべらでかき混ぜながら、他の家事などをする。
お皿などでふたをしておくとよい。
(4)途中水の温度を測り、下がっているようならば48度程度にあげる。
(5)気長に放置してたまにかき混ぜて、チョコレート全体を47度くらいにする。そうしたらそばについて、お湯の温度を調整しつつ(50度よりあまり上げない)、丁寧にかき混ぜながら50度(規定温度)までチョコレートの温度を上げる。
この時、チョコレートにスジのようなものが多少浮いてくる。沢山浮くのは温度が高すぎのような気がする。
(6)チョコ全体が50度になってしばらくしたら、チョコのボウルをタオルの上に置いてひとまず室温で冷ます。時々かきまぜる。(大体ここでランチ休憩になってます)
(7)この間を利用して、シャトルシェフの水温を34度くらいにしておく。
(8)小さいボウルの水温を25度くらいに設定し、ここにチョコのボウルをあててかき混ぜながら、チョコレートの温度を下げていく。水温が低すぎるとチョコのボウルの底が固まってしまうので注意。
チョコレートは鏡のようにテカテカして、かき混ぜた感触はもったり重い感じになる。
(9)チョコレートが28度になったら、一旦テンパリングが出来たかどうかテストする。
オーブンペーパーの短冊をチョコにつけて、板(+オーブンペーパー)の上に載せる。
ここで、テンパリングが出来ていれば、1分程度でスッと固まるはず。
もし固まらない場合は、チョコをボウルの側面に塗るようにしてそれを掻き落としたり、もう少し温度を下げたり、チョコのボウルをテーブルにドンとぶつけたり、色々試す(過飽和になっている結晶は衝撃を与えると析出してくるらしいし)。
色々やってダメなら、再度50度まで上げるところからやり直し。がんばれー。
(10)チョコがすぐ固まるようならば、(一旦湯温をチェックしたあと)チョコのボウルをシャトルシェフにかけて、32度までかき混ぜながらあたためる。かき混ぜているとチョコレートがするるっと柔らかくなる感じがする。
このときチョコレートにスジのようなものが浮いた場合、お湯の温度が高すぎる可能性があるので、チョコのボウルを一旦外してチェック。
最終的には、つややかでスジなどのない状態になる。
32度程度になったら短冊にチョコを浸して再度チェック。板に置くと、スッと固まるはず。
(11)チョコがけ作業開始。
チョコレートの温度を頻繁に見るようにする。ピールの温度は、冷蔵庫から出したてではなく室温(20度)にしておく。
チョコの温度が下がってきたら湯温をチェック。お湯を32度にする。
★温度計には出なくても、チョコレートの状態はかなり違うので注意。
チョコの衣がなんだか厚ぼったくなり、フォークからすべり落ちにくく、またフォークの跡がツンと尖るような場合は温度が低め。チョコをかき混ぜながら、ドライヤーを揺らしつつ温風をあてて、わずかにあたためる。こうするとチョコがゆるくなってくる。
温度計やチョコフォークにチョコがこびりついた場合も軽くあたためると落ちることが多い。
★温風をあてすぎると、温度があがりすぎてスジのようなものが浮いてくるのでよくかき混ぜる。
★チョコレートが減ってくると温度が下がりやすくドライヤー調整が必要になり、スジも出やすいため、最後の方のチョコがけピールはココアまぶしバージョンにするのがお勧め。
ココアをまぶせばスジ(ブルーム)なんて見えなくなりますからね。
(12)コーティングで綺麗にチョコを使い切るのは難しいので、最後は別の使い方にする。
ゴムべらにチョコをつけ、ぺたっとオーブンペーパーになすりつけると、薄い板チョコが出来上がります。これは極薄でパリパリして、なかなか美味しいです。
(ダンナサマにはこっちの方が好評なくらい。むか。)
(13)それでも残ったチョコはゴムべらでかき集め、オーブンペーパーの上になるべく平らに流しておく。後日刻んでガナッシュ(生チョコ)などに。
チョコフォークや温度計にこびりついたチョコも、ドライヤーで軽く温めて、折ってからカーブさせたオーブンペーパーでこそげるようにすると、かなり綺麗に取れます。
■■ピールのチョコがけに関する覚え書き
●準備
・ピール類は全て刻んでおく。このとき、最終的に納めるべき箱のサイズを確認し、収まるように切る。
(長すぎて入らなかったらショックです。えーん)
