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バイエルン・ミュンヘンとマルク・ファン・ボメルを応援しています

ファンボメルインタビュー「ミュラーはバイエルン、バイエルンはミュラーだ」

2020-05-16 20:27:23 | Mark van Bommel

ずいぶん今さらですが、2月5日発売のSportBildに掲載されたファンボメルのインタビュー記事です。

PSVをクビになって以降、めっきりメディアに姿を現さなくなってしまったファンボメルの、貴重なインタビューであります。

例によって、よくわからんところは想像作文したり、省略したりしております(汗)。
ファンボメルの知的な言い回しを正確に表現したいのに、理解が出来ないゆえに、無難な言葉に変換せざるを得ないのがもどかしい。

具体的に何月にインタビューしたものかわかりませんが、当時はまだミュラーの立場が微妙でした。
そしてヘルタ・ベルリンの監督はクリンスマンでした。
コロナは遠いアジアの一部での話で、EUROも開催されるはずでした。

では、いってみよー。

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SportBild:ファン・ボメルさん、あなたは12月16日、4位でPSVアイントホーフェンの監督を解雇されましたね。昨シーズンはアヤックス・アムステルダムのすぐ次の2位だったのに。何があったのですか?

ファン・ボメル:昨シーズンのPSVは83ポイント獲得した。他のシーズンだったら優勝してるよ。だがアヤックス・アムステルダムは更に3ポイント多かったし、チャンピオンズリーグ準決勝で見たような、センセーショナルな1年をプレーした。今シーズンの我々は、チャンピオンズリーグの早期敗退と、それと同時にスーパーカップの敗北があって、不幸なスタートだった。また、ステフェン・ベルクヴァイン ―1月にトッテナム・ホットスパーが彼を獲得したことに疑問の余地はない― を含む、最高の選手2人が、出場停止や怪我をした、ということもあった。我々は良いプレーを続けていたが、ポイントを得ることが出来なかった。ああいう若いチームにとっては簡単なことではない。結果に対する最終的な責任は、監督である私が負うべきことはわかっている。

― 貴方はまた、ロッベンやリベリーを熱望しました。どのくらい真剣だったのですか?

はい、私はロッベンとリベリーをアイントホーフェンに連れて行きたかった。あのような経験豊富な世界のスター選手2人なら、彼らのクオリティでもって、私の若いチームのロールモデルとして上手く機能しただろう。残念ながらフランクは、経済的に実行可能でないことがすぐに明らかになった。アリエンはかなり熱心に説得しようとしたよ。しかし、キャリアエンドを自分で決めることができるのはプロフェッショナルのみだ。私自身の経験から、これがどれほど難しいことか知っている。

― コヴァチが解雇されて以降、FCバイエルンの新しい監督としてあなたの名前も挙がっていました。どう感じましたか?

それは素晴らしい褒め言葉だね。私がPSVでアイデアを持ってプレーさせていたことが注目された。オランダではPSVは、私の元のクラブ、バイエルン、バルセロナ、ACミランに似ている。敵は後ろに立っていて(?)、壁のようだ。解決策を見つけることが重要だ。私のゲームアイデアは統制のとれた攻撃性で、相手ハーフを支配したいと考える。ボールを失う可能性もある。だがそこでボールを奪い返したら、相手は(陣営を?)整えられず、自分たちのチャンスを得ることができるからだ。グアルディオラは彼のチームで、これをほぼ完成させた。

― あなたの選手時代から、監督キャリアのためにどういったことを取り入れましたか?

例えば、リーダーシップはとても重要だ。オットマール・ヒッツフェルトはかつてそうした。フランク・リベリーとルカ・トーニは、その特別な気質のために、当初は厄介者だった。しかしヒッツフェルトは彼らを適切に導いて、チームに融合させた。全ての選手をどのように引っ張って行くかを知っている監督だけが、タイトルを獲得することができるんだ。このことはピッチの外でも当てはまる。

― 例を挙げてください。

以前なら、オットマール・ヒッツフェルトが私にSMSを送ることは想像できなかった。だけど今日では、WhatsAppを通じた選手とのコミュニケーションが非常に役立つと思うことがあるよ。もちろん、重要なことは直接説明する必要がある。でもトレーニングエリアの外では、ヤツらはいつも携帯を手に持っているからね。ちょっとしたことを問いかける時に、(アプリは)パーフェクトに使える。最初、ある選手がハートの絵文字で返信してきた時は少し驚いたよ(笑)。

― ミュンヘンでの元監督であるユルゲン・クリンスマンがブンデスリーガのヘルタに戻ってきたことに驚いていますか?

バイエルンでの彼の終わりは確かに残念だったが、それは10年以上前のことだ。

― フィリップ・ラームは彼の本に、6~8週間で(?)クリンスマンの下ではチームが「機能しない」ことに気付いた、と書いています。どう思いますか?

(チームの?)構成を提示する必要があるのは監督だ。でないと、何も得られない。当時、私たち選手がピッチ上ですべてを整理しなくてはならず、みんなで必死に取り組んだ。クリンスマンは多くの自由を与えたが、私たちはより強力なリーダーシップを必要としていた。これはほぼ全てのチームにあてはまることだ。当時私たちには良いキャラクターがいて、強いチームだった。だが努力が調和していないと、何にもならないんだ。監督は選手たちに、彼の考えを納得させなければならない。

― クリンスマンの時代からメンバーに残っているあなたのチームメイトは、トーマス・ミュラーのみです。目下ミュラーは、自分の居場所のために再び戦わなければなりません。バイエルンにとって彼はどのくらい重要なのでしょうか?

