題名に惹かれて入手。前置きが長くて、スパルタの兵士のトレーニングとかローマの軍団の話を引用しています。21世紀の先進国において、「強くならなければ潰される」というプレッシャーが最も作用するのは監獄の中で、20年収監されていた著者が設備も道具もなしに体を有効に鍛え上げるために、交流のあった囚人や看守に学び、本を読み漁って実践したノウハウをまとめたものだそうです。
著者のポール・ウェイドは近代的なトレーニングに否定的な人で、バーベルやノーチラスマシンを「おもちゃ」、ジムでパンプアップしたビルダーの体も「筋肉付けて髪の手入れすら不自由になった」と見下します。この辺は各人のゴールの設定の違いであって、ヴィジュアルな誇張された筋肉やベンチプレスの数字を追い求める人もいるし、囚人として襲われないように「動ける筋肉」を必要としている人もいるので、必ずしもウェイドに全面賛成しなくても本書は役に立ちます。
具体的なトレーニング編の腕立て伏せの進め方、強度の高め方を見れば、このトレーニングが合理的なものであることは十分に理解できます。道具を使わずに、どれだけ筋肉や靭帯、関節などの自然な協調を保ったまま強度を上げられるのか、故障やステロイドの副作用に苦しまずにゴールを達成できるのか、やはり十分な考察と経験がなくては書けない本だと思いました。まだ全部は読んでないので先が楽しみです。訳文も曖昧さがなくて読みやすく、いい仕事だと評価できます。
物置にこんな収納式のピクニックテーブルが4台もありました。
少しずつ仕様は違うのですが、おおむねこんな感じでテーブルと4人分の椅子になります。持ち運びを考慮してあるため、強度は恐らく最低限。体感的にはそれ以下ですね。へなへなして頼りない感じです。
パンタグラフみたいなリンク機構で、テーブルの下から椅子が出てくる仕組み。これはアームが1本外れています。
ここですね。これはまだネジを締めれば元の状態に戻りそう。
こっちは合板製。ただアームの取付部がちゃちな樹脂製で、それが割れています。
ここですね。この種のテーブルセットはとにかく作りが華奢で壊れやすく、それで次々と買い足したら4台にも増えてしまいました。結局、自宅の庭以外でほとんど使ったこともなく、場所ふさぎなので処分することになりました。
こんな頼りない製品でも、解体するとなると相当な手間です。幸い電動ドライバーがあったのでかなり楽をさせてもらいました。へなへなのテーブルセットもしっかりしたセットも、部品点数はほぼ同じで、製造する手間はそんなに変わらないはずですから、もう少し部品の強度を確保して長く使える物を販売したらどうかなと痛感しました。
愛知県の北東で、長野県や静岡県との県境が近い奥三河の設楽町にある関谷醸造の製品。名前は杜甫の詩にある「明眸皓歯(めいぼうこうし)」という美人を表す語句から取ったようです。関谷さんの「蓬莱泉」「明眸」は、どちらも酒屋で見かけたと思いますが、買って飲んだことはなかったんだよね。純米酒の一番安い銘柄に比べるとやや価格が高いのと、やっぱり奥三河に酒処というイメージがなかったためでしょうか。愛知県で酒造りが盛んな地域と言われたら、「國盛(くにざかり)」のある半田あたりを連想すると思います。全国的にはミツカン酢の方が有名でしょうけどね。
リカマン長久手店のご厚意と言うか、半額処分品が出ていたので、いい機会と買い込んでみました。酒屋の保存環境は家庭よりずっと安定しているので、賞味期限内に味が変わるような心配はまずありませんので。
関谷さんの商品説明にもあるように、これは食中酒を狙った造り方ですね。淡麗辛口とは真逆のしっかりした味で、なるほどこれなら味が濃いと言われる名古屋飯にも負けないでしょう。さっぱりした飲み口とか、軽い白ワインみたいな風味がお好みの方には全然向いていませんが、夕餉として酒を楽しむ人には好まれると思います。合う料理としては、やはり火を通したこってり系でしょうね。秋冬にぬる燗で味わうのが一番ではないでしょうか。あっさり1本空いてしまったので、また近いうちに。