気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

こころ覚え(8)

2004-10-25 19:17:41 | こころ覚え
われとおなじ名をもつ林檎も薔薇もありこの世たのしとしばしは思へ

(石川不二子 「牧歌」)

石川不二子さんには、短歌研究詠草欄で何度か取り上げていただきました。
ささやかなことに楽しみを見つけようとする姿勢に共感します。

こころ覚え(7)

2004-10-24 18:43:04 | こころ覚え
どこまでもともには行けぬ わかき人よ君の切符をなくさずに行け

くれゆけば海は細かな綾織の紺青深き一枚の絹

黄銅の面錆びながら薬莢のなほ艶めきて子らに踏まるる

(矢部雅之 「友達ニ出会フノハ良イ事」)

著者は報道カメラマン。読みごたえのある一冊。