Retrospective...

イラストレーター/ライター遠藤イヅルの困った嗜好をばらす場所

【ルノーな話】拾った画像でルノー14まつり。

2011-04-24 | ルノーな話。
いつも週中で行っている「フランス車特集」の更新が遅れましてすみません!



ほのぼのし過ぎw


ということで、今回の「拾った画像で...まつり」は、
これまたマイナー、本国でも成功作とは言われなかった薄幸の一台、
ルノー14(キャトルーズ)まつりをお送りいたします。



ルノー14(=R14)は、わかりやすくいえば、メガーヌのご先祖様に当たるクルマです。
逆引きしていくと、メガーヌ3→メガーヌ2→メガーヌ1→R19(ディズヌフ)
R9/11(ディス/オンズ)→R14...という系譜になっています。



登場当時のR14L。


ルノーはR5(=サンク)の成功で小型車市場でシェアトップを実現しましたが、
R5の上はR12(ドゥーズ。ラグナの先祖)しかなく、
1974年に登場し現在のCセグメント市場を席巻したゴルフや、同国内のライバルであった
シトロエンGSに対する持ち駒が無かったのです。

そこで、ルノーは、R5の成功を再現すべく、欧州ナンバーワンメーカーの威信を掛けて、
このクラスに1976年に新型車を送り込みます。それが、ルノー14でした。


ルノーはR4(キャトル)以降、かたくなに「縦置きFF」に固執してきたので、
R4よりあとに登場したR6(シス)、R12、R5、R15/R17(ケンズ/ディセット)はすべて縦置きのFFだったのですが、
R14に関してはついにこの方式を捨て、横置きFFになりました。


ただしそこはミニのイシゴニス式でも、現在のFF車の搭載方法の主流となったジアコーザ式でもなく、
エンジンを水平近くまで倒してその下のトランスミッションを抱え込んだ
プジョー104タイプの横置き方式を採用しました。
というか、実際にプジョー104(リンク先は104の兄弟車、LNやVISAなど)の
エンジン+ミッションをそのまま持ってきてしまったのでしたw


これは、当時エンジン開発などで協力体制にあったプジョーとの関係を示すもので、
実際に、このクルマに積まれたXV型直4SOHCは、PRVの開発によるものです。


その一方で足回りは、フロントに関してはエンジン回りをプジョー製ユニットとしたために、
縦置きルノーのフロントサスといえばのダブルウイッシュボーンではなく、ふつうのストラット式。

かたやリアはR4系から継いだトーションバーを使用したトレーリング・アームで、
ルノーの意地?が貫かれた形ですね。



TSの透視図。



そして注目すべきは、外観です。
R5と同じくプラスチック製の前後バンパーを持ちますが、全体のフィルムは斬新なウェッジシェイプ。
フェンダーもフレアを持たない全体的に膨らませた当時としては新しい処理で、
いまもって全体的に見ても優れたデザインだと思うのです。



リアビュー。R14L。

縦置きFFで、全長4035mmに対してホイールベースは2530/2560mmと長く、
それゆえ車内やトランクスペースも十分。
R16(セーズ)以降ルノーがお家芸とした感のあるスペース・ユーティリティに
対する備えも持ち、実用車としての性格においても、
ライバルのゴルフやGSに対しても引けを取らないものでした。



インパネ。外装に負けずシンプル。



こう見ても、確かに広い。



ところが、R14は、7年しか製造されませんでした。
これは、当時のフランス車としてはとても短命といえるものです。



その原因とされるのが、これ...。

ルノー14の外観を「洋梨(poire)」に見立てた広告宣伝...。







...何がどうNGだったのか、正直よくわからない(汗)のですが、
この広告がどうも当時のフランス人に評判が良くなかったらしく...。
なんだか良く出来ていたのにCMで損をしたと言われるマツダレビューを思い出させます(涙


とはいえルノーもこのクルマの販売巻き返しを図るべく、バリエーションの充実、
マイナーチェンジ(1980年)などを行ったものの、
どうも最初についた印象が悪かったのか、そもそもこのクルマのデザインが受け入れられなかったのか、
最後まで販売は芳しくなかったのでした。




1976年当時は「L」と「TL」のみでスタート。エンジンは、どちらも1218cc。
その後、1979年、最上級版としてGTL、
(そう、ルノーの「GT」は、グランツーリスモではなく、「グラン+TL」なのですね)。
と、スポーツバージョンのTSを追加。


GTL。



TS。うーん、かっこいいぞ!なんだこのホイールは!


