政争に 敗れた「光源氏
」は、
すま（須磨）に しりぞきました
わずかな供を つれただけの、さびしい 浜辺ぐらし
都に のこしてきた、
おさな妻・「紫の上
」を
おもいながら、
ゲンジ
は
一年半、女っ気・なし
で すごします。
しかし、
ここに 来てから
何かと世話を やいてくれる、
「明石の入道」の 引き合わせにより、
その娘と 出会った
ゲンジは、
「滞在中におきた、いくつかの事象」を
かんがみて
、
宿命的な、めぐり合わせ
を かんじるのでした。
その娘、
あかしのおんかた（かんじ：明石の御方）は、
田舎育ちながら、
白百合のごとき
気品に みちていました
幼いころより
父の入道に、
「お前には、
貴種の子をなす お告げが出ている
」
と 言われ、
けんさん（研鑽）に はげんできました
ゲンジも いっしゅん・気圧されるほど、「高雅な美しさ
」
を 身につけた
彼女は、
まもなく ゲンジと恋仲になり
、
子どもを 身ごもります
（※次回は、明石の姫君です）
時せい（勢）の変化に、
「光源氏の運」が 弱ってきたころ
わるいことが、かさなりました
一、正妻・葵の死
一、父帝の死
一、藤壺の宮・出家
に 加え、
「朧月夜」との 関係ハッカク（発覚）
ここぞ！とばかり、
こうげき（攻撃）してくる 右大臣に
さしもの ゲンジも
歯が立たず
、
「須磨（現在の兵庫県）流し」が
決まってしまいます・・
そんな・ゲンジが、都を去る前、よく 会いに行ったのが
はなちるさと（かんじ：花散里）
です。
はなちるさとは、ゲンジが 若いころに知り合った、
とっても 性格の良い女性です
まったく 美しくないのですが、
たいど（態度）が かわいく、
つつましやか
で、
どんなに ゲンジの訪れがなくても
うらみ言・ひとつ
言いません
（初夏に出会ったので、橘のイメージ
）
たまの ほうもん（訪問）に、
とびあがって よろこび
美味しいものを たべさせてくれる
はなちるさとは、
元気のない時の
心のいやし
困りごとを 抱えた・ゲンジの
実生活面での サポーターでした
のち、「光源氏邸の 夏の御殿の主」になるのも、
光ゲンジの
彼女への、
かんしゃ（感謝）＆しんらい（信頼）の
あらわれ・でしょう
（※次回は、明石の御方です）
順当に 出世し、
何をしても しょうさん（称賛）される
「光源氏」ですが、
心は
つねに 一点、空きょ（虚）でした
「藤壺の宮」を わすれられないのです。
初恋から７年。
こがれ・つづけて
たえきれなくなった ゲンジは、
ついに
「千載一遇のチャンス」を つかみ、
命がけの
みっつう（密通）を 果たします。
たった一度の ちぎりでしたが、ふじつぼは かいにん（懐妊）し、
おうのう（懊悩）の末、
男皇子を 出産しました
ゲンジも
「罪の意識」から、
苦しみの一年を すごしますが、
同時に
ふじつぼが、
今まで以上に 自分を とおざけるように、なったことが
つらくて なりませんでした
そんな時、宮廷の 春の宴で出会ったのが、
おぼろづきよ（かんじ：朧月夜）です。
＜イメージ：牡丹＞
右大臣家の お姫さまであった
おぼろ月夜は、
東宮に こし入れが決まっていた
若き・美女でした
しかし、
「深窓の姫君」に 似つかわしくない
だいたん な気性のもち主で、
今をときめく、光ゲンジに みずから・アピールする、
アデージョ（艶女）
「政敵の娘」と
知りながら、
ボタンのように あでやかな
おぼろ月夜を抱く・ゲンジは、
自分を圧迫する、右大臣の「秘中の花」をぬすみ取ることに、
やり場のない
じょうねつ（情熱）を、
かけて しまいます。
この火あそびが もとで、
