後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔288〕テレビ小説「エール」の藤堂先生と私をダブらせてくれる教え子からのメールに励まされています。

2020年07月31日 | メール・便り・ミニコミ
  いろいろ理由はあるのですが、NHKのテレビ小説を見なくなってから数年は経ったでしょうか。ところが、最近、現在再放送中の「エール」を見ているのです。それはある教え子からの一本のメールが切っ掛けになっています。

●Kくんからのメール
 朝のNHKテレビドラマ「エール」を見ていますか?
 私にとってあの中で主人公裕一や佐藤久志たちの人生に多大な影響を与えた藤堂先生にあたるのが福田先生なのです。私に読書や生き物かがりを勧め、自信の無かった私に得意を持つという「道」を示してくださったことは今も感謝しています。多感な頃はもちろん大人になってもほんのささいなことで道を踏み外したりします。これだけ世の中をうまく泳ぎ切ることができているのも先生をはじめ私の関わった人たちのおかげと思っております。
 ありがとうございます。
 私は先生はもっと私たち子供の可能性を磨き続けてくれたことを誇るべきと思います。学生時代は長かったですが真に尊敬できる教師に出会えたのは先生と大学のゼミの教授二人だけです。


 1972年4月、私は北区立滝野川第六小学校に赴任します。初めての教え子は3年生でした。  Kくんは私の新卒時代の教え子でした。目がくりっとした、明るくてとても賢い子どもでした。
新卒当時の私は、様々な学級文化活動を子どもたちに仕掛けました。彦一凧という大きな凧を作って凧揚げ大会をしたり、クラスでチャボや兎を飼育したり、子どもたちは新聞を発行し、私は学級通信を親と子どもに向けて発行するというということもやったのでした。日本生活教育連盟という民間の教育研究団体に所属し、大いに影響を受けていたのです。最初期の私の実践は生活教育と言ってもよいものでした。
 Kくんは生き物係で活躍し、精力的に本を読む子でした。生きているのが楽しいとからだで表現しているような子でした。
 20年くらい前になるでしょうか。ある日突然Kくんから電話がかかってきました。晩成書房から何冊か本を出している福田三津夫とは、自分の担任だった人かどうか彼が確かめるためでした。出版社に連絡先を聞いたようです。
 それからしばらくして、クラスで仲の良かったJくんを連れて我が家にやってきて、懐かしい思い出話に花を咲かせました。また何年後かに2人の娘さんを連れて我が家にやってきました。
 そして、時々、何かあると思い出したようにメールをくれるのです。
「エール」の藤堂先生は森山直太朗さんが演じています。あんなに優しくなかっただろうなと苦笑いしながらも面映ゆくテレビを見始めました。藤堂先生とは志村けんが演じているのかと返したら彼に笑われてしまいました。

  次のブログも他の人の教え子の話の予定でいます。
 その前に愛読している鎌田慧さんのコラムをどうぞ。

 ◆ 動揺する自民党
   沖縄の決然たる抵抗が政府・自民党側の分断をつくり出した
   辺野古米軍新基地建設をやめろ!
                    鎌田 慧(ルポライター)

 7月上旬、中谷元・元防衛大臣は沖縄県庁を訪問、玉城デニー知事に
面会した。辺野古米軍基地建設についての見直し案を示した、と報道され
ている。
 「沖縄の皆さんにご迷惑をおかけし、心からお詫び申し上げる」と中谷
は謝罪したという。が、建設工事を止める、との謝罪ではなかった。基地
を建設したあと米軍と自衛隊との共同使用にします、民間機の利用も可能
な「軍民共用」にします、との私案を出したそうだ。
 しかし、なぜ沖縄の人たちが、毎日身体を張って、新軍港建設に反対
しているのか。それを考えてのことなら、自衛隊や民間機との共用などと
したり顔で述ベられるわけがない。
 沖縄が反対しているのは、もうこれ以上、戦争のための基地をつくられ
るのはまっ平だ、との平和主義が根幹にある。
 それはジュゴンのいる海を殺す環境破壊は認められない、という強い自
然主義観でもある。
 自分たちの郷土を戦場にされた過去の悲惨な歴史と未来の平和な島の姿
を考えた場合、口先三寸の妥協案などに心動かされる訳がない。玉城知事
は当然のことながら「工事の即時中止」を訴えた。
 75年前の沖縄戦のような敵前切り込み海兵隊の沖縄常駐は、戦略上
まったく不要だ。辺野古建設は米軍の経費削減策の一環でしかない。
辺野古の工期は、これからうまくいったとしても、あと12年。総工費は
9300億円。日本の負担である。
そればかりか、位置決定時に判明していなかった海底のマヨネーズ状態
が明らかになって、土台、埋め立て工事は無理だったのだ。
 7月上旬、地質学者の調査団が「震度1の地震でも護岸は崩壊する」
との調査結果を防衛相に送った。石破茂・元防衛相も「とにかく進めるん
だ、ということだけが解決策ではない」と発言した。自民党内部でも動揺
がはじまった。
 沖縄の決然たる抵抗が、相手側の分断をつくり出した。沖縄の勝利の
ために、力をだそう。
   (「週刊新社会」2020年7月21日第1170号「沈思実行」15)