沢山ある場合、ひとさし指に豆ができるのでガムテープなどで補強しておく。
・出来上がったチョコがけピールを置くための平らな板状のものを沢山用意する。これにあわせてオーブンペーパーをカットし、複数セット重ねておく。
・暖房の入らない寒い部屋などに、チョコを載せ終わった板を並べる、平らな場所を用意しておく。(段ボール箱を逆さにするなど)
・出来上がったチョコレートを納める薄い箱を用意し、オーブンペーパーなどを敷いておく。
サイズが揃っていると便利。
・ピールは寒いところに置くのではなく室温にしておく。(チョコの作業温度と同じくらいがベストだとか)。
●コーティング作業
・正面にチョコのボウル、左にピール、右にチョコがけしたものを置く板、という配置で作業を開始する。
・細いピールは、全部にコーティングするのではなく、はじっこを残すようにする。
細いピールはフォークから転げ落ちたりしやすいため、手で持って作業するのがよいため。
・コーティング中は助手がいるとだいぶ楽。コーティング作業が始まるととても忙しいので、手伝ってほしいことを事前にレクチャーしておく。(ダンナサマにチョコがけが終わった板を寒い部屋に運ぶ係をお願いしました)
・複数種類を同時にコーティングする場合、後から見るとどれがどれか分かり難くなるため、付箋に名前を書いて用意しておく。これを出来たものに貼り付ける。
多少余白があっても、板1枚につき1種類が望ましい。
・チョコレートをくぐらせたピールは、余分なチョコを落とすため、チョコフォークに載せてチョコの水面を(軽く)叩くようにする。(チョコの粘り気で、下に引っ張られるので余分が落ちる)
チョコが減ってくると、この作業をするとピールがフォークから転げ落ちるので、ボウルに渡した金串もしくはゴムべら(平らなところ)を軽く叩くようにして余分を切る。
・違う種類のものを区別したい場合はアラザンを使うと便利
(チョコフォークで模様をつける技術がないので)
・状態のよいチョコレートであれば、どんどんコーティングがはかどる。
芯になるものが少なめであれば、市販のクッキーなどを買って用意しておき、それにもコーティングしてしまうというのもよさそう。
●ココアがけの場合
・ココアがけする場合は、同サイズのバット2つ、バットに丁度はまる角ザルひとつがあると便利。ひとつのバットにココアをたっぷり用意し、そこにチョコを落とす。チョコが固まったらザル(+もう一つのバット)にお箸でつまんで移し、余分な粉をはらう。ふるい落ちたココアは、ココアのバットに移す。
●片付け
・チョコ用のボールにはまだうっすらチョコが残っているので、このボウルと余ったチョコを使ってガナッシュを作ると綺麗になる。
・チョコを並べておいたオーブンペーパーは洗って(ピールから蜜が滲み出しているため)再度利用する。
刻んだピール。 右から二つ目はBigレモンなのですが、大きく切りすぎでした。 箱に入らないものが多数(涙)。 |
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道具類。 金串を3本セットしたものは、ボウルに渡して余分のチョコを切るのに使います。 チョコがくっつくのでドライヤーでたまに落としてやる必要がありますが・・・。 |
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シャトルシェフの外釜でお湯を保温しながら作業します。ボウルを嵌めて、丁度水があふれないラインにマークをつけておくと便利です。 |
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これは何かというと、4時間ばかりチョコを練り続けて、結局どうにも出来ないまま夕暮れ時になり、ええい、もう今日はやめだ、とバットに流し込んだチョコレート。 結局これは刻んでしまい、またコーティング用に使いました。 |
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続々コーティング出来てきました。 薄い段ボール板をまとめ買いしてあったため非常に役立ちました。 右に見えるのがチョコ収納用の箱。 これも段ボール板から作っておきました。 |