「次期・帝にそむいた罪人」
として
都を おわれることになるのに・・
（※次回は、花散里です）
・夕顔は死んでしまうし、
・紫の上は、まだ子ども、
・正妻（葵）は 近寄りがたく
、
・その他の女性は、
おもかったり、かるかったり・・・
「抱かれたい男、ナンバー１」
の はずなのに、
「光源氏」は
なかなか みたされません
そんな ある日、
「零落した、常陸宮の姫君が、ひっそりと、あわれな暮らしを しているらしい。」
という
うわさが、
ゲンジの耳に とどきました
＜すえつむはな（かんじ：末摘花）：イメージは紅花＞
げんそう（幻想）を 抱きがちな
光ゲンジは、
この、「髪がキレイ」だという 姫君に、
文を送ってみました
ところが、
このお姫さま、
とんでもなく 古風で、世間知らず
その上、シャイで、
くどかれても
まともに 返事もできない おぼこでした
・・・・・・
（なんだか、おかしいな？この人。）と
思いながらも
彼女のもとへ 忍んで行き、
一夜を明かした ゲンジ
しかし、翌朝、そのかお（顔）を見て、ぎょう天します
・・・・あまりにも、
みにくすぎて
（長く、
垂れ下がった赤い鼻の 貧相な女が、
おめめ・ハートマーク
で、こっちを見ている
その、衝撃・・）
ゲンジは、まっさおになって 家にかえり
、
その後 一切れんらくを とりませんでした。
しかし、
紅花（赤鼻）の姫君は、
それでも ゲンジを
ずっと まちつづけました。
数年後、
「姫が まだ、自分を待っていた」 ことがわかると、
光ゲンジは
その いじらしさに かんどう（感動）し、
一生
くらし向きの めんどうを
みてあげることに したのでした
（※次回は、朧月夜です）
せっかく見つけた、かわいい恋人
を
死なせてしまった
「光源氏」。
しばらくは、
本当におち込み
けんこう（健康）を 害してしまうほど・・。
そんなある日、病気のキトウ（祈祷）で おとずれた北山で、
ゲンジは、
「運命の少女」と 出会います。
むらさきの上（かんじ：紫の上）です
（イメージ：かばざくら（樺桜））
むらさきの上は
宮さまの娘ですが、
母の身分が低く
北山のお寺に あずけられていました。
このとき、
まだ「１０歳」 でしたが、
ものすごい美少女で、イキイキしてて、
こんな所に うもれさせては
もったいない 女の子。
さらに
「初恋の人・藤壺の宮」の めいだと
わかると、
光ゲンジは たまらなくなり、
「この子を引き取って、
藤壺の宮のような、
完璧な貴婦人に育てたい」
と
ネツボウ（熱望）します
手しおにかけた、むらさきの上は、おもわく通り、
この上ない・きふ（貴婦）人に 成長します
・美しさ、
・思慮深さ、
・やさしさ
どれをとっても、まんぞくの、
「光源氏の、理想の女性」
世間からも、
「源氏の君の 一の人」と みとめられました。
彼女は、生がい（涯）、
ゲンジの 女性関係に
なやむことになるのですが、
どんな時でも
山あいに咲く、かばざくらのように
ハッとする・みずみずしさを
心と
すがたに
もちつづける、
「物語中、最高の花」です
（※次回は、末摘花です）
気位高く、リッパすぎる恋人
「六条御息所」の もとへ通う
光ゲンジが、
たまたま 通りがかりに見つけた、
ふぜい（風情）ある家の 女主人が
ゆうがおです （かんじ：夕顔）
この家の垣に ゆうがおが咲いており、
二人の
はじめての やりとりに
用いられたので、
「夕顔」と よばれる
「光源氏の新恋人」ですが、
ゆうがおの花のような あやしい・フンイキはない、
なでしこ・タイプ
かよわく、
なよなよと やさしく、
おとなしく、
ひたすら かわいくて