〔287〕周知の事実ですが、清瀬(東京)の放射線量は郡山(福島)より高いところがあります。

2020年07月30日 | 市民運動
  福島原発事故以来地道に放射線量を量り続けてきた団体が清瀬にあります。猛暑の夏もコロナ禍の現在もマスクをつけながら傘を差しながらの活動です。
 時々朝日新聞に「福島県各地の放射線量」が小さく掲載されます。2020年7月25日の主な都市の線量は以下の通りです。

・福島 0.13(毎時マイクロシーベルト)
・郡山 0.07
・いわき 0.06
・南相馬 0.06
・南会津 0.04
・白河 0.06
・飯舘 0.207
・浪江(赤宇木) 2.337
・浪江(下津島) 0.311
・会津若松 0.05

 放射能から子どもを守る会・清瀬が量った線量と比較してみてください。
 放射線量が高いのは清瀬だけではありません。日本国中で「監視」する必要があるのではないでしょうか。


■放射能から子どもを守る会・清瀬はこんな活動をしています

                              福田 緑(放射能から子どもを守る会・清瀬 事務局)

 放射能から子どもを守る会・清瀬(旧「さよなら原発・いのちとくらしの会@清瀬」)は2011年の福島原発事故以来、多くの方々の協力を得て毎年清瀬市内の公園や児童遊園など(市内130施設中昨年は63施設の231地点)の放射線量を測定し続けてきました。しかし、それぞれの家庭の事情で転居するなどして、2017年までの2年間は天野登会長一人で放射線量調査を続けてきたのです。2018年からは会の名前を「放射能から子どもを守る会・清瀬」と改名し、会員が少しずつ増えて2020年現在は11名となりました。ただ、現在実際に調査で動けているのは4名です。
 今年は新型コロナの感染予防のため、Stay Homeでずっと検査が行えずに来ましたが、7月21日には、例年の調査で放射線量が気になっている市内の神山公園と上清戸公園の2カ所を専門家に計測していただきました。この日は3秒ごとに計測値を出してくれる線量計で471地点を計測しました。その結果、1時間あたりの放射線量が0.08マイクロシーベルト(μSv/h)註を超える地点が神山公園で10カ所、上清戸公園で5カ所ありました。例年調査結果を発表している「きよせの環境・川まつり」はコロナ禍で中止となっていますが、小さなお子さんがよく遊ぶ場所ですので、少しでも安全に遊んでもらえるように市や専門家と相談しながら注意点をお伝えしていきたいと思っています。





 毎年のこうした調査活動にはエネルギーも費用もかかりますが、私たちのわずかな会費で賄っているのが現状です。市の放射線量調査は2011年6月から2012年3月まで市内の学校や公園などの14カ所で月に一度行われていましたが、2012年の4月以降は清瀬小学校で月に一度の定点観測が行われているだけで、幼いお子さんたちの遊ぶ公園や児童遊園は含まれていません。今回の調査には市職員の立ち会いを得ることができましたので、今後市とも連携して進めていければと思っています。
 本会の活動に関心がある方、詳細を知りたい方は「ゆめ通信」の発行元にご連絡ください。いずれホームページを作って本会の活動の様子をお知らせしていければと考えています。

[註]追加被ばく線量は年間1ミリシーベルト(mSv/y)と国際基準で決められています。これを単純に365日と24時間で割っていくと約0.114μSv/hとなります。国はこれに自然放射線量分0.04μSv/hと生活パターンを加味して、0.23μSv/hを基準としています。しかし、幼い子どもたちが受ける放射線の影響は大人よりもはるかに大きいと言われていますので、本会では公園などで0.1μSv/hあれば高いと判断し、0.08μSv/h以上は要注意と考えています。


〔286〕『厳粛な綱渡り』(大江健三郎)にクラナッハ論や群馬県島小学校のルポを発見しました。

2020年07月29日 | 図書案内
 前ブログの続きのような話です。
 『厳粛な綱渡り』(大江健三郎、文藝春秋)を購入したのは1969年6月、私が東京学芸大学2年生の時でした。小さな活字で2段組、500頁を超える大冊をなぜ手に入れたのか、記憶に定かではありません。たぶん大学の本屋に平積みになっていて、勢いで買ってしまったのでしょう。わずかに鉛筆のサイドラインが残っていますが、内容についての記憶はほとんどないのです。今回の読書会で大江の最初の長編小説『芽むしり仔撃ち』を読むにあたって、懐かしく本棚から取り出した次第なのです。
 『厳粛な綱渡り』は大江の20歳代に書いた批評的散文集で、「ぼくはこの本が日本の戦後世代の、500頁をこえる最初のエッセイ集たることを広告する権利を有する。」と堂々と宣言しています。題名の由来は、小説家の大江が批評的散文を書き記すということは、綱渡りに等しい行為というイメージを持っているということのようです。

