織田大戦記〈10〉 学習研究社 このアイテムの詳細を見る |
東西両軍の和睦により挟み打ちにあうことになった織田軍は、西軍の抑えとして佐和山城に竹中半兵衛を5千の兵とともに残して岐阜城に戻ります。
ここへ黒田官兵衛の率いる西軍3万が襲いかかり、半兵衛と官兵衛の最終決戦の火ぶたが切って落とされます。
一方、徳川家康が率いる東軍は10万もの軍勢で岐阜城を攻めますが、ここに織田信衡の究極の戦略が炸裂して物語は最終局面へと向かいます。
驚きました。
まさか最後にこれだけ中途半端な結末が待っているとは、まるで馬鹿にされているかのようです。
織田信衡という人物を取り上げた慧眼には敬服しますし、序盤の活き活きとした人物描画に心躍らせて読み進めていただけに、途中で感じ始めた不安が最後の最後で現実のものとなってしまったのが残念でなりません。
九州や東北で中途半端に巻を重ねたことが大失敗で、もっと織田信衡を中心とした人物の活躍に重きを置くべきであったと思います。
筆を起こした時点で全体のシナリオを考えていれば素晴らしい作品となったと思われますが、どうも行き当たりばったりで思いつくままに書き連ねたとしか思えません。
それでも途中までは面白い作品でしたので作者に力量があることは間違いなく、次回作では今回のような尻切れトンボにならないよう願いたいところです。
2008年4月6日 読破 ★☆☆☆☆(1点)
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