男が 守ってあげたくなる 女性でした
光ゲンジは、自分がいなければ、生きていけなさそうな彼女を、
「常夏の女（なでしこの古名）」とよび、
一時
ねつれつ（熱烈）に あいしました
・・・・・
しかし、
この なでしこは、
ゲンジとの おうせ（逢瀬）のさい中に、
六条のみやすどころ とおぼしき
モノノケにおそわれて
とつぜん（突然）死 します。
（※次回は、紫の上です）
「正妻・葵の上」とは
あいかわらず
しっくりいかない 「光源氏」ですが、
宮廷では
すでに とびぬけた・存在
として、
大人気でした
・若く、
・愛嬌があり、
・貴族のたしなみ すべてをこなす
・帝の息子
そんな ゲンジに
ほとんど全ての 宮廷人が やられてて、
その み（魅）力は
先の東宮妃・「六条御息所」をも
からめとりました
＜イメージ：くちなし＞
六条のみやすどころ（かんじ：御息所）は
身分、
ビボウ、
名声、
どれをとっても 一級の、皇太子の未亡人でしたが、
ゲンジを 「愛人」にしてからは
だんだん
じめつ（自滅）していきます
彼を ひきつけた、大人の女っぷりが、
恋人となってからは
アダとなり、
「７歳年上の引け目」やら
「貴婦人の誇り」やらで、
じじょう・じばく（自縄自縛）に
おちいります
「若い源氏に ほだされて、愛人になり、飽きられる。
そんなことになったら、・・・生き恥」
と
ため息がちな みやすどころは、
完全に
「重たい女」と 化しました
そして、
予想通り
ゲンジの心が はなれると、
シット（嫉妬）
に苦しみながら
ついには
「生き霊」となって、
ゲンジの女たちに 次々・とりつきます
（※次回は、夕顔です）
正妻との
ふうふ（夫婦）生活に
つかれちゃった・「光源氏」が、
たわむれに
かんけいをもった 人妻が
うつせみ（かんじ：空蝉）です （イメージ：手折られた水仙）
かたたがえ（方違）で、
たまたま 自分の家
に 泊まった、
若き・き（貴）公子
光ゲンジの、
一夜の 恋の相手をすることになった
うつせみ。
地味めで
決して・美女ではないけれど、
・趣味良く
・気が利き、
・立ち居振る舞いもステキ な彼女に、
「・・女は、身分ではないのだな。中流階級にも、
なかなかの女性がいるものだ。」
と
光ゲンジは 学びます
そして その後も
くどきつづけるのですが、
２度目いこう（以降）
一切 さそいにのってもらえず、
かえって うつせみは、
光ゲンジの心に
のこりつづけるの でした
（※次回は、六条御息所です。）
「初恋の相手が、父の妻」
ということで、
叶わぬ思い
を 抱いていた
「光源氏」が、
若くして むかえた
正さい（妻）が
あおいの上（かんじ：葵の上）です
＜バラのイメージ←美しく、気品があるが、トゲあり。＞
自分に 目をかけてくれる、
有力政治家・左大臣
が、
「ぜひ！家の娘を！」
と
申し出て 決まった
「政略結婚
」でしたが、
育ちのいい 光ゲンジは、
「この人と、仲良くやって いきたいな」
と思い、
やさしく ていねいに 接しました
しかし・・・
「将来、帝のお妃候補」 と言われて育った
あおいの上は、
年下夫に
なかなか うちとけませんでした
若かった・ゲンジは、
気をつかっても ムシされることに
きずつき、
だんだん
他の女に
目を向けるように なっていきます
（※次回は、空蝉です。）
やっぱり、ふじの花でしょうか。
ふじつぼ（かんじ：藤壺）の宮は、
幼くして、母を亡くした
「光源氏」の、
２番目の お母さんです
亡き母に 似ているという、
５さい（歳）しか はなれていない
ビボウ（美貌）の 若母に、
少年・ゲンジ（源氏）は、ゾッコンでした
初恋の人が、