 今回この本を再読して新鮮だったのは、クラナッハ論や群馬県島小学校のルポを発見したことです。
 ルーカス・クラナッハはドイツ中世の画家で、近年日本でも上野の国立西洋美術館で展覧会が開かれたことはこのブログでも取り上げました。(クラーナハ展、2016年10月~2017年1月)
 大江はクラナッハが高校の時から最も重要な画家であったということで、「出会い」「樹木」「裸体」「エロティスムと死」という視点から力を込めて書いているのです。おそらくフランスの詩人や美術家の評論などを引き合いに出して論評するのですが、私には今ひとつ腑に落ちないのでした。

 今回の最大の発見は「未来につながる教室-群馬県島小学校」です。島小学校とは斎藤喜博校長が主導し、全国的にも名を轟かせ、その実践が本や映画になり、戦後教育の金字塔を打ち立てた公立の学校でした。大江の2日間にわたってのルポルタージュです。
 私が小学校や大学の教育現場で一貫して追及してきた演劇教育の考え方がこのルポに貫かれていました。

・斎藤さんは参観者に授業をみせるとき、それが授業の最高の瞬間であるように配慮する、それは俳優たちが最高の演技を観客にみせようとすることとおなじである。
・…そばで見ているぼくに、いわば芸術的な感動をあたえるものだった。
・まず子供たちのあいだにダイナミックで劇的な葛藤がある、しかもその葛藤はしだいにあたらしい葛藤へともりあがってゆく。教師も、その葛藤にくわわる。まったく無意味な脇道へそれることをきびしく制することで教師は葛藤の外にあるようだが、その葛藤がしだいに根本的になってくると教師もそれにはいりこんでゆかざるをえない、そしてすべての葛藤がとけたあと、子供たちと教師、それに共感してみつめていた参観者は本質的な解放感、カタルシスをあじわうことになる。これはすぐれた演劇とまったくおなじだ。

 島小学校の実践は10年くらい公開研究会を開きながら続きましたが、その間多くの専門家を講師に迎えています。私の師匠、故冨田博之さんもそのひとりでした。彼は演劇教育3部作をものにした、押しも押されぬ演劇教育の権威です。(拙著『実践的演劇教育論-ことばと心の受け渡し』「冨田博之の演劇教育論」参照、晩成書房)


〔285〕第4回、Kさんを囲む読書会は、疫病も絡む『芽むしり仔撃ち』(大江健三郎)でした。

2020年07月27日 | 図書案内
  このブログで数回にわたって報告しているKさんを囲む読書会は4回目ということになりました。近隣にお住まいのKさんが再読したいという本を参加者に示し、その感想を持ち寄り、自由奔放に語り合うという会です。時には本から離れて、現在の日本の政治状況や、国際社会の動向にまで話が及ぶことがあります。まあ何でも気の向くままに話し合えるというざっくばらんな会です。コロナ禍の現在、残念ながら参加を見合わせた方もおられましたが、それでも数人が馳せ参じてくださいました。一番元気になられたのはKさんで、仕掛け人の私としては嬉しい限りです。終会後Kさんからは早くも次回の本を何にするかという話が飛び出しています。「今年中にやらなくてはね。中野重治あたりはどうかしら。」と意欲満々です。

 さて今までの読書会を振り返っておきましょう。第1回、石牟礼道子『苦海浄土』2018.11.28、第2回、大岡昇平『野火』2019.9.14、第3回、野間宏『真空地帯』2020.2.22ということで、一貫して戦後の小説を読み込んできました。それぞれブログにその報告が書かれていますので参考にしていただければと思います。
 私は、小説といえば夏目漱石、森鴎外、芥川龍之介、太宰治、島崎藤村など明治から大正にかけての作家を好んで読んできたので、読書会の作品はいずれも読んでいなくて、それだからこそ新鮮な驚きや発見があったのでした。
 大江健三郎といえば私にとっては『ヒロシマ・ノート』『沖縄ノート』(岩波新書)を学生時代に読んで、エッセイ集『厳粛な綱渡り』(文藝春秋)を本棚に並べていたのでした。小説には全く手が出ずに、Kさんから『芽むしり仔撃ち』と言われてもしばらく認識できませんでした。
 『芽むしり仔撃ち』は大江の第2作で、初めての長編小説ということになります。23歳にして書き下ろしたということですが、ノーベル文学賞作家を予感をさせる作品です。1958年に講談社から出版されましたが、私が手にしたのは新潮文庫、1965年発行、2019年50刷でした。昨年増刷されて未だ読み継がれているとは驚きです。2回じっくり読み味わってその秘密がわかりました。
  読んでない人のためにウィキペディアを覗いてみましょう。

■ウィキペディアより
『芽むしり仔撃ち』 (めむしりこうち) は、1958年に講談社から出版された大江健三郎(当時23歳)の初の長編小説である。

●あらすじ
 太平洋戦争の末期、感化院の少年たちは山奥の村に集団疎開する。その村で少年たちは強制労働を強いられるが、疫病が発生した為に村人たちは他の村に避難し、唯一の出入り口であったトロッコは封鎖され、少年たちは村に閉じ込められてしまった。見棄てられたという事実、目に見えぬ疫病に対する不安、突然顕われた自由に対して途方に暮れた時を越えて、子供たちは、自然の中で生を得て祭を催すにいたる。少年たちは閉ざされた村の中で自由を謳歌するが、やがて村人たちが戻って来て、少年たちは座敷牢に閉じ込められる。村長は村での少年たちの狼藉行為を教官に通知しない替わりに、村人たちはいつも通りの生活を送っていて、疫病も流行していなかった事にしろという取引を強要してくる。少年たちは当初は反発したが、やがて次々と村長に屈服してゆく。そして最後まで村長に抵抗する意志を捨てなかった「僕」は村から追放される。


