元・還暦社労士の「ぼちぼち日記」

還暦をずっと前に迎えた(元)社労士の新たな挑戦!ボチボチとせこせこせず確実に、人生の価値を見出そうとするものです。

介護施設で夜10時30分までの勤務は特定健康診断(6月に1回)の対象になる??

2018-09-28 15:07:30 | 社会保険労務士
 業務の常態として一定回数以上勤務するなら対象、ただし30分でも深夜にいれば深夜は深夜としてカウント!!

介護施設における交替制勤務では、準夜帯といって午後10時までの勤務とかよく聞く例であるが、これがさらに10時半までの勤務とした場合は、安全衛生法の健康診断はどうなるのであろうか。

 一般には、日中に働く従業員であれば、規定の健康診断を1年に1回行えばよい。しかし、午後10時から10時半までの30分間の勤務時間は、深夜業務である。というのは、午後10時から翌日朝の5時までは、労働法上は深夜とみられていて、よく言われるのが深夜勤務として、割増賃金の2割5分増となる。それと同様に、この負荷のかかる深夜勤務であることから、労働安全衛生法上は、「特定健康診断」といわれ、6か月に1回づつ行わなければならないことになっている。ここで対象となる業務は「深夜業務を含む業務」となっており、たった午後10時からのわずか30分であるが、深夜勤務は深夜勤務にかかっているということになるわけである。ただし、健康診断項目は、1年の一般的な健康診断と同じ項目でよい。(胸部x線検査、喀痰検査は1年に1回で可)

 しかしながら、「深夜業務を含む業務」とは、業務の常態として、深夜業務を1週に1回以上、または一か月に4回以上行う場合に、この「特定健康診断」を行えばよい(昭23.10.1基発1456号)とされている。

 したがって、これを超えない場合は、1年に1回でよいことになろう。
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介護労働実態調査結果H29=賃金改善は意外と知られてない障害福祉にも処遇改善加算報酬あり

2018-09-20 09:55:47 | 社会保険労務士
 (公財)介護労働安定センターが調査した「介護労働実態調査結果」から見えてきたもの

※ まずは、訪問介護員・介護職員に関する調査票の概要について 
 1、訪問介護員、介護職員に係る採用・離職の割合   採用率17.8% 離職率16.2%
 
 2、従業員が不足しているのに採用が困難な理由    他産業に比べて労働環境がよくない 55.9%
                           景気が良いため介護業界へ人材が集まらない44.5%
                           同業他社との人材獲得競争が厳しい    56.9%
 
 3、平均年齢                    訪問介護員 54.0歳 介護職員 44.3歳
 
 4、従業員の仕事の考え方 現在の仕事を選んだ理由  働き甲斐のある仕事だと思ったから 50.1%
 
 5、 同      仕事の満足度(満足・やや満足) 仕事の内容・やりがい       53.3%
 
 6、 同      仕事に対する希望        今の仕事を続けたい        53.8%
                           今の仕事以外の他の介護職種の希望 23.6%
                           (訪問介護員、サービス提供責任者、生活相談員、介護支援員等)

 7、勤務先に関する希望               今の勤務先で働きたい       56.9%

 8、労働条件等の悩み                人手が足りない          53.0%
                           仕事内容のわりに賃金が低い    39.6%

 9、介護関係の仕事をやめた理由           職場の人間関係に問題があったため 20.0%
                           結婚・出産・妊娠・育児のため   18.3%
                           法人事業所の理念運営の不満    17.8%

※ ここから見えてくるものは、仕事に使命感をもって介護業界に入ってくる人が多いことです(4より)。そして、そのとおり、仕事にやりがい・生きがいを感じて仕事をしている方が多いということです(5より)。いまの仕事を続けたい、さらに同じ介護の他の職種もやってみたいという方も多くいます。(6、7より)

 しかし、辞めていく方もいるようで(1より)、その理由は、結婚・出産等は他の業界でも同様でしょうが、職場の人間関係に問題があったが2割、法人事業所の方針等に不満があったも2割弱います(9より)。上記データには出していませんが、仕事の満足度に「職場の人間関係」「職場環境」も上位に来ているところから見ると、人間関係は、仕事の満足度に良い影響を与える一方で、問題となり退職する理由にもなっています。思うに介護業界にあっては、より密な人間関係を結ぶことから来ているのかなと思われます。意外と多い「法人・事業所の方針等の不満」には、従業員・経営者がとことん話し合う姿勢しかないようですが・・・。

 平均年齢は、見ての通り、若い人が入ってくる状況にはないようです。もっと多くの若い方の参入をお願いしたいところです。(3より)

 最後に、事業者からは、人手がたりないのに採用できない理由としては、介護業界への人材が集まらない(2より)との声が聞こえてくるようです。、仕事の割には賃金が相当でないこと(8より)が一要因にはなりそうですが、現在、介護報酬の中に、介護職員処遇改善加算(いうならば、介護職員に対する賃金の上乗せ分)があります。職場の環境要件の改善に応じて、最高ランクの加算1から加算5までありますので、最高ランクのⅠ以外の職場では、より上の加算を目指してがんばってみられることをお勧めします。

 さらに、現場を回って見て私が感じたところですが、介護と障害福祉の両方の事業を行っているところで、障害福祉の報酬の中に、この加算と同様の加算があることには気がつかなかった事業所もいるようです。申請の方法もほとんど変わらないようですので、介護報酬が少ないからといって、申請しない事業所もあるようですが、両方合わせると結構な額になるかも知れません。一度検討することをお勧めします。
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