中二な中年の備忘録

備忘録なので大した内容はありません。
たまにちょっと多めに語る時があります。
競馬の話題の時はさらに饒舌になります。

本命は外したが

2017年09月17日 23時15分31秒 | ぶらり、城西
2017.8.26の回顧録

たいやきひいらぎ→GALERIE Malle(鳥トリとり展)→角煮酢豚麺ゆきふじ(昼食)→神保町画廊(七菜乃個展)

一つ“トリ”というテーマでも、作家さんによってアプローチが様々で面白いね。出展されていた5人さんの中では、ゴム版画で臨んでいた野見山響子さんの作品群が、一番刺さったかな。
七菜乃さんの写真展は、彼女のプロフィールがああいう体裁にさせるのか、それとも世の規範としてああいう体裁にせざるを得ないのか。ともかく、個人的には、原美の紀信さんの写真展と、同一ベクトルなんだがなー。まあ、こういう専門の画廊があり、作品集を扱う書店がありっていう辺りが神保町の懐の深さだし、そこが安心できる所なんだけどね。
一際クリスピーなひいらぎさんの鯛焼きだが、夏場の名物の鯛焼きソフトは、結果ミスマッチなのではないか。味の問題ではなく、ソフトに突っ込んでるから、そこのクリスピーさが損なわれるのは、大きな減点ではないかと。味的にも、ソフトの存在意義は、餡子の甘さを円やかにしてくれる点だけだしね。食べ進めてたら、ソフトに突っ込んでた頭が真っ二つに割れて餡が飛び出して、なんか遊星からの物体Xを想像してしまった。
ゆきふじさんは新機軸だったねー。辛さも、今までのどの辛麺とも違って、口先舌先が少しヒリヒリするだけで、余り汗もかかないし、胃が熱くもならないの。薬膳的な味わいが前面に押し出されている分好みは分かれそうだけど、体験してみる価値はある一杯だと思った。
チェがチェッ!でガッカリだったけど、他をゆっくり回れたので、まあ良し。


野見山響子さんのページ
たいやきひいらぎのページ
角煮酢豚麺ゆきふじのページ

「燃えつきた地図」鑑賞

2017年09月17日 22時08分35秒 | ぶらり、城西
2017.8.19の回顧録

ラピュタ阿佐ヶ谷「燃えつきた地図」→麵処直久

まず軽く予習をして、作品鑑賞の後、改めて復習。観た直後は難解に感じたけど、ここまですれば、ある程度は把握できるね。コミュニティの再構築と、それに伴う社会における関係性の変容を、かなり冷めた目で見ていたのは、流石の先見性というか理知の成せる業といった所になるか。何せこの作品自体が、私が生まれる前の作品だからね。そんな人だから、もし生きていたなら、今のネット社会の、癌細胞のような有機的、無尽蔵且つ無軌条に拡張していく様は、面白がって観察・批評していたかも知れないね。何せ、文豪使って作品書いてたり、プライベートでシンセ持ってたような人だから。ただ、それを作品に起こしたり、メディアで語ったりしたかどうか。社会に対してもトンガッてた人だから、表現のための言葉がどんどん薄っぺらくなっていく世間をとっとと見限って、それこそ最初期のSNSを活用して、気儘に語り尽してたんじゃないかな。
ただ、映画作品は、勅使河原宏と武満徹という、日本アアヴァンギャルドの錚々たる面子と組んだ割には、そこまでアヴァンギャルドになっていなかったのは、多分当時の映画業界のせい。制作で組んだのが大映と勝プロだから、そこまで難解なものには出来なかったのではないかと推測。勝新なんて、最後までちょっとカッコイイハードボイルドしちゃってるしね。まあそれでも、大手興行主が付いてるだけマシな方で。今なんか、こんな難解というか、起承転結の体を成していない映画なんて、大手は見向きもしないだろうし、まあ頑張った所で、単館系でせいぜい半月って所がオチでしょ。ま、今なら本人が、映画化を拒絶するような気もするけど。
で、一番残念だったのは、場。前売りなしの窓口のみっていう風になってたけど、実は会員には、別のルートがあるんじゃないの?と勘繰りたくなるような人の入りだったよ。しかも、先に入場した人達が、かなり好き勝手に場所取りしてたせいで、ちゃんと窓口で買った人の中には、かなり不自由な席を宛がわれた人もいたみたいで、あれじゃ一見には勧められないよ。見た所、それしか楽しみがないような年配の方も目立ったけど、迂闊な席宛がって、2時間余りろくに動けない状況に置いたら、エコノミー症候群で死ぬ人とか出たりしないかが心配。そういう方々は多分、アヴァンギャルド云々よりも、往年の名優に会えるっていうノスタルジーで来てる人が多そうだしね。
他の館薄々感じてはいたけど、ともかく、ああまで会員を優遇しないと成り立たないのだとしたら、そりゃ名画座無くなるわ。シネコン全盛になる陰に、名画座の自爆があったって訳かな。アニメが頭打ちになったら、また斜陽産業に逆戻りしそうだわ、こういうちょっと変な状況が続くようだとね。