鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代前半のオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその1344~フェルメール

2017-03-31 12:40:24 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、フェルメールです。

星野知子著「フェルメール 夢想空想美術館」を読みました。
堅苦しい美術解説書とは大違い。
実に楽しくフェルメール作品を堪能することができました。

AMAZONの内容紹介を引用します。
=====
女優であり主婦でもある著者・星野知子が、オランダの画家フェルメールの生活風俗画に登場する女性たちと語り合う、新しい形の美術書
=====
フェルメールの絵はおしゃべりです。
ある絵はドラマのワンシーンのように動き出し、ある絵は登場する小道具がひとり言を言い出します。
美術鑑賞ではなく、絵を自由に想像して一緒に遊ぶおもしろさ。
星野知子がいざなう新しい絵画の世界。
=====

星野知子は、NHKの朝ドラ「なっちゃんの写真館」で有名になりました。
でも私は、それより北杜夫の相方として旅番組に出演していた、あの知的な姿を、真っ先に思い出します。
ドナウ川の源流への旅というのがテーマの番組でしたが、最終地点に何があったのかは今となっては覚えていません。
きっと北杜夫が敬愛するトーマス・マンの記念碑でもあったのだろうと思っていましたが、今回あらためて調べてみると違いました。
北杜夫の父・齋藤茂吉がかつてそこを訪ねたことがあることと、現在そこに茂吉の歌碑があることを知りました。
茂吉の足跡を訪ねる番組だったのですね。
40年も前の記憶なんて適当なものです。

さて本書の感想などを少々。
本書は、15作品を楽しく解説しています。
あるときは、召使と女主人の心の会話を実況生中継。
あるときは、青いターバンと真珠の耳飾りの主張合戦。
あるときは、著者自身の感動をストレートに綴る。
面白おかしく書くだけでなく、一般的にこう解釈されている、ということも書き添えています。
詳しく楽しい解説、それは作品に精通しているからこそできる技。
星野知子おそるべし!
素人ではありませんでした。

本書を読みながら、既視感を感じていました。
読み終えてから、ああ、あれだ!と思い至ったのは、NHKで放送していた「額縁をくぐって物語の中へ」です。
名画の一部をアニメ化して、作品の背景や物語を楽しく紹介する番組で、本書とよく似ていました。
そういえばフェルメールの作品も随分紹介していました。

どっちが先に出たのかを調べてみました。
あの番組は2011年から放送開始、本書が発行されたのは2012年。
もしかしたら著者は、あの番組をヒントに本書を書き上げたのかもしれません。
フェルメール作品を愛する者として、多くの人に楽しく鑑賞してもらうために。

本書のような楽しい美術解説書、他にもあるのかな?
あったら読みたいです。
ご存知の方がいらしたらお教えください!


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする