いーなごや極楽日記

極楽(名古屋市名東区)に住みながら、当分悟りの開けそうにない一家の毎日を綴ります。
専門である病理学の啓蒙活動も。

新生科学館へ

2011年08月08日 | 極楽日記(日帰り)

 名古屋市科学館でも恐竜展を開催しています。新しくなってから初めての訪問です。

 巨大なダシアティタンはとてもカメラに収まりません。会場が福井県恐竜博物館に比べて狭く、暗いのも大きな原因です。旧科学館と比べて面積はたいして変わっていませんから、呼び物の巨大プラネタリウムが脚光を浴びる反面、こうした企画スペースは手狭な感じがします。安易に建築面積を増やすのも賛成できませんので、こうした臨時展には戸外のスペースを使ったらどうかと思います。科学館の位置する白川公園は名古屋市の管理する都市公園であり、科学館と名古屋市美術館が中心施設ですが、緑地と若干の空き地があって、サーカス公演などに貸し出しています。サーカスのテントが設営できるのなら、仮設建築で一時的に科学館や美術館の展示スペースを増やすことに何の問題もないでしょう。

 フラッシュが後ろまで届きませんね。福井ではレプリカ展示が主体のため館内がかなり明るかったのですが、この「黄河恐竜展」は本物の骨格標本なのだと思います。劣化を防ぐため暗くなるのは仕方のないところです。

 子供にとってはレプリカだろうが本物だろうが気にならないかな?

 福井の恐竜博士が名古屋まで出張していました。

 こちらは常設展示。新生なった理工館です。日本が世界に誇る地球深部探査船、「ちきゅう」の精密模型。本物は全長210m、5万6千トンという巨船です。日本の海洋探査は世界水準であり、それなりに巨額の予算が投じられています。

 しかし「ちきゅう」とは関係がないものの最近では研究グループが太平洋で地上の1,000倍という巨大なレアメタルの鉱床を発見するという快挙がありました。これは単に学問上の業績と言うだけでなく、それまでほぼ独占に近いレアメタル輸出国として横暴な振る舞いが目立った中国が、この発見を機に態度を軟化させ、日本と諸国へのレアメタルの安定供給に貢献したという実益もあります。科学技術の振興はすぐに利益になることを意図していませんが、中長期的には産業の発展を大きく左右します。これはその貴重な実例です。

 特に海洋開発や地下資源の探査は大きな実益が見込まれる領域であり、ばらまき的な地方の公共工事よりも、学術的な探査に予算を配分することは考慮されていいと思います。有効な利用の見込めない「おらが高速道路」や日韓トンネルより、広大な海洋地殻の探査の方が将来の日本経済に貢献するように思いますが、どうでしょう。マンガン団塊やメタンハイドレート、今回のレアメタル鉱床みたいな大発見は簡単じゃないでしょうけどね。

 比重の違いを体感する実験。さすがに1Lでもタングステン(比重19.3)は重い。主要金属では最も重く、金とほぼ同じ比重です。さすがにこんな実験器具に金塊は使えません。タングステンは高くなったとは言え1kgで4,000円程度。金ならグラムで4,000円以上なので3桁も違います。

 振動の実験です。旧館にもありました。

 竜巻の発生をシミュレートします。前のよりずっと大きくなりました。

 これは懐かしい。昔の実験器具がそのまま使われています。

 生命館は化粧直しだけなので、旧館の設備がそのまま。

 旧館で人気のあった水ひろばもリニューアル。子供は水遊びが好きですから。

 「なつかしのてんじ」とある狭い一角は、科学館の長い歴史を物語るもの。半世紀に渡り、子供の科学に対する興味を啓蒙してきた自負が感じられます。立派なことです。

 旧理工館が開館した1964年当時からある蛸の模型。地味な展示ですが、往時を思い出す人も多いでしょう。
コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« スイカが取れました | トップ | リョービAK-6000 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

極楽日記(日帰り)」カテゴリの最新記事