バイエルンはトーマス、トーマスはバイエルンだ。彼は、やり続けること、常に勝利を、というバイエルンの特別なメンタリティを体現している。彼はフットボールの魔術師だよ。ショーをしない魔術師。時にはうまく行ってるようには見えないことがある。だけど彼がやっていること全ては機能しているんだ。彼が後ろに倒れたとしたら、それは彼が得点できる唯一の方法だからだ。もしも胸でゴールが決められるなら、彼はそのシンプルな解決策を選んだだろう。

― ヨギ・レーヴはミュラーを選出してEMに連れて行くべきですか?

私が監督なら、いつもミュラーを連れて行くだろう。彼はプレーするかしないかに関わらず、すべてのチームにとって重要だ。彼はチームの成功のために全力を尽くすからだ。勝つためにはそのような選手が必要なんだ。だが監督は100%確信して決定を下し、チームの中のことを考えている。外からコメントするのは簡単なことだよ。

― あなたはかつて、6番の「アグレッシブ・リーダー」でした。芝生の上でアグレッシブさが際立っている、あなたの後継者のジョシュア・キミッヒをどう見ますか?

ヒッツフェルトが私を「アグレッシブ・リーダー」と命名した。私はその名前をあまり気に入ってなかったけど、切り離すことはできなかったね。キミッヒはオールラウンダーで、かつての私のようなアグレッシブさをゲームで必要としない。キミッヒは、ある瞬間に何が必要で何が正しいかを理解している。試合を読むことができるプロフェッショナルはそう多くはいない。キミッヒはそれが出来る。それは全ての監督にとっての贈り物だ。

― アーリング・ハーランドの代理人はあなたと同じミーノ・ライオラです。あの偉大な才能のストライカーが、ブンデスリーガでボルシア・ドルトムンドを選んだことに驚きましたか?

いいや、まったく。ブンデスリーガはものすごく発展して、これまでにないほど強いと思う。ボルシア・ドルトムントは優れたチームを編成した。メンバーには、タイトルチームが必要とすることを全て出来る選手たちがそろっている。現在のルシアン・ファブレの課題は、彼ら(選手たち)が必要なものを持っていることを確信させることだ。私はいつも選手たちに尋ねた:何かを勝ち取りたいか?はい?いいえ?確信が頭の中に湧き上がらねばならない。私は何よりもまずこのことを、バイエルンから学んだ。

― ミュンヘンではどうだったのですか?

FCバイエルンに加入したら、タイトル獲得への意欲を注射されたみたいになるよ。連続7回の優勝が最終的に物語っている。だけど、私は今はそういった意欲はライプツィヒのようなチームに認めている。ユリアン・ナーゲルスマンの一団のプレーを見た。まだ全てが最高というわけではない。だが彼らはミスをしても、全ての選手が最後に勝つために全力を尽くす。まさに、調整が必要だね。

― タイトルレースでバイエルンにとってより危険なのは?ライプツィヒ、それともドルトムントですか?

日曜日の直接対決で、RBがバイエルンにとってどれほど危険であり得るかわかるだろう。ドルトムントは、ハーランドを含む偉大なスカッドに加えて、若いトップストライカーがいることを既に見せている。だけどグラッドバッハも忘れちゃいけないよ!彼らはザカリア、テュラムやその他違いを生み出す選手を中心に、素晴らしいチームを持っている。私にとってボルシアはタイトル候補の一つだよ。また、レヴァークーゼンのペーター・ボシュやホッフェンハイムのアルフレッド・シュロイダーというオランダ人監督のおかげで、リーグはプレーの質の面でも向上したと思っている。順位表の上位が密集していることで、リーグのレベルを引き上げている。

★★★
呼び鈴が鳴った。元代表監督で元BVB監督である、ベルト・ファン・マルヴァイク(67)が彼の娘のアンドラ、義理の息子マルク、そして孫たちを訪ねて来たのだ。
★★★

― ファン・マルヴァイクさん、私たちは、かつてのあなたのように、マルク・ファン・ボメルをブンデスリーガの監督としてイメージできますか?

ファン・マルヴァイク:もちろんだ。彼はドイツでいつも快適だったし、ドイツのスタイルやメンタリティも知っている。マルクはブンデスリーガにぴったりだと思うよ。

― ファン・ボメルさん、ブンデスリーガに興味はありますか?

ファン・ボメル:私がオランダで何と呼ばれてるか知ってる?ドイツ人!ってね。おそらく私のメンタリティのことを指しているんだろう。監督、選手、子供の時、ブンデスリーガはいつだって私を魅了してきた。子供の頃、日曜日にボールを蹴った後、18:05のSportschauのために家に走ったことを今でも覚えてるよ。それからブンデスリーガを見て、Fritz von Thurn und Taxisを聴いたものだ。

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参考までに、当時(20節終了時)のブンデスリーガの順位はこんな感じ。

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ちなみに、インタビューをしたSportBildのバイエルン番記者Christian Falkさんが、この時の様子をblogに書いております。ファンボメルの自宅の写真などがあり、ボメラーは必見ですぜ。(こっちを訳した方がよかったかも)