元・還暦社労士の「ぼちぼち日記」

還暦をずっと前に迎えた(元)社労士の新たな挑戦!ボチボチとせこせこせず確実に、人生の価値を見出そうとするものです。

夜勤明けの日は、労働日であって、休日ではない。

2018-06-30 11:14:23 | 社会保険労務士
 休日は暦日で捉えるので、休み明けの日は朝方働いており、その日は労基法の休日(≠労働日)ではない
 
 介護保険の委託を受けて、グループホームを回り管理者とお会いしなければならないときに、めぐり合わせが悪いのか、今日は、管理者は、昨日から泊まりの仕事だったので、今日はお休みですという。明日も明後日もお休みですという。

 えっ、週休3日なのかと思いきや、週休2日であるという。実は次のような1か月の変形労働時間になっていたのである。
 日中の8時間労働という一般的なもののほかに、前日からの夜勤がありこれが16時間労働であってこれが月に4回組まれており、具体的には前日の16時に勤務開始、翌日(=私が訪問したのはこの日であり、先ほどの話では「今日」である。)の朝9時に勤務終了になっている。途中1時間の休憩があるから、継続16時間の労働であることになる。

 翌日は「夜勤明け」であり、朝は9時までは勤務していた。私が訪問したのは9時過ぎだったので、先ほどまでは、勤務していたのであるがということになる。なんぼ、日中に勤務していないからといっても、その日はその労働者にとって休日ではない、いわゆる「夜勤明け」といわれるのもので、午前0時から午後の12時までの継続した、暦日の一日の休みでないと労働基準法の休日にはなりません。その日は既に前日からその日の9時まで働いているわけですから、その日は労働基準法の休日にはならないわけです。

 「夜勤明け」のその翌日から週休2日の「休日」を取ると、さも週休3日のようではあるが、そうではないのである。

 この夜勤にあっては、継続16時間勤務であるが、一か月変形労働時間であって、月単位で平均週40時間になればいいので、一日に8時間を超えていても(日にちを超えて働くことになるが、この場合は前日からの継続勤務の16時間が、「前日」においての「一日の勤務」となるので、一日の8時間はゆうに超えている。)、月に4回の勤務であるので、うまく月に平均週40時間の枠にはまり、時間外勤務とはならない。
 
 なお、労基法は、週に1回、または4週で4回の休日を与えることとされている。以上は、その場合の休日であるかどうかの話しである。
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医療機関の時間外申請には一工夫も考える!!

2018-06-19 14:23:35 | 社会保険労務士
 自己研さん・勉強会等の理由を時間外勤務申請に記入する方法

 タイムカード・ICカードで残業時間を管理している事業所は多いが、所定の労働時間以外に、事業所に残って何かをしているという場合には、その時間が時間外労働時間なのか、単なるおしゃべりや休憩をとった時間なのか、分からない。

 特に、病院等の医療機関においては、何か「研究」をしていた時間なのか、患者のための「勉強時間」なのかも不明で、本来、労働時間ならば、使用者の指揮命令の下に動いている時間をいうのだろうが、その区分がはっきりしないことも多い。

 そこで、<※*注>坂上和芳氏は、時間外勤務申請を出す際に、次のように業務に限らず、時間外に病院にいるための内容として、次のように区分するよう提案している。
 1、時間外業務
 2.自己研さん
 3.勉強会
 4.休憩
 5.自己準備

 ここで、1の時間外業務以外では、基本的に割増賃金の対象となるのは、3.の勉強会である。2の自己研さんでも、上司の判断で業務の範囲内ということで時間外業務にすることも考えられる。

 このように時間管理をすることで、時間外労働が長時間になる職員を管理するだけでなく、職員ごとに、時間外労働・自己研さん両方ともあわせて多いのか、自己研さんだけが多いのかなど、職員のそれぞれの働き方も分かり、どうしたら時間外労働につなげられるかの資料にもなるという。

 むしろ、職員自体が自分は今どういうことで残っているのかを自覚する意味において、非常に重要であろう。

 <※*注>働きやすい職場をつくる医療現場簿労務管理 社会保険労務士坂上和芳著 秀和システム p41~43 
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医療機関で患者の対応で休憩が取れなかった場合には

2018-06-10 11:39:49 | 社会保険労務士
 基本は職員を休ませることなので他の時間にも休憩を取らせるのが原則

 病院やクリニックの医療機関においては、重症患者が運び込まれたときや患者の容態が急に変わって全職員で対応しなければならないなど、休憩時間を取る時間もない場合もあります。

