小説家、精神科医、空手家、浅野浩二のブログ

小説家、精神科医、空手家の浅野浩二が小説、医療、病気、文学論、日常の雑感について書きます。

医者同士の嫉妬

2010-06-08 03:39:21 | 医学・病気
医者同士の嫉妬。これは研修病院で感じた事だが。医者同士の嫉妬というものがある。自分がある患者の主治医になって、患者も医者を信頼すると、良い医者、患者関係が出来る。この時、医者はいい気分である。患者が自分を信頼してくれるというのは、嬉しい。しかし、そこに、別の医者が出てきて、患者が、その自分より、その医者の方を、より信頼するようになると、嫉妬の感情が起こるのである。これは患者が、素直な性格の患者だとか、容貌がいいだとか、そんな事は全く関係ない。これは医者としての自分の能力、人格において、患者が好む医者に対する嫉妬である。患者は、自分を治してくれる医者だけを求める。そして、こういう事は、大学病院、総合病院、個人クリニックに関わらず、医者をやっている限り、ついてまわる問題である。医者はある程度、能力、技術が身について、自分に自信が出てくると、こういう事に悩まされることになる。勿論、すぐに白旗をあげてしまうのは良くないが。大切な事は、自分の能力を過信しすぎずに、自分に手に負えない患者に対しては、患者離れが出来る医者になるということである。
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