 新潮文庫の解説を平野謙が書いています。読書導入としてはなかなか秀逸です。その骨子だけ取り出してみました。

■新潮文庫
 1965年発行、2019年50刷。
*解説:平野謙
・私どもは冒頭から非現実的な物語としてそっぽをむくのと反対に、作者のイマジネーションの世界にそのままひきいれられていくのである。(本質的には無何有郷的なそれ)
・弟は集団疎開に際してまぎれこんだ幼ない部外者である。
・「壁のなかの人間」…死んだ疎開女とともにとりのこされた少女、父親が死んで離村する気になれない朝鮮人の集落の少年、その少年の家にかくまわれている予科練の脱走兵
・1957年、処女作『奇妙な仕事』、1958年、初の長編小説『芽むしり仔撃ち』
・『芽むしり仔撃ち』…少年たちの面接した習俗の壁の非人間的な内実


 読書会で話題になったことや、私自身が考えたいことは以下の数点です。
●なぜ今『芽むしり仔撃ち』なのか。〔コロナ禍と「壁のなかの人間」〕
●『芽むしり仔撃ち』をどう読んだか。〔テーマ、人物表象、文章表現など〕
●早熟の天才、大江健三郎について。〔小説とエッセイの相違〕
●『芽むしり仔撃ち』は何を象徴しているのか。〔日本社会と教育〕


 この読書会が切っ掛けとなって、全エッセイ第1集『厳粛な綱渡り』を再読し、全エッセイ第2集の『持続する志』、我が家に眠っていた『死者の奢り・飼育』を読まなくてはと思う今日この頃です。
 最後に、大江健三郎と親密で関係深い鎌田慧さんのコラムをどうぞ!


 ◆軍備拡大の矛盾
  安倍首相、戦争やるつもりなのか

           鎌田 慧(ルポライター)

 秋田県と山口県に配備予定だった地上型ミサイル迎撃システム
「イージス・アショア」は、反対運動を受けて撤回となった。
 もしも反対運動がなかったなら、まったく役立たずの装置に4500
億円(ミサイル抜き)以上のムダな費用がドブに捨てられることに
なっていた。それでも、すでに経費として196億円か費消され、これから
解約に伴う違約金が、トランプ政権から請求される。
 小学生が教室で机の下に避難する。まるでマンガだが、安倍政権の
北朝鮮のミサイル恐怖の宣伝だった。訪日したトランプ大統領との
首脳会談で、「米国から防衛装備を大量に買うべきだ」と強要され、
役立たず地上イージスを2基押しつけられた。
 1機120億円のステルス戦闘機を147機も購入して、トランプから
「日本は同盟国のなかでももっとも多い数のF35をもつことになる」
とお褒めに与っている。
 イイカッコシイの大浪費は、アベノマスクどころではない。
 地上イージス計画を撤回した途端、今度は「敵基地攻撃能力を含む
新たな安保政策を検討する」とトランペットの発言。
 経済破綻ばかりか、住民の安全も売り出される。
 ミサイルを撃ち落とすのが無理なら、相手の基地を叩け。
 日米安全保障とは、日本は専守防衛、攻撃は米国との役割分担だった。
 が、これからは日本は盾ばかりか、矛も強化する。
 「新たな安保政策」とは、際限のない矛盾の拡大、米製兵器の
爆買いに嵌(は)まることになる。
 トランプは権力拡大のために兵器を大量に売りつけ、安倍は権力
維持のために大量に購入する。すでに2年前から、「長距離巡航
ミサイル導入関連費」として22億円を計上、さらにその上に
高速滑空弾研究費、対艦誘導弾研究費100億円を盛り込んでいる。
 ステルス戦闘機の増強、護衛艦の空母化、ミサイル開発と巡航
ミサイル導入。
安倍首相、戦争やるつもりなのか。
  (「週刊新社会」2020年7月14日第1169号「沈思実行」14)

〔284〕今度は、朝日新聞「『アベノマスク』を使っていますか?」と「腰越九条ニュース」です。

2020年07月19日 | テレビ・ラジオ・新聞
  前回の続きのようなブログです。朝日新聞の「be」に「『アベノマスク』を使っていますか?」というアンケートが掲載されたのは昨日、2020年7月18日のことでした。次のような書き出しです。

●政府が全世帯に2枚配布した布マスク、いわゆる「アベノマスク」。着用率が低いと予想してはいたものの、これほどとは。さらに驚かされたのがコロナ対策の総合評価です。辛口評価になるとは思いましたが、4人に1人が「0~9点」で、50点未満の“赤点”は全体の8割を占めました。安倍政権への不信が募っています。