 けれども、固いことを言うようですが、労働基準法では労働時間が8時間を超えるときは1時間の休憩(労働時間が6時間超~8時間未満のときは45分の休憩でOK)を取らなければなりません。一般的には、休憩時間はAさんは何時からとか時間が決めれられているようですが、休憩時間が取れなかった場合には、仕事の状況に応じて、他の時間でも休憩時間を取らせなければなりません。決めれられた休憩時間に取れなかったからといって、そのまま休憩を取らせないことは、労基法違反と言わざるを得ません。それより、休憩が必要なのは職員を休ませミスを防ぐことにありますから・・・。まずは、休憩が取れなかったときは、①他の時間に休憩を取るということが原則となります。30分+30分の2回の休憩で1時間の休憩でも構いません。
 
 その上で、②どうしても休憩が取れなくて、そのまま勤務した場合には、取れなかった時間は時間外勤務となりますので、法定労働時間を超えた分は割増賃金を支給しなければなりません。

 この場合の時間外勤務申請の仕方ですが、理由としては、休憩が取れなかったゆえを記入することです。終業時間から1時間の残業をしたように書くのは、そうはしてはないのでむしろおかしいので、正確に「休憩が取れず」と申請すべきです。

 なお、休憩時間の原則には、一斉付与の原則がありますが、労基法上、医療機関は13号事業所(保健衛生業)として、一斉に休憩は与えななくてもよく、バラバラでも認められていますので、労働組合等や労働者の代表者と協定を結ぶ必要はありません。
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残業・夜勤なしの条件で雇用された看護師に必要なときの助けを求めることができるか?!

2018-06-03 16:03:54 | 社会保険労務士
 看護師の同意を得られればOKだがしょっちゅうになると何らかの対応を・・・・

  最近では、医療機関の労務管理においては、正職員かどうかよりも、常勤か非常勤かどうかという視点も大きくなっていると聞きます。確かに、子育てを終えて、看護師の資格を活かして、再就職するときには、家の都合などから、非常勤というある程度、自由の利く勤務態様を選ぶこともあるかもしれません。
 
 そこで、非常勤職員である場合に超過勤務がないという条件で採用されることも多くなることになります。しかし、外来の場合は、患者さんが多い日には、その日の診察を終えなければならないので、どうしても時間外勤務の必要が生じてしまう。同じことは、病棟でも、夜勤なしという条件で雇った非常勤職員にも、どうしても業務の都合や職員の急な欠勤で、夜勤を割り振ることができないかということになる。外来や病棟の婦長はどうしたらいのかと思案することになります。
 
 この場合、基本的には、いつものことになると超過勤務や夜勤の要員を補充することが望ましいのだが、たまたまどうしても必要性が生じた場合には、法律的には、結論から言えば、本人の同意を得れば、残業も夜勤もさせることは可能です。

 もちろん36協定や就業規則で時間外を行うことが書かれていることが前提ですが、就業規則で時間外命令を行うことができるということが周知されていたとしても、就業規則とは異なった「残業なし」「夜勤なし」という契約(=労働者に取って有利な契約)を結んでいた場合は、そちらの方が優先されます(労働契約法7条)ので、その非常勤看護師には残業・夜勤の命令はできません。

 しかし、本人の同意を得れば、もともとあった36協定や就業規則により、時間外命令や夜勤の命令ができることになります。

 本来、非常勤職員は、様々な都合で、「残業なし」「夜勤なし」という条件で雇用されているものと思われます。いつもいつもののことであれば、組織体制上、事務部に何らかの措置をお願いしなければならないでしょう。しかしながら、現場では、そこのムリは承知で頼まざるを得ないこともあるかと思われます。もちろん、事務部にそれら契約の特例などを確認しておくことは当然の前提です。また、人のいい人であれば、了解してくれることもあるでしょうが、その人ばかりに頼っていても、せっかく入った職場なのに「残業なし」等の条件が生かされない職場であることから、辞めていく原因になるかも知れません。
現場の婦長さん、非常にむずかしい立場におかれますね。がんばりましょう。いまは、多様性のある職場が求められていますので、事務部を含めた病院全体で考えていく必要もあるかもしれません。(何十年前の医療現場にいたものよりのエール)

 *労働契約法7条 労働者及び使用者が労働契約を締結する場合に、使用者が合理的な労働条件が定められている就業規則を労働者に周知させていた場合には、労働契約の内容は、その就業規則で定める労働条件による。
 ただし、労働契約において、労働者及び使用者が就業規則の内容と異なる労働条件を合意していた部分については、第12条に該当する場合(締結契約の内容が就業規則の基準より低い場合は、高い方の就業規則による。)を除き、この限りではない。⇒すなわち、個別の労働契約の内容の方が就業規則より上回っているときは、個別の労働契約の方が優先する。
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