ソニーとキタムラカメラの在庫処分に乗って、α200のセットを入手することができました。ほんの数年前まで高嶺の花だったデジタル一眼も安くなったものです。ボディだけの値段なんてコンパクトデジカメと変わらないんですから。
折角ですから覚え書きを兼ねてカメラ遍歴など。私のアマチュアカメラマン(と言えるほど撮ったわけじゃありませんが)としてのキャリアは幼稚園の時に親父のハーフ判カメラを借りて撮ったのが最初だと思います。ハーフ判なんて若い人には通じないですね。昔は写真フィルムが高かったので、35mm判の1画面(36mmX24mm)を半分ずつ使い、撮影枚数を2倍に増やす庶民的なコンパクトカメラが普及していました。普通の35mm判が横長の画面なのに対し、縦長なので家族のスナップ写真には好都合だったでしょうね。
有名な
オリンパスペンもよく使わせてもらいました。確か、レンズ周りに太陽電池をびっしり配したオリンパスペンEEだったと思います。写真を撮っても現像とプリントは親父を経由してカメラ屋に出していたので、つまらない写真を撮ると「もったいない」と怒られましたね。カメラの中身が気になって、何回か途中で蓋を開けてフィルムを感光させたりもしました。
元々は親父がカメラ好きで、バイトで食いつないでいる生物学者という不安定な身分にもかかわらず、クルマとかカメラとか持っていました。質流れ品を手に入れた
ミノルタA-2なんて当時としてはすごい贅沢品で、新入社員がいきなりベンツの新車を買うようなものだったと思います。
多分、我が家ではここからミノルタのカメラを使うようになったのだと思います。当時の生物学教室では、下っ端が顕微鏡写真を撮るのに自前のカメラを使っていたようで、そのために無理してミノルタの一眼レフ、
SR-T101を買ったようです。教授クラスの人はニコンFなどを持っていたそうですが、一眼レフのボディーをを顕微鏡に接続して撮影する場合に必須の
ミラーアップが非常にやりにくいため、現場ではSR-T101の方が評価が高かったと聞きました。(それにしてもコニカミノルタの記録によるSR-T101の定価って、α200ボディの実売価格とたいして変わらないですね。ミノルタがカメラ作るの止めるはずだ。)
中学生になって、世間では
キヤノンAE-1などの高機能AE機に人気が集まっていましたが、我が家は相変わらず豊かではなかったため私も同じSR-T101を買ってもらい、たまたま庭のヒマワリの写真で「子供の科学」の佳作になった以外は家族旅行の記録ばかり撮っていました。いいな、と思って撮影しても、プリントして良かった写真というのは本当に少ないもので、押せば(とりあえず)写るはずの写真も実に難しいものです。
SR-T101の標準レンズは55mmF1.7でした。なぜ焦点距離が半端だったのかわかりません。これに親父の持っている50mmマクロF3.5と300mmF4.5がありましたが、押入れの奥にしまってあり、ほとんど使うことはありませんでした。何で300mmF4.5などという高価なレンズがあったのか?どうも親父がポートレートを撮るつもりで、一般的な100mmや135mmより長いからもっと良かろうと思って奮発したようです。昔からこういう身の丈に合わないことが好きな人で、大学院生の時にはほとんど学長しか持っていない自家用車を買って大学に通っていたこともあります。
SR-T101は10年ほど私のメインカメラとして活躍しました。気軽に使えるレンズが55mm短焦点ではさすがに不便なので、今は亡きサン光機のズームレンズを安く買ったり、サンパックの小型ストロボを付けたりと、それなりに一眼レフのシステムを楽しんではいましたが、やっぱり周りの新しいカメラが気になっていました。不人気のX-1の中古を東京のカメラ屋で見つけて、かなり食指が動いたのですが。
こんな旧式のカメラから
α7700iになった時は、写真が本当に楽になった気がしましたね。同じミノルタでもマウントが完全に違うのでロッコール時代のレンズ資産を継承できないため、新規購入として弟の買ったのと同じキヤノンEOS650(AFは速く快適ですが、ファインダーをコストダウンしたのかマニュアルではフォーカスの山が掴みにくかった記憶があります。)でも良かったのですが、何だかミノルタの方が手に馴染む感じがしたものですから。でも楽に撮れすぎるので考えて撮らなくなった、写真が下手になったというのは弟と意見が一致しました。
αマウントのレンズは標準の35mm-105mmと24mm-50mm、そして100mmマクロと100mmソフトの4本です。これにストロボの3200iとマクロフラッシュ1200AFを揃えたので、特にマクロ系はかなり使えるシステムになりました。家族の記録の主力がデジタルビデオになってしまったので、欲しかった機材を手に入れた割には出番が減ったのが残念です。
小さな子供を連れた外出では荷物が多くなるため、荷物になる一眼レフはどうしても留守番になってしまいます。
動き回る子供が主役ですから、ビデオか写真かと言えばやっぱりビデオが向いていますよね。そうこうしている間に7700iの電池蓋が壊れて使い勝手が悪くなり、また時代はフィルムカメラからデジタルカメラに急速に動きました。最初はフィルムカメラの画質に当分追いつかないと思った私は、ミノルタのフィルムスキャナー、QuickScan35で写真のデータ化を目論みましたが、パソコンの能力不足などの理由で断念しました。
ご存知のように、今ではデジタルカメラの画質がフィルムカメラに追い付き、一部では凌駕しており、また手ブレ防止や画像処理の進化により作画に集中できる環境もずっと整備されました。何より、ブログが私と家族、そして訪問して下さる皆様の楽しみとして続いていますので、手軽にきれいなデジタル画像が欲しいという要求が今までになく強くなっています。
2008年9月に導入したニコンS520で手ブレはほぼ解消し、失敗写真が少なくなりましたが、携帯性優先のコンパクトカメラなので動く被写体に弱い(ファインダーがない!)とか外付けストロボが使えない、レスポンスが悪い、接写に弱いという弱点があり、どうせならデジタル一眼レフと思っていました。
これで昔の一眼レフより安くなったα200を買わない理由は何もなく、数ヶ月値段の推移を観察した後で購入に踏み切ったものです。α350などに比べると画素数が少ないですが、ブログに載せることを考えると多すぎるのも使いにくいため、1000万でちょうどいいと思います。実に12年ぶりのαなので、また今度も擦り切れるまで働いてもらうことになりそうです。