犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

生卵のてんぷら

2024-02-24 18:16:14 | 食べる

写真:さき亭の玉子の天ぷらをごはんの上に

 和幸というとんかつ屋さんは、家の近くのデパ地下にあって、ときどき惣菜として買ったりしていました。

 そのとんかつ屋さんが、最近天ぷら屋を出したというので、少々遠いのですが、車で行ってみました。

 天ぷらを「天ぷら屋」で食べるというのはあまりない。そば屋の天ぷらそばとか、定食屋の天ぷら定食とか、天丼のチェーン店とかはありますが。

 とんかつ屋に比べると数が少ないし、やや高級なイメージがあります。

 和幸の天ぷら屋さんに行ってみると、「和幸」ではなく、「さき亭」(玉川上水店)という店名でした。

 全席カウンター席で、それがオープンな厨房をコの字型に囲んでいます。注文を受けた後、客の目の前で揚げ、揚げたてを出してくれます。

 値段はそれほど高くなく、定食は、花、月、雪の3つで、それぞれ1000円、1250円、1500円。天ぷらの個数に違いがあり、花は6種、月は8種、雪は10種。



 私と妻は、雪にしました。

 雪の10種の内訳は、海老、あじ、鶏、いか、きす、玉子、野菜4種(かぼちゃ、さつまいも、なす、しいたけ)。

 玉子の天ぷらというのは、初めて食べました。

 どうも、生卵をそのまま揚げているようです。

 中はほとんど生で、れんげに載ってでてきます。

「食べ方」の解説に従えば、ごはんの上に載せて、黄身を崩して、しょうゆをたらして食べるとのこと。

 すると、おしゃれな玉子かけご飯になります。

 それ以外に、3種の香の物と、しじみの味噌汁、ごはん(汁とごはんはおかわり自由)。

 しじみの味噌汁は、家ではあまりやらないので、久しぶりです。

 妻の実家が島根県宍道湖の近くで、行くと必ずしじみの味噌汁が出たものですが、妻は飽きたのか、家ではあまり作ってくれません。

 しじみの身を箸でほじくりながら、太宰治の小説(『斜陽』?)を思い出しました。

 主人公がしじみ汁の身をせっせとほじくっていたら、上流階級の夫人から、「あら、そんなものを食べて、大丈夫ですか」というようなことを言われ、(しじみの身を食べるのは下層階級だけだったのか!)と、とても恥ずかしい思いをしたという場面です。

 私は、子どもの時からしじみ汁の中のしじみの身は欠かさず食べていて、家では残すと「もったいない!」と言って、怒られたぐらいでしたので、この場面はずっと印象に残っています。

 値段からわかるように、けっして高級な店ではありませんが、味も量も、たいへん満足しました。

 玉子の天ぷらが珍しかったので、家に帰ってからネットで検索すると、「さき亭」以外にも出す店があり、また自宅で作るためのレシピのページも数多い。

 まあ、わざわざ家で作ろうとは思いませんが。

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2 コメント

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ソウルの天ぷら屋 (しんこぶ)
2024-03-28 18:09:47
久々の投稿です。
ソウルで人気の天ぷら屋でも玉子の天ぷらが出てきましたよ。
망원동にある이치젠というお店です。
숙대입구にも2号店が有ったのですが、両店ともに大人気で、食事時には行列が出来ていました。
同じように中は半熟で、御飯の上に乗せて食べるスタイルです。
駐在中はよく行っていましたが、当然のことながら本帰国後は足が遠のいています。
カツ煮 (bosintang)
2024-03-28 22:52:03
コメントありがとうございます。

ソウルでテンプラ専門店に行ったことはありません。昔はなかったのではないでしょうか。

韓国式わらじトンカツではなく、日本式トンカツを出す店はいくつかあり、けっこう人気がありました。

しかし、カツ丼とかカツ煮は人気がなかった。卵でとじてあるのが悪いわけではなさそう。私がよく云っていた店の主人(韓国人)は、「韓国人には甘すぎるみたいだ」と言っていました。

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