 1863人の回答だそうです。
 驚くべき数字は、「はい」と答えた人がわずか5%で、「いいえ」が95%という事実です。
 「いいえ」の理由は次の通りです。

・小さい 913人
・使い捨てが入手できる 690
・無駄の象徴だから使いたくない 553
・首相以外であまり見たことがない 550
・ストックとして保管 513
・自家製で間に合う 428
・衛生面が不安 384
・洗うのが面倒 219

  「はい」の理由はわずかですが1つだけ挙げておきましょう。

・洗えば再使用が可能で環境によい 49

  最後にこんなコメントが紹介されています。

・安倍首相はアベノマスクを使い続けている。「最もコロナにかかってはいけないはずの首相が、小さな給食マスクをつけて指揮を執る無様さに泣けてくる」


  余談を1つ。以前にも紹介しましたが、生活クラブ生協が発行する「生活と自治」という冊子があります。その〔2020年7月号〕に辺見庸さんの「息ができない!」というコラムが連載されていますが、その冒頭は次のようでした。嗚呼。

「政府からマスクが2枚届いた。だれがこういうことを考えつくのか、さても面妖なことである。あらゆる見地からして到底受け入れがたい安倍首相の顔(凶相かつ貧相)が目に浮かび、そのマスクでわが口を覆うなどもってものほかだから、同居犬の糞つまみに一度使用してから捨てた。」


  はてさて、鎌倉の塚越敏雄さんからメールが送られてきました。「腰越九条ニュース」が添付されてきました。とても読みやすく、合点がいく内容でした。鎌田慧さんのコラムもどうぞお読みください。

●福田三津夫様
 いつもお世話になります。鎌倉の塚越です。
 「腰越九条ニュース」ができましたので添付します。
                 塚越敏雄 





 ◆懲りない原子力政策
  青森県六ヶ所村核燃料再処理工場は廃止すべき

鎌田 慧(ルポライター)

 声を大きくして言うしかない。わが故郷・青森県に建設されている、
県内最大の工場のことだ。
 建設開始から27年たったが、竣工式はまだ一度も行われていない。
竣工しないからだ。
 高レベル放射性廃棄物が、工場の最も重要な建屋に漏れて、汚染
されている。建設費は当初7000億円といわれたが、これまで3兆円を
かけた「未完工場」である。

 もっとも危険な核施設、使用済み核燃料の「再処理工場」は、稼働の
見通しはない。民間企業ではあり得ないが、税金と電気料金が無限に
注ぎ込まれている。
 「来年できます」「再来年には」ともう24回もウソをついてきた。
 3兆円ものムダな投資はやめようとの声はあがらない。
 日本原発行政の「扇の要」と位置づけられた「核燃サイクル」。
 絵に描いた餅のアンコの部分が再処理工場だ。

 この工場が運転停止になったのは、2009年。高レベル廃液をガラスと
混合してガラス固化体をつくる、高さ二十四メートルの
「ガラス固化セル」で、廃液が床上に漏洩しているのが発見されて
運転停止。危険性は福島第一原発事故後のメルトダウンで証明済みだ。
汚染された固化セルのなかには、誰も入れない。
 住民に影響がなかったのがせめてもの幸いだった。それから今日まで
停正したまま。
 それでもだれも廃止を宣言しない。
    (7月14日東京新聞朝刊25面「本音のコラム」より)

〔283〕朝日新聞「ワイドショーを見ていますか?」を読んで少しほっとしました。

2020年07月12日 | テレビ・ラジオ・新聞
 土曜日の朝日新聞に「be」という別刷がついてきます。土曜版とでもいうのでしょうか。最新の「be」に「ワイドショーを見ていますか?」というアンケート調査がありました。1770人の回答者数だそうです。次のような書き出しで記事は始まります。

●(be between 読者とつくる)ワイドショーを見ていますか? (2020年7月11日 朝日新聞)
 ここ4カ月ほど、コロナ問題一色だったテレビのワイドショー。巣ごもりで見る人が増え、一時視聴率も大きくアップしました。アンケートからは「わかりやすい」「どうでもいい話題を扱っている」など賛否両論が寄せられましたが、最近の政治ネタなどの扱いに期待する声も出ているようです。みなさんは見ていますか?


 読者の回答は、見ている人と見てない人が丁度半々でした。
 興味深かったのは、共感できる感想が数多く掲載されていることでした。

・芸能人の不倫を大騒ぎする姿勢にへきえきする。もっと他に報じるニュースがあるだろう。
・政治がひどくなるなか、当たり障りのないニュースでは物足りない。権力を批判するワイドショーのほうが面白くなった。
・政治やコロナについての疑問は本来公共放送のNHKが追求すべきだと思うが、その姿勢が感じられない。ワイドショーのほうが追求してる。
・コメンテーターの玉川徹さん、青木理さんらの政治批判が面白く、そうだ、そうだと納得。ぶれない姿勢とコメンテーターの歯切れのよさが好き。
・PCR検査がなぜ出来ないのかを本気で追求していない。
・国会で重大な話題があるのに、韓国のスキャンダルに何時間も時間を割いていた。

