後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔649〕正月はエミール・マールの著作の読書三昧です。

2024年01月04日 | 図書案内
 本邦初のリーメンシュナイダーの本を2冊公刊された、植田重雄さんが遺されたフランスロマネスクのモワサックの写真集に導かれて、ロマネスク探訪の旅が昨年始まったことはブログでお知らせしたところです。
 日本語文献では柳宗玄の著作集(全6巻)が秀逸でした。その柳の発想の源は紛れもなくエミール・マールになります。マールはフランスの中世美術史家として著名で世界的に名を馳せています。
 マール著作には4部作が存在します。
*『フランスの十三世紀の宗教美術』1898年…邦訳『ゴシックの図像学』上下、田中仁彦他訳、国書刊行会
*『フランスの中世末期の宗教美術』1908年…邦訳『中世末期の図像学』上下、田中仁彦他訳、国書刊行会
*『フランスの十二世紀の宗教美術』1922年…邦訳『ロマネスクの図像学』上下、田中仁彦他訳、国書刊行会
*『トレント公会議以後の宗教美術』1932年…どうやら邦訳なし

 この中で私が最も気になるのはマールが最初に手がけた『フランスの十三世紀の宗教美術』(『ゴシックの図像学』)です。高価な本なのでアマゾンで購入した本を、日ごと夜ごと読み込んでいます。興味深い本なのですがかなりマニアックな専門書で、楽しみながら少しずつ読み進めています。



 実はマールはもう1冊本を書いています。
*『十二世紀から十八世紀にいたる宗教美術』1945年



 この本の邦訳が『ヨーロッパのキリスト教美術』(上下、柳宗玄・荒木成子訳、1995年、岩波文庫)です。4部作をコンパクトにまとめ上げた本です。
 早速古本を手に入れて、この正月はマール本の読書三昧です。

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