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ココアがけも作成。 甘夏、レモン、干し林檎。 (レモンピールは固くて失敗。ぐすん) |
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輪切りコンフィもチョコがけ。 手前がマイヤーレモンで奥が黄金柑。 アラザンで区別できるようにしました。 |
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こちらはタロッコオレンジ。でっかいので半月型に。 | |
こちらはBigレモン。 上が水冷法で、下がシード法ですが、違いが分かるでしょうか。 シード法はなんだかうまくいかず、チョコがこってり固めになったため、ぷっくり丸みを帯びた厚がけタイプになりました。 上の方はエッジが角張って見えますが、下は丸っこいです。 |
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箱に詰めると、それなりに。 (箱作りについては別記事で) 輪切りや半月型があると見た目に変化があってよいものだなーと自分では思っています。 ココアは、粉が飛び散るから本当は袋詰めとかすべきなのかなあ・・・。 余力がなくてそのまま詰めてしまいました。 (お友達のカノンさんの写真をお借りしました。ありがとうございます!) |
■参考情報
メーカー別テンパリング温度一覧(クオカのサイト)
カカオバリーのテクニックのページ
テンパリングやコーティング(オンロバージュ)のテクニックの解説があります。
子供達であっという間の出来事でした。
お心遣いに感謝感激です
先日は素敵なものを送っていただきありがとうございました!
全然連絡差し上げていないのにお心遣いいつも感謝しております。
最近いろいろと立て込んでいてお礼が遅くなってしまいました。ほんとにすみません
それにしても相変わらずの仕上がりの美しさですね
輪切りのオレンジのピールなど感動してしまいました。もったいなくて食べられません…。
私の方はここのところ全然手作り加工作業やってないので「少しはやって思い出さなくては…」状態です…
とりあえずお礼まで。
落ち着いたら連絡したいです。
いつみてもすごいですね。まるで工場のようですね。お家の中はチョコの甘い匂いで一杯だったでしょう。
今年もありがとうございました。とっても美味しくいただきました。
干し芋もしっとりしてて美味しかったです。
そして柿巻きは今年は干し柿が全滅に近かったので作れずで飛び上がってしまいましたよ。
ごちそうさまでした。
直ぐにアップできなくてごめんなさいね。先ほどやっと記事にしました。TB送りますね。
中高年しかいない我が家では、どんな食べ物もなかなか減らなくなってきました・・・。
ダンナは、朝ごはん干し芋ね、というと、なんだか憂鬱そうな顔をするのですよ。
今年はピールチョコがマイブームでしたが、来年はどうなるか(作るかどうかも)自分でも分かりません。何かまた面白いものを作ったら(成功したら)お見せしたいです。
3箱分でチョコが1キロ買えちゃいますので自作したほうがお得だとがんばりました(出来映えはプロとは比ぶべくもありませんが)
で、いざ食べ放題になってみると、思ったほど沢山は食べられないものです。
こちらこそ、静かに暮らしてらっしゃるところ(もしや受験の年でしたっけ)に送りつけてしまってすみません!
お元気かなー、どんなもの作ってらっしゃるかなーといつも思っています。
先日は、タンカンで『プリザービング』にあるビネガー漬けを作りましたよ。で、ビンを倒したり割ったり。相変わらず粗忽者です。
冷蔵・冷凍庫のピールはすっかり片付いたはずが、片隅からまた発見されてびっくりでした。瓶詰めはまだ結構・・・。
とはいえ、在庫がさみしくなったため、新たに作る気分満々になってきました。
ビッグレモンはもっちりして美味しいピールになりますよね。私もこれから作る予定です。
作業箱のままだと、こっちも楽だわ~。
輪切りフルーツのチョコがけは、見た目は綺麗だけれど食べるにはボリューム多すぎな感もありますが、大丈夫かしら。大きめの素材だとチョコがけもさっさと進んで楽ではあるのですが。
来年はホ○○ちゃんからおじいちゃんにチョコをプレゼントしてあげてはどうかな?