最初に彼を見たのは パリのカフェだった
フランス人で戦争の英雄だった彼
でも、 戦争は終わった
平和になると 英雄たちは無用の長物
安物の勲章のほかには 何も持っていない
今では毎夜 同じカフェに姿を見せて
ご婦人方の間をうろつきまわる
「レディー、私がお気に召したなら
どうぞお相手として雇ってください」
ただのジゴロさ どこに行ってもオレは
オレが何をやってるか みんな知ってる
毎夜誰かを誘惑して
ダンスの相手をしちゃ金をもらい
恋愛ごっこの相手を務める・・・
だけど時は流れ
いつかは若さを売れなくなる日が来る
そしたらみんな言うだろうさ
アイツは人生に置き去りにされた
ただのジゴロだよって