ぱっとしない6月が終わる。今日は月曜日で休日なので天候の回復を待ってバイクを乗り出す。バイク=自転車なのだが自転車というと妙に生活感があり、バイクというと外来語独特のなんだかわからない気分だけで自転車の生活感と切り離せる。おっと危ない。これでは中央官庁をはじめとする集団と同じだ。
それはさておき上電に乗って帰路に着く。別に走って帰れたのだが休日は日常から離れたいもの。普段では絶対出来ないことをあえて敢行する。
中央前橋駅に降りるのなんておそらく30年ぶりくらいではないか。西桐生行きにはつい最近も乗ったが。
午後のけだるい気分の漂う車内は大胡にある女子高生が4人ほどベンチシートでごろね。埴輪スタイルだからパンツは見えないがどうみてもNG。
中央前橋駅は終端駅であるから3面とはいえりっぱな「くし型ホーム」。あの上野駅の地平ホームと同じだ。もっといえばパリのリヨン駅とも同じ。テルミニ独特の雰囲気がある。
上電は身近なところに二つある鉄道の略称だ。
群馬県の中央前橋、西桐生間の上毛電気鉄道と長野県の上田、別所温泉間の上田電鉄。このブログでどちらと思われたか。
この二つの鉄道は漢字が同じなだけでなくいくつかの共通点がある。
1.製糸工業が盛んだった時代に出来、衰退と共に経営困難(失礼)になっている。
2.使用している車両が共に京浜地区で京王、東急で走っていた中古車両で田舎で余生を送っていること。ちなみにどちらもステンレス車体。
上田の「たぬき亭」の現場にはときどき新幹線を上田で乗り換え上田電鉄別所線で通った。別所線は終点が別所温泉であり、ときに観光客も混ざるし、途中には大学もあるので群馬の上電より上品な感じ。新幹線からの乗り継ぎは一面しかないホームで遊園地の乗り場みたいだが走り出すとすぐ千曲川の鉄橋に差し掛かり、旅情を感じさせてくれる。
地方私鉄はJRや大手私鉄には無い独特の車両が存在したことが魅力の一つだ。
新車を製作する余裕も無いので都内などからいろいろな車両が都落ちしてくる。
別所線にはなんと東急1000系が入線した。長野電鉄には小田急のロマンスカーが走り始めている。やはりデビューから大分経っているからどうみても古臭い。
でも時間が止まってもかまわない私的な旅ならそれもまた楽しいことである。