三昧日記

小心者川筋男の後悔日誌

三兎を追って三兎を得る

2020-12-30 09:31:56 | 日記
過日つぎの3冊:
 レ・ミゼラブル
 自転しながら公転する
 Les Misérables
を年内に読み終えるとお約束しました。

約束どおり読み終えたことをご報告します。

最初に読み終えたのは「自転しながら公転する」でした。
この小説は読みやすく,すいすい進みました。誤解を恐れず言うと,
「軽い読み物」ですね。
ただ一つ,おやっと思うことがありました。それは「今日私は結婚す
る。」という書き出しで始まるプロローグです。「私」というのをこ
の物語の主人公都(みやこ)のことだと思い込んで本文を読み進みま
した。しかし,エピローグでひっくり返されました。何と,結婚する
のは都の娘でした。本文の終わりからエピローグまでの約20年間は完
全に省略されていたのです。プロローグとエピローグは一体のもので
した。

レ・ミゼラブルはさすがに読みごたえがありました。会話が少なく,
各ページは活字でびっしり埋まっています。しかも,ジャン・ヴァル
ジャンとは直接的には無関係の記述・説明が多いのです。もちろん,
物語を進める上で知っていた方がいい背景となっています。でも,そ
れが長くて,くどくて。同じことを言葉を替え,表現を替え何度もこ
れでもかこれでもかと書かれています。まったく閉口します。
それでも,最終部分は感動的ですね。この部分のためにそれまでの記
述があったのだと思えました。

英語版の Les Misérables はさすがに中学校2年生程度の英語ですから
ほとんど難なく読めました。超短縮版ですから,やはり物語の展開が
物足りませんね。
読んでいて一か所おやっ思う箇所がありました。

✓をつけている個所です:
All this time Jean Valjean stared at the bishop, and said not one word.
not の使い方が気になったのです。文章の流れからは特別意識するこ
なく理解できます。しかし,ちょっと引っかかります。動詞+not の
ように見えるからです。and said no words とか,and did not say even
one word のような表現の方が一般的ではないでしょうか?
まあ,英語の得意でないわたしがとやかく言うことはないでしょう。
何しろ,ネイティブの人が書いたものですから。

さあ,来年は何を読もうか?