雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

思い出のとき修理します

2013-10-20 20:13:10 | 

谷瑞恵著"思い出のとき修理します"を読みました。
こういう穏やかな話は好きです。
仁科明里は仕事や人との付き合いに疲れ子供のころ
一夏を過ごしたことのある町へ引っ越してきました。
昔の活気のある町の雰囲気は今はありません。
閉店した店が多いさびれた町となっています。
"思い出のとき修理します"という看板を出している
飯田秀司と、神社に住んでいる太一という大学生と
知合います。
秀司は時計の修理を仕事にしています。
かつてはスイスで時計作りをしていたそうですがわけ
あって戻ってきました。
明里はかつて祖父母だと慕った人達の家を借りて
住んでいます。
その家は美容院でした。
明里は大人になって美容師になりました。
現在は美容師はやめてアルバイト生活をしています。

太一や明里は時々秀司の家で朝ごはんをご馳走に
なります。
秀司は穏やかな技術屋さんで太一は元気でずうずう
しいけど憎めない若者で明里は自身喪失している
女性です。
秀司には兄がいましたが秀司と車に乗っていた時に
事故死しました。
兄が弟に対してわだかまりを抱えていました。
兄が死んでしまったため秀司はすっきりと生きて
いけなくなりました。
明里は一夏をいっしょに過ごした祖父母だという
人達のことが忘れられません。
実際は関わりのない人達だったのですが説明不足の
ため祖父母と孫として楽しい時を過ごしました。

静かな幸せが漂っているような話でした。
明里と秀司は付き合い始める雰囲気です。