TSの内装。R18やR5でもお馴染の当時の極上ルノー・スポーツシートつき。



前述のとおり、1980年、マイナーチェンジ。ウインカーがバンパーからヘッドライトの横に移動。
TSが1361ccになり、1982年にはGTLも1361ccに排気量をアップ。



マイナーチェンジで泣き顔度がアップ(涙


ミラー基部からフェンダーに伸ばしたフェイド・アウト調ステッカーがかっこいい。



などなど、ルノーもがんばったのですが...前述のように販売結果は宜しくなく、
1983年、後継のR9/R11(1981年登場)にバトンを渡し、
静かにラインナップから姿を消していきました...。


ところで、日本には正規で入ってこなかったR14ですが、
噂だと某国産メーカーが研究用に入れたと言われるR14GTLが日本の道に、いまでもあります。
なつかしや、不肖ieの主催で一度のみ開催させていただいた
ギザルノー会」でもその実車にお越しいただき、
R14-R9-R19という、日本ではもうこの瞬間にしかお目にかかれなかったであろう、
系譜並びを実現したのでした。





その後、このR14は大田区の、ちょっと、古いラテン車のパラダイス、
アウトレーヴさんにストックされていたのは
有名な話ですね!


FBMにやってきていたときのR14。


これを見かけた時の衝撃は、言葉ではいい表せなかった!






>>フランス車好きな方々には、一時期の三菱が「絶対にフランス車を意識してる!」
って頃があったと感じていると思うのですが、
このR14も、初代ミラージュとずいぶん似てると思いませんか?

>>全体的なフォルム、リアの横長ランプ、そしてこのフェンダーの処理!





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【ルノーな話】拾った画像でルノー7(シエテ)まつり。

2011-03-03 | ルノーな話。



ということで、今日の「まつり」は、ルノー7(シエテ)をお送りします。

ルノーの数字ネーミングモデルは、下から3(トロワ)、4(キャトル)、5(サンク)、
6(シス)、7(シエテ)、8(ユイット)、9(ヌフ)、10(ディス)、
11(オンズ)、12(ドゥーズ)、14(キャトルーズ)、15(ケンズ)、
16(セーズ)、17(ディセット)、18(ディズユイット)、19(ディズヌフ)、
20(ヴァン)、21(ヴァンテアン)、25(ヴァンサンク)、30(トラント)とありますが、
その中でも異端といえば、異端のモデルです。


で。これがルノー7(R7)...。



何が異端なのか、ということなのですが...。


外観は、うーん、どこかで見たような...
そう、よーく見ると、初代ルノー5(サンク、俗称縦サンク)のトランク付きサルーンなのです。


なお、前述の数字読みを見て「7」は、なぜフランス語よみの「セット」ではなく、
「シエテ」と読むのか?と気が付かれた方もおられるかと思います。

この「シエテ」というのは、スペイン語読みなんです。





では、なーんで「セット」ではないのか?
というのも、このクルマ、スペインのFASA-RENAULT(FASAルノー)で
1974年から1984年まで作られていた、いうならば「スペイン製のルノーサンク」なのです。


かんたんに言えばサンクのホイールベースを伸ばし、ハッチバックをふさぎトランクをくっつけた、
ie大好きな「後付けセダン」なのですね。



ぎゃーホイールベースながーい!萌えー!w



当時まだ発展途上だったスペインの自動車社会では、まだまだ「セダン」というカテゴリは
需要が多い(この傾向は、21世紀になったいまもって同じ)ためか、
そのままサンクを作らず、セダンを作ることにしたのでした。



後付けセダンなのに違和感のない、スバラシーデザイン。



この子の家のクルマなのかな。誇らしげな笑みがいいね!



ところで、本国のサンクはご存知の通り、デビュー当初は3ドアのみ。
5ドア版は1979年か1980年の登場ですので、
それよりも前...1974年に、リアドアをつけたサンクの4ドア・セダンが
スペインから生み出されていたというわけです。
しかもサンクの5ドアは、このシエテのドア設計をそのまま流用してます。


これが本家サンクの5ドア。たしかにドア形状は一緒。


懐かしや、おいらのポンコツちゃんだw



サンクの特徴でもあった愛らしい樹脂バンパーは、わざわざ(笑)メッキバンパーに
置き換えられていたりしてるのが特徴です。
ただ基本的に中身はサンクのまま。エンジンは当初1037cc、のちに1108ccになりますが、
本国サンクが積んだ1397ccユニットは最後まで載せなかったようです。
むろん、左右で違うホイールベースという設計も、引き継いでいました。




リアビュー。かわいい。でもなぜ日産のディーラーの前でw



FASAルノーは1951年から(2000年まで)ルノーをライセンス生産していた会社です。
このころのスペインは(まあいまでもその傾向はあるが)、
自社開発ではなくフィアット=セアト、ルノー=FASAルノーといった感じで
本国のクルマをアレンジして生産していました。



こういう「本国には無い」ルノーって結構あって、それを全部フォローしてたら
たいへんなのでここでは割愛しますが、
本国のハッチベースでセダン、で最近のものをちょっとだけ集めると、
まさしくサンク→シエテと同じく、
その後継であるクリオ(ルーテシア)をサルーン化したクルマがありまっす。


クリオ2ベース、「クリオ・シンボル」(~2008年)
仕向け地(ポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリーなど)では、「タリア」と呼ばれる。




ぶっといCピラーがかっこいい!



