元・還暦社労士の「ぼちぼち日記」

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経過的寡婦加算の対象はなぜ昭和31年4月1日以前生まれか!!

2015-09-18 18:31:13 | 社会保険労務士
経過的加算+65歳からの老齢基礎年金が65歳未満に支給されていた中高齢寡婦加算の額に等しくなるように計算支給される

 子のない妻、あるいは子のある妻であっても子が18歳到達年度の末日等を過ぎると遺族基礎年金は支給されなくなり、その代りに、40歳以上65歳未満の妻には、一定の場合に、遺族厚生年金にプラス中高齢寡婦加算が付くことになる。この額は、「遺族基礎年金=(イコール)老齢基礎年金満額」の4分の3に相当する額である。(→780,000円×3/4=585,100円 H27年度価格)

 ところが、65歳になり、妻自身が老齢基礎年金を受けられるようになると、さすがにこの中高齢寡婦加算は加算されなくなります。しかしながら、この老齢基礎年金は、原則的には納めている納付済期間などに応じて支給額が決まってきますので、納めていない方には、それ相応の減額された老齢基礎年金になるのは、仕方がないにしても、制度が新設された昭和61年4月1日に30歳以上の者は、20歳~60歳の40年の加入義務期間のうち、30年しか納付・加入できないことになる。老齢基礎年金は、今言ったように昭和61年4月1日から実施され、20歳以上60歳未満の40年間がまるまる納付済期間である場合に、満額の老齢基礎年金(780,000円 27年度価格)が支給されるのであるが、昭和61年4月1日に30歳以上の者は、30年しか加入できず、満額に 30年÷40年を乗じた額(780,000円×30年÷40年=585,100円 H27年度価格)未満の支給となる。

 すなわち、昭和61年4月1日に30歳以上の者は、昭和31年4月1日以前生まれの者になるのであるが、30歳からいくら保険料を納付したとしても、満額の老齢基礎年金4分の3未満しかもらえない計算になる。

 とすると、昭和31年4月1日以前生まれの者は、今まで中高齢寡婦加算が「老齢基礎年金の満額」の4分の3支給されていたものが、65歳になり老齢基礎年金をもらうようになると、額的には老齢基礎年金の満額の4分の3未満となり、もらえる額がすくなくなってしまうのである。この差を埋めるために、生まれた年に応じて、経過的寡婦加算が支給される。ゆえに、経過的加算の額は、65歳からの経過的加算+生まれ年に応じ加入可能な納付済期間とした場合の老齢基礎年金=(イコール)65歳未満の中高齢寡婦加算 となるように、生まれた年に応じて、経過的加算の額が決まるのです。

 結論的にいえば、経過的加算の対象者は、1、昭和31年4月1日以前生まれ かつ 2、中高齢寡婦加算の要件を満たしていた遺族厚生年金の受給権者であって、65歳に達した者である。(さらに、これに加えて、遺族厚生年金の受給権を取得したのが、65歳以上の場合という遅くに受給権を取得した者をも含まれることになる。)

 ちなみに、昭和31年4月2日生まれ以降は、当然であるが加算額なしであり、さかのぼって、昭和30年4月2日~昭和31年4月1日の生まれの方は、19,500円、さらに昭和25年4月2日~昭和26年4月1日生まれは、117,000円であり、昭和2年4月2日~昭和3年4月1日生まれは、555,100円とだんだん増加され、昭和2年4月1日以前生まれの場合は、中高齢寡婦加算の額585,100円(いずれの額もH27年度価格)と同じとなります。

<妻の遺族年金は基礎年金・厚生年金・中高年加算のうまい連携で> 



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