母性も
知性も
ビボウも、
身分も、
何もかも もっていたので、
このあと・ゲンジは、
ふじつぼに かわる 「理想の女性」を求めて、
一生
へんれき（遍歴）することに なります
（※次回は、葵の上です）
＜白梅＞
まず はじめは、
きりつぼのこうい（かんじ：桐壺更衣）。
主人公・「光源氏」の お母さんです
つつましやかで、
きよらかな うつくしさにより
帝から あいされました
身分がひくかったこともあって、まわりから
ひどく・いじめられ、
そのため 早くに亡くなりますが、
キビシイ・かんきょう（環境）
にあっても、
こうき（高貴）で
けなげな 人でした。
よって、
白梅が ふさわしいと、思います。
（※次回は、藤壺の宮です。）
＜６時の首相会見
＞
「
なんたる矛盾。
クリン、
多摩市長やめて
国政目ざしな
」 （チット）
「えっ
」
（・・・・・・、ムリ。。）
ありがたい・由来をもつ、クリンソウに 出会った、週末
（・・・やっぱり、あれは、野川みたいな 昔ながらの川があるから
育つお花なんだろうな～・・）
と
クリンは 考えました
（うちの近所の こった川にも、あんなお花が咲いていたら
いいのだけど。。）
歩きながら、ふと・向こう岸を見ると、
日よう日の 昼下がり、
大きなビニールと トングを もった、
男の人が、
ひとりで、せっせ！せっせ！と
川沿いの ゴミを ひろっているのを
見かけました
家のチットは 時おり、見かけるらしく、
「あの人、
お休みの日に ああやって
ゴミを 拾っているよ。
たまに、小さな息子さんも一緒に連れて。偉いよね。」
と
ひじょう（非常）に
かんしん（感心） しています
気をつけて、まわりを見てみると、
ゆう（遊）歩道の
ところどころに
ゴミが おちているのに
気がつきました
・・・・・・
（・・・これじゃ、クリンソウが 咲けるような
かんきょうじゃない）
（クリンも、ひろう！）
クリンと 同じ名をもつ花、
クリンソウ
シュッ
とのびた、クキ（茎）、
チョンチョン
っとついた、花。
これがなぜ、
クリンソウと よばれるのか
気になったので
しらべました
すると・・・
クリンとは、「九輪」と かき、お寺の とう（塔）の
先たん（端）に
かざりとして ついている、
９つの ワッカ（輪）のこと
クキの のび方と、
花が かさなって咲く・かんじが
にている
という、ネーミングらしい
さらに、「９つ」の 内わけ（訳）は、
５つが、「五大如来」、
４つが、「四菩薩」
を あらわしている、
合計・９つ
だそうです
・・・・・・
レアなお花の、
レアな 由来でした。
しかし、
そんな・ありがたい名前のお花と
いっしょだなんて・・
クリンは、ちょっと プレッシャーです
（※前回よりつづく）
ようやく・たどりついた、「野川公園・自然観察園」
中に 入ると、
そこは
しっとり・しずかな 水の道。
夏には、ホタルも とびかう、わき水と
水生の 草花にみちていて
、
今のきせつ、
木道を さんさくすると、
クサノオウ、っていうお花や、
チョウジソウ、っていうお花が、
かわいく・咲いています
そして、その・一角に、
お目当ての
クリンソウを
ハッケン
（・・・・・
こ、これが、クリンソウ）
水こう（耕）・さいばい（栽培）みたいに、
きよらかな お水に広げた、
みどりの葉
せい（背）高の くきの先には、ピンクの お花が
小さく ついています
花が ついているのは、１０株くらいしか ありませんでしたが、
その、みずみずしさと きちょう（貴重）さ、
そして、それを はぐくむ・のがわ（野川）の ながれ に、
クリンたちは、
かんどう・しました
