鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代前半のオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその1067~ザイツの図鑑

2015-06-10 12:35:59 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、ザイツの図鑑です。

ついにザイツの図鑑を注文してしまいました。
届くのがとても楽しみです。

ザイツの図鑑については以前も書きましたが、一般的ではないので改めて書きます。

ザイツの図鑑は、世界で一番有名な蝶の図鑑といわれており、流通価格が高いことでも有名です。
図版は10~14色を使った多色石版、その美しさは高く評価されています。
まさにマニア垂涎の図鑑です。

科学と芸術が力を合わせた美しい図譜が大好きで、多色銅版や多色石版の図譜をこれまでいろいろ鑑賞してきました。
ザイツの図鑑は1冊10~20万円が相場なので、1冊まるごとの入手は最初からあきらめていました。
以前図版ページが一部抜けたザイツ図鑑がネットオークションに出たときも、高値が付き、途中であきらめました。
最近はお気に入りの図版ページ1枚だけでもいつか入手したいものと、時々ネットを覗いていました。

そうこうしている内にザイツ図鑑について知ったことは次の通りです。

・本書の正式名称は、世界の大型鱗翅類
・全19冊(追補含む)で、100年ほど前に独英仏の3ヶ国語で同時出版された
・その内訳は蝶5冊、蛾14冊
・蝶の巻のサブタイトル
  第1巻 → 旧北区の蝶類、1909年発行、図版89ページ
  第1巻の追補 → 旧北区の蝶類、1932年発行、図版16ページ
  第5巻 → アメリカの蝶類、1924年発行、図版203ページ
  第9巻 → インド・オーストラリアの蝶類、1927年発行、図版177ページ
  第13巻 → アフリカの蝶類、1925年発行、図版80ページ 
・旧北区(きゅうほっく)
  動物地理区の一区分
  ユーラシア大陸のヒマラヤ山脈以北の領域(東アジア、中央アジア、ヨーロッパ)と
  アフリカ北部(サハラ砂漠以北)
  日本は、屋久島と奄美大島の中間にあるトカラ列島辺りを境に、北が旧北区、
  南が東洋区に分かれる
  旧北区の気候帯には、亜熱帯・温帯・亜寒帯・寒帯がある
・日本と英語圏では蝶と蛾を区別しているが、ほとんどの国では区別せず
 鱗翅目としている
 英語圏ではさらにセセリチョウの種類をスキッパーズと呼び、バタフライやモスと
 区別することがある
 また蝶と蛾の区別方法は、正解が無く、常に例外が存在してあいまい
 本書は英語圏でも同時発行したため、蝶と蛾の巻を分けたのかもしれない
・日本の鱗翅目は3500種といわれ、その内、蝶は7%ほどの250種にすぎない
 世界でみるとさらに蝶は少数派で、鱗翅目の3~5%しかいないといわれている
 なるほど。どうりで蝶は図鑑で種を特定できるのに、蛾はなかなかできないのか!

ということを学んだ上で、探したのは第1巻「旧北区の蝶類」の図版でした。
理由としては、
・蝶と蛾では、やはりきれいな蝶の方がいい
・見慣れた日本の蝶の図版を間近に見ることで、ザイツの図版の美しさを理解したい
・以前、ドイツ語やフランス語の図鑑で苦労したので、今回は英語版がいい

オリジナル図版をネット上で取り扱っているのは、日本ではアンティークショップ2店だけでした。
どちらも旧北区の巻ではありませんでした。
他をさがすと、海外の商品を買うことができるネットオークションサイトでもザイツの図版が出品されていました。
ただしそこにも旧北区の図版はありませんでした。
ちなみに図版の価格は、日本のショップで3~4000円、海外のオークションで1万円前後。
海外の方が高いのは円安の影響かもしれません。

ということで念のため、今一度「図版1枚」ではなく「図鑑1冊」を調べてみました。
すると何店かの古書店で販売しており、最低価格は1冊6万円。
第1巻は図版が89ページあるそうですので。1枚当たり674円か・・・。
図版1枚あたりは断トツで安いのですが、6万円の出費は無謀です。

今年、ニッカウヰスキーのオールドボトル市場がマッサン効果で活性化し、高額ボトルを次々落札したため小遣い財政は火の車。
1万円以上の購入は危険すぎます。

でも一般的に10~20万円で販売されている中で、6万円はいかにもお買い得。
あきらめきれないので、この際、向こう数か月の小遣いの使い道を含めて再検討しました。

・・・そうだ!
小説本を買わずに鬼平25巻を読み返すことにしよう!
そうすることで本代が浮き、活路が開けます。
ということで、注文することに決定しました。

事前情報は次の通り
=====
A.Seitz「The Macrolepidoptera of the World Vol.1」
(ザイツ「世界の大型鱗翅類図鑑 第1巻 旧北区の蝶類」)
図版&テキストを1冊に製本(英語版)
1909年発行、解説:379ページ、図版:多色刷石版89ページ、25×32×5cm
表紙少汚れ、小口汚れ、図版少シミ汚れあり、製本状態は比較的良好、テキスト:英語
=====

冒頭でも書きましたが、届くのを本当に楽しみにしています。





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