 どんな番組を見ている? という問いに対しては、次の番組が上げられていました。
・羽鳥慎一モーニングショー 465人
・ひるおび! 393人
・大下容子ワイド!スクランブル 299人
・情報ライブミヤネ屋 216人
・バイキング 211人
・スッキリ 151人
・とくダネ! 144人
・直撃LIVEグッディ! 98人
・ゴゴスマ 89人
・グッとラック! 86人

  3年前に私は以下のようなブログを書いたのでした。

●ブログ〔151〕「権力を監視し、不正を糺していく」情報番組を探してみました。
2017年08月01日 | テレビ・ラジオ・新聞
 数年前から、教育基本法改悪・戦争法・特定秘密法・共謀罪・原発再稼働などに反対するため国会などへの抗議活動に頻繁に参加するようになりました。数万人の集会にもかかわらず、マスコミの扱いは実に冷たいことも度々ありました。
 日本のマスコミははたして健全に機能しているのだろうかと疑問に思っていたときに手にしたのが、『「本当のこと」を伝えない日本の新聞 』(マーティン・ファクラー、双葉新書、2012年)という本でした。彼は元ニューヨークタイムズ記者でピュリッツァー賞次点にも輝いた人です。
 「情報寡占組織・記者クラブ」「検察当局と一体化する記者クラブ」などと見出しが躍っている本です。日本は「調査報道」でなく「発表ジャーナリズム」になっていると指摘しています。聞き慣れない「アクセス・ジャーナリズム」の必要性も説いているのです。
 次のようなことばが強く心に残っています。

「ジャーナリストとは、基本的に権力寄りであってはならない。権力の内側に仲間として加わるのではなく、権力と市民の間に立ちながら当局を監視し、不正を糺していく。」

 時あたかもNHK問題で籾井勝人前会長の言動が批判され国谷キャスター降板問題など起こっているときでした。また東京MXテレビの「ニュース女子」(1月2日放送)は運動に対するあからさまな攻撃で沖縄ヘイトと呼ぶべきものです。ここに出席した数人の評論家言動は許しがたいものでした。取材無し、決めつけ報道の典型であったと思います。こうした一連の流れは高市早苗総務相の電波停止発言に繋がるものです。

「権力の内側に仲間として加わるのではなく、権力と市民の間に立ちながら当局を監視し、不正を糺していく」テレビ番組がはたして日本にあるのでしょうか。比較的リベラルな報道番組を探し出してみました。


〔日曜日〕(東京での放送日)
・「サンデーモーニング」関口宏(司会)、岸井成格、青木理等、TBS系列で1987年10月4日から毎週日曜日の朝の時間帯に生放送されている関口宏が司会を務める報道番組。(ウィキペディア)
・「週刊報道 LIFE」BS・TBS日曜日の番組。21:00~22:00「次の世代へ」をコンセプトに、今の政治、経済、社会、国際情勢、スポーツなど、毎回一つのテーマにこだわって取材をし、人間の顔が見える報道情報番組を目指す。松原耕二(TBSテレビ報道局) (2015年4月 - ) 出水麻衣(TBSテレビアナウンサー) (2015年4月 - )解説、堤伸輔(ウィキペディア)
・「外国人記者は見た!日本inザ・ワールド」はBS-TBSの報道討論番組である。2015年10月7日より毎週水曜日放送されていたが、2016年10月2日からは『外国人記者は見た+日本inザ・ワールド』として日曜日22時から22時54分に放送時間が変更された。(ウィキペディア)パトリック・ハーラン、出水麻衣。

〔月〕〔火〕〔水〕〔木〕〔金〕
・「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日、月~金曜午前8時)として22年半ぶりに復活。アシスタントはテレビ朝日アナウンサーの宇賀なつみ。…玉川徹も続投するが、毎日出演することとなった。(ウィキペディア)
・「NEWS23」は、1989年10月2日よりTBSをはじめとしたJNN系列が生放送している平日最終版の報道番組である。 番組開始から2008年3月28日までは『筑紫哲也 NEWS23』として放送しており、初代メインキャスターを務めた筑紫哲也の冠番組であった。(ウィキペディア)星浩、雨宮塔子。
・「報道ステーション」は、テレビ朝日で2004年4月5日から月 - 金曜日の22時台に生放送されている帯の報道番組。 放送第1回目からハイビジョン、ステレオ音声で放送。47都道府県で地上デジタル放送が始まった事を受け、2006年12月4日から番組に連動させたデータ放送を開始した。(ウィキペディア)富永悠太、後藤謙次
・BS11の報道番組「報道ライブMOVE UP22」(毎週月曜~金曜)が、今夜4月4日の22時からスタート。別所哲也をメインキャスターに迎え、“未来志向”スタイルで22時台という報道激戦区に真っ向勝負していく。
 月曜から木曜のメインキャスターは別所。アシスタントキャスターとして、元テレビ東京アナウンサーの八塩圭子が月曜と火曜を、元札幌テレビアナウンサーで、NEWS24(日本テレビ系)のキャスターも務めていた中島静佳が水曜と木曜を担当する。金曜日は、日本総合研究所理事長の寺島実郎が司会となり、対談番組『寺島実郎の「未来先見塾」~時代認識の副読本』を放送する。(HPより)

