星空がつまつてゐると思ふなりドロップの缶いつまでも開かず
(金沢早苗)
小学館の「勉強マーク」に涙ぐむ影絵のあれはあにといもうと
(西橋美保)
きみがため編みてもみたし新版の「病床歳時記」初秋の風邪
(有沢螢)
誤植ひとつ見つけることの嬉しさを分かりはじめたある夏の夜
(村田馨)
息を吐くながくながく吐き出してそのさきに宇宙をひとつ産むのだ
(猪幸絵)
紐のある靴を選びぬ走り出す前にしばらく考えるため
(高野裕子)
代筆と思われる字で退会の葉書が来るはなおもてさみし
(橘圀臣)
夏逝くといふ感慨にしみて聞く井上陽水「少年時代」
(蒔田さくら子)
いちにちにひとり笑ひの幾たびぞ九月に咲きたる向日葵の花
(斎藤典子)
帰らざるゆえくきやかに刻まれてアメリカン・ニューシネマの夏は
(藤原龍一郎)
************************************
短歌人11月号、同人1欄より。
(金沢早苗)
小学館の「勉強マーク」に涙ぐむ影絵のあれはあにといもうと
(西橋美保)
きみがため編みてもみたし新版の「病床歳時記」初秋の風邪
(有沢螢)
誤植ひとつ見つけることの嬉しさを分かりはじめたある夏の夜
(村田馨)
息を吐くながくながく吐き出してそのさきに宇宙をひとつ産むのだ
(猪幸絵)
紐のある靴を選びぬ走り出す前にしばらく考えるため
(高野裕子)
代筆と思われる字で退会の葉書が来るはなおもてさみし
(橘圀臣)
夏逝くといふ感慨にしみて聞く井上陽水「少年時代」
(蒔田さくら子)
いちにちにひとり笑ひの幾たびぞ九月に咲きたる向日葵の花
(斎藤典子)
帰らざるゆえくきやかに刻まれてアメリカン・ニューシネマの夏は
(藤原龍一郎)
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短歌人11月号、同人1欄より。