2022 備忘録

思いついたことを書き残す。

仕事のこと

2014年08月15日 | ひとりごと


TV番組「大改造劇的ビフォーアフター2014年8月10日放送」に出演したところ、多くのご感想をいただいた。
嬉しかったのは疎遠になっていた方をはじめから最近の設計依頼主まで多くの設計依頼主の方々に喜んでいただけたことだ。
年配の方は郵便や電話、また若い方はEメール、SMS、Facebook、LINEと多様な通信方法でご連絡をいただいた。

この仕事は多くの場合、特に住宅の建設など、人生の中でも大きな行事に関わることである。
一年以上にわたって数えきれない連絡を取り合って一つの目標に向かった経験がおそらく建築主にも忘れられない、大きな出来事であったと思う。
この行程は必ずしも順調なことばかりではなく、今年のように大雪による遅延や、材料、職人不足、また十分打ち合わせしたつもりでも発生する現場での不都合、これらを乗り越えて一つの建築が完成する。

これらの局面を共に乗り越えてきた間柄ではあるが、今回のことについては自分のことのように喜んでいただいている方も多い。
有り難い職業であると思うし、改めて責任の重大さに身の引き締まる思いだ。
後進の若い人たちにもそのことを肝に銘じて精進してほしいと思う。


「祭りのあとのさびしさ」・・・TV番組「大改造!!劇的ビフォーアフター」

2014年08月10日 | ひとりごと
TV番組「大改造!!劇的ビフォーアフター」の番組制作協力に参加した。
http://asahi.co.jp/beforeafter/index.html

TV番組出演は全く初めてのことであり、大いに戸惑うことの連続で有った。
建築工事が仕上がってしまうと何事もなかったかのように見えるが、制作現場も関係一同の並々ならない苦労の上に成り立っている。
お祭り騒ぎと言ってはお門違いかもしれないがあの熱気が退いた今、「祭りのあとのさびしさ」を感じている。

この番組は新築工事の陰に隠れていたリフォームという分野に光を当てた。
解体が取り沙汰されるたびに話題となる著名建築とは異なり、まだ使用期限が残る多くの無名の建築が有り、これらを使い続ける方策を考えることも現代では重要な事になった。
建築士がリフォームにどのような形で係るかについては番組の性格上普段の行動とは多少違うこともあるかもしれない。
しかし建築士がリフォームに関与することによって単なる修繕の域を脱し、より豊かな生活が出来る可能性があることを示唆している点からもこの番組の意義は大きいといえよう。

それと同時に今回の収録で感じたことは新築時にきちんと性能を確保し、将来のリフォームを配慮した設計の重要性だ。さいわいこのリフォームにあたっては重大な障害は発見されなかったが補強は全般に渡った。
より良いリフォームを可能にする新築時の設計を改めて慎重に進めたいと思う。



建築は場所性を抜きに考えられない。自然との調和では無く自然の一部として存在することである。豊かな自然に包まれた新しい生活の出発に関われたことは貴重な楽しい経験となった。
TV制作の現地スタッフは極めて熱心に粘り強く働いていたことが印象的だ。撮影には素人の私はじめ工事関係者の士気を高めるため大変気を使っていただき、その熱心さに応えてできるだけ協力させていただいた。
この機会を与えていただいだTV局、製作会社、現地スタッフの皆様に改めて感謝申し上げたい。



現場は新潟県阿賀野市、白鳥の飛来地として名高い「瓢湖」湖畔にある。
猛吹雪の中、初めて訪ねたときはまさに白鳥や鴨などで水面が覆われていた。



4月は湖畔が桜の見頃を迎える。この地域の象徴とも言える五頭山系の残雪との対象が美しかった。



7月に入るとオニハスが湖面を覆い尽くした。
ウシガエルの鳴き声が不気味であったり、雷魚が水面から飛び出したりと、自然豊かな魅力的な土地柄である。



羽越本線水原駅まではいろいろな経路で通った。白新線で新発田まで行き、羽越線に乗り換えるコース、信越線新津から入る経路、新潟色の様々な車輌に思いがけず乗れたことは仕事の合間のささやかな楽しみでも有った。



また地元の安田瓦協同組合および関連企業の全面的な協力をいただいた。地産地消を地で行くような内容に大きく貢献している。

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木槿の花

2014年08月08日 | ひとりごと


現在夏の花の代表の一つに木槿がある。
現場の帰り、国分寺の敷地内を通った時に木槿が目に止まった。
おそらく「日の丸」と呼ばれる種類であろう。

木槿は韓国でもの国花として馴染み深い花のようである。
国分寺が建立された西暦749年、奈良時代当時、すでに多くの帰化人がいて、地域社会において大きな存在であったことが明らかになっている。
出土した瓦からもその痕跡が伺えるそうだ。

そもそも仏教自体、中国から朝鮮経由で渡来したとされ、漢字をはじめ日本の文化の多くはこれら大陸からの影響を受け続けている。
その意味において中国はまったく尊敬する存在である。
現代においても奈良時代のような真の偉大な大国であってほしいと思う。

木槿の咲く国分寺跡に立ち、ちょっと奈良時代にタイムスリップしてみた。