〔土〕
・「激論」インタビューの巨人・田原総一朗が切り拓く新境地!現代日本の行方を徹底的に考える【出演者】田原総一朗 (ジャーナリスト)本間智恵 (テレビ朝日アナウンサー)
午前10:00~10:55(BS朝日、番組HP)
・「報道特集」善場貴子、金平茂紀、日下部正樹、TBS系列で、2010年4月3日から、毎週土曜日の17:30 - 18:50に生放送されている大型のニュース・報道ドキュメンタリー番組である。ハイビジョン制作、リアルタイム字幕放送。 2008年4月5日から2010年3月27日までは、『報道特集NEXT』として放送した。(ウィキペディア)


 NHKは忠実に政府の意向を報道しています。国民の関心が高い国会中継を放送をしないことも多いと感じています。体制に加担するだけのテレビになぜお金を払わなければならないのか、疑問に思う人が増えています。
 日本テレビ(読売系)、フジテレビ(産経系)はどちらかというと政府応援団のテレビ局です。森友・加計問題ではおもしろおかしくゴシップを中心に取り上げているという印象でした。

〔282〕弁護士・柳原敏夫さんからの緊急の「近況報告:子ども脱被ばく裁判の最終書面提出と感想」です。

2020年07月05日 | メール・便り・ミニコミ
 以前にブログでご紹介させていただいた弁護士・柳原敏夫さんからの緊急報告、提言をいただきました。じっくり向き合いたいと思います。

●福田さま

柳原です。
すっかりご無沙汰しています、いかがお過ごしでしょうか。
世間はコロナ災害で一変してしたようですが、私自身は殆ど変わらない毎日です。
見えない恐怖のコロナ災害の前から、見えない恐怖の放射能災害で、放射能との接触を避け、脱被ばくの問題と向き合ってきていて、コロナとの接触を避け、脱三密のライフスタイルは織り込み済みだったからです。

2014年8月の提訴以来、福島地裁でやってきました、子どもたちに避難の権利の実現を求める「子ども脱被ばく裁判」が今月末で審理終了し、先日の1日に、私たちの主張を集大成した最終準備書面を作成、提出してきました。

以下は、その書面を持参して福島に向かう朝書いた殴り書き風の感想です。

子ども脱被ばく裁判、311以後、理不尽、不条理の極みにある福島の現実に対する異議申立ての集大成、憤怒の書面を提出(2014.7.1)
https://darkagejapan.blogspot.com/2020/07/blog-post_4.html

この書面は弁護団にとって6年間の裁判の集大成の血と汗の結晶の書面です。
その血と汗が結晶となっていく過程でクリアになったことは、
311以後に出現した、正義と不正義が入れ替わった世界、被害者と加害者が入れ替わった世界、科学と偽科学が入れ替わった世界、一言で言ってあべこべの世界、
その理不尽、不条理の極みにあるのが福島の現実で、この書面はこれに対する異議申立ての集大成、憤怒の書面だということでした。

そしたら、311以後、新たに出現した、理不尽、不条理の極みにある福島の現実に対して徹底した異議申立てを続ける人たちのことが思い出され、
その一人として山本太郎が強く迫って来ました。
311後のあべこべの社会を正せる政治家は、福島の現実に対して徹底した異議申立てを続けてきた人、山本太郎のような人しかいないと改めて実感しました。

上のブログの結びの
「この憤怒の書面が「一粒の麦として地に落ち、死んで」、311以後のあべこべの世界を正す大きな声として実を結ぶことをひそかに願っている。」
の「一粒の麦」とは聖書のことではなく、吉野源三郎の「同時代のこと」の結びの言葉に触発されたものです。
それについては、私の冗長なコメントではなく、吉野の原文を添付します。








今回の準備書面は、私にとっても40年近い法律家としての集大成の書面でした。
添付の文章に出てくる、クループスカヤがレーニンの棺の脇で生まれて初めて語ったように、私も40年に一度くらいはあけすけに語っていいのではないかと思い、これともう1つ、以下の感想を書きました。

太郎再発見:311後のあべこべの社会を正せる政治家は山本太郎しかいない(2020.7.3)。
https://darkagejapan.blogspot.com/2020/07/blog-post.html

埼玉県民の私には選挙権がないのでこれ以上行動できませんが、彼の可能性に注視して頂けたら幸いです。

〔281〕あの矢部顕さんの「ハンセン病と交流(むすび)の家」についての講話をテレビと新聞が取り上げました。

2020年07月04日 | ラボ教育センターなど
  もう何回もこのブログに登場していただいている矢部顕さんが、瀬戸内市にある県立邑久高校で授業をされました。「ハンセン病と交流(むすび)の家」についての講話だそうです。この学校では今までに何回か授業を頼まれたということです。このことを地元のテレビが取り上げました。矢部さんのメールとご一緒に生の矢部さんをご覧ください。いい顔されています。
  どうぞ!

●福田三津夫様

昨日、お隣の市である瀬戸内市にある県立邑久高校の「地域学」の
授業で、「ハンセン病と交流(むすび)の家」についての講話を
しました。
「地域学」というのは、なかなか良い試みだと思います。

下記をクリックしていただくとニュースの動画を見ることが出来ます。
https://drive.google.com/file/d/1D0VkdNGqBEATQRYhAzRwsZWm5U6w8zBo/view

矢部 顕

この授業のことが新聞記事になりました。しっかり書かれた記事だということでこちらもどうぞ。

〔280〕144頁立ての鈴木清隆個人誌『模索4』が湯気をたてて届きました。

2020年07月03日 | 図書案内
 鈴木清隆さんから個人誌『模索』が送られてきました。個人誌といっても表紙はカラーで、文中にはふんだんに写真が挿入された贅沢な144頁立ての本です。発行先は『模索』編集室となっていて、どうやら自費出版のようです。(定価700円、『模索』編集室、℡0426-91-4648)
 鈴木さんは私と同世代の小学校教師で、最後は都内で校長先生を勤められました。ことば遊びの実践家として全国に名が轟いていて、『ことば遊び、五十の授業』(太郎次郎社)という名著を出版されています。雑誌『ひと』の編集にも携わったことがあったと記憶しています。私が東村山市で教師をしているときに、児童文化部の講師としてお招きしたことが何回かありました。
 この本には、「御活躍のことと存じます。なかなか情況についていくに到らないのですが、あがいています。福田三津夫様」という添え書きがありました。

●寄贈にあたって
 新型コロナウイルスの感染による世界の死者数累計は、6月8日現在、397388人と
報道されています。死者数は前日比で+4586人という情報も出されています。世界全体
の感染は、いまだ増加途上にあることがグラフによつて示されています。世界の感染者累計
は6799713人だとも報道されています。一人一人の死者にそれぞれの生活があり、希
望、喜怒哀楽があることを想像しようとしても、死者数の多さに圧倒され混とんとしたまま
の像しか残らない状態です。また、ウイルス感染による死にいたる可能性への怖れをかかえ
ながら、人間の尊厳を訴えて香港、アメリカ、フランスなどでデモがつづいています。経済
格差という枠を超えるような絶対的な貧困状態の人々の感染者数の多さも報道されていま
す。研究の進展によって、いずれウイルスを収束させることができるとしても、まだ怖れを
かかえながらの生活がつづいています。皆様はいかがでしようか。
 『模索4』を寄贈させていただきます。混とんとした状況の渦中にあつて、非力ではあり
ますが、身近な生活にたちもどって考えつづけていくつもりです。生半可な思索で恐縮です
が、お手元に置いていただければ幸いです。     2020.6.10 鈴木清隆

●目次
序詞
授業・成蹊大学総合科目Ⅲ レトリック連環の感想
橋本義夫の見た光景4~6
林竹二の遺したことⅡ
気ままな思索2
あとがき

 彼もとうに退職して、悠々自適の生活かと想像するのですが、執筆活動はますます盛んで多彩です。ことば遊びの本3冊の他に、『林竹二 その授業と思想』、さねとうあきらさんとの『対話-児童文学と国語教育をめぐって』、『国語教育における〈意味生成〉論序説』、詩・童謡集『夜なかのかぜがあそんでる』、そしてこの個人誌『模索』が4冊目にもなるのです。
  さて、どこから読みますか。

 そうこうしているうちに、鈴木さんから「御礼」のはがきが届きました。

●『実践的演劇教育論』寄贈くださり、御礼申します。演劇の手法を深めながら日本の教育に切り込まれてきた足跡と、理論的な根拠をまとめられた御著書と感じつつ、読み始めています。実践と生活を御自分の言葉で語ろうと努めてきた、その時間の厚みに敬意を表します。機会があれば様々な事柄を語り合いたいと思いました。御礼まで。

〔279〕バージョンアップした《憲法に「緊急事態条項」を入れる危険》塚越敏雄さんの緊急提言です。

2020年07月01日 | 市民運動
  お馴染みの塚越敏雄さんから、バージョンアップした《憲法に「緊急事態条項」を入れる危険》が届きました。これはブログ〔264〕で紹介したパンフレットの改訂版ともいえるものです。私にもわかりやすいものになっています。鮮明にアップすることが私にはできないので、忸怩たる思いがありますが、どうぞご覧ください。まずは塚越さんのメールから。

●塚越敏雄さんから

  福田三津夫様

 ご無沙汰しております。鎌倉の塚越です。

 私たち「鎌倉K&T」は、コロナ禍のため、しばらく活動を控えていましたが、
6月から、毎週1回の活動を再開しました。
 
 現在、改憲派はあの手この手と策をめぐらし、コロナ禍も利用して、憲法に
「緊急事態条項」を入れる動きを促進しようと、巧みなチラシを作り配布してい
ます。これだけを読んだ人は、「なるほど、憲法に緊急事態条項を入れなければ、
国民の命や生活は守れない」と洗脳されかねません。実に、よくできているので
す。
 
 危機感を感じた私たちは新たなチラシ作りに取り組み、やっと印刷所に送りま
した。裏面は、今年2月に作成したチラシの改定版です。両方とも添付しますので、
お読みくだされば、ありがたいです。