2008年、クリオ・シンボルは、単なる「シンボル」へ。外観は完全にオリジナルに。
でも中身はクリオ2のままだにょ。

このクルマも別称で「ルノー・タリア」という名前を持ちます。

なんかすごくデザインが日産ぽいなー(汗





このくるまティーダかサニーとかで売ってくれたら買うよ(涙

どっちもちなみにこのブログでも何回か出てくる、トルコの「オヤック・ルノー製」ですー。





>>う、シエテのうりもの!ぎゃー!欲しい。

>>ちなみにFASAルノーでは、アルピーヌA110も作ってました。
後期モデルではたしか5アルピーヌのエンジン積んでいたような。

>>話がそれるけどA110は他にもメキシコとかでも作っていて、NAVI誌のアオダンさんは
たしかメキシコ製A110を今でもお持ちとお聞きしてます。

>>おまけ。2005/2のエントリー、「小型車の街角」で使用した、
「日産マーチのカタログにルノーシエテがいる」のを思い出したので再掲しちゃいます。





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【ルノーな話】拾った画像でルノー9(ヌフ)まつり。

2011-01-19 | ルノーな話。

mucchiさん号。



ということで、地味な仏車を大々的に取り上げる、一部の方に大好評なこのコーナー、
今日はこれまた大好きな一台の登場です。



じゃじゃじゃーん、その名もルノー9(ヌフ、Nuef)。


ルノー9(以下R9)については、拙HPに記事があるので、文章の転載と修正で手が抜けるというのもあります(汗



まずは、R9とはどんなクルマだったのか?



1970年代も中盤を過ぎ、フランス車も国際市場への進出がこれまで以上に必要になっていった。
そんな時代背景の中、可能な限り「独特な」フランス車の性格を取り去り、
広い市場で万遍なく受け入れられるようなキャラクターの世界戦略車として、
ルノー9(R9=ヌフ)は1981年に登場した。








極めてオーソドックスなスタイルの小型ファミリーサルーンであるR9は、
前述の如くあえて外観や使い勝手の個性を消し去っており、
一見すると同時期の国産車と大差ないようにも思える。
なお、ルノーは、1978年にアメリカ市場への進出を図りAMCアメリカンモータースと業務提携したが、
世界戦略車であるR9は当然この提携の主役となった。





外観は無国籍だが、内包するメカニズムは純然たるフランス車で、
前任のルノー14(R14=キャトルーズ)からは大きな進歩は遂げていないが、
エンジンの搭載方法が、エンジンを72度傾けているプジョー104のメカニズムをそっくり貰ったR14とは異なり、
R9では一般的な設計となった(R14=イシゴニス式、R9=ジアコーザ式)。

さてそのエンジンは、当初すべてOHV。1.1L・47.5PS、1.4L・60PS、1.4L・72PSの三種類が用意され、
上級スポーティグレードであるTSEには72PSのユニットが選択された。




ちなみにこれはR9ターボ。
すげえかっこいい!エンジンはかのR5アルピーヌ・ターボのデチューン版。105PS(サンクは110psだったっけ)。
OHV+キャブレター+ターボ(ギャレット製)。たまりませんな!




1982年、ルノー11(R11=オンズ)がR9のハッチバックバージョンとして追加された。3ドア、5ドアが用意された。
その後R9/R11はマイナーチェンジなどを受けながら生産が続行され、
1988年、後継車のルノー19(R19=ディズヌフ)が登場することでラインナップから
ドロップされた。




ターボだけでなく、R9は、1986年以降はR11と同じ4灯式に。




後期モデルのR9(ターボ)。うーん...より一層無国籍感がアップ(笑


なお、平凡さが功を奏して世界戦略車としての使命は充分に果たされた。
トルコやアルゼンチンなどでは大ヒットとなった。

なお日本にはR9/R11を含め百数十台が輸入されたに留まり、当時から希少車であった。



トルコのオヤック・ルノーで比較的つい最近まで作られていたR9・ブロードウェイ。
かなり強引なアップデート感に萌え萌え!


グレード名も「RN」とか、近代的に!
うわーホイルがシュペールサンクGTターボのじゃない?これ!





で、ここからは思い出話。


・・・高校生の時、僕と猫澤君はカーセンサーを読みふけっていた。
そのとき、時折欄をにぎわすルノーヌフの文字。
興味が湧いた。その時からR9を欲しかったとか、そういうわけではなかったが、
懐かしさもあるし思い入れもあったのは確かだった。

だから、R9が来ると決まった時は、買った当事者だけでなく僕もこころが踊った。
そう、あれから十年にならんとするとき、まさか買うことになろうとは・・・
なのだ。感慨深くなるもの無理は無い。


納車されるまで、古いCG誌などをひっくり返してR9を調べ尽くした。
見れば見るほど平凡なスタイリングだ。
店にあった段階で座ってはいたから、椅子がいいのは知っていたけれど、
それを差し引いても、フランス車らしいといえばスパッツ風のリアタイヤの処理、
そして必要以上に前のめりなスタイルくらいなものだろう。

平凡なのは、当時のルノーの経営姿勢を良く現すデザインなのだ。
国際戦略車として、あえて無臭にしたのである。
無国籍風なデザインは結果として行き詰まることになるのだが、
このR9の頃がいちばん平凡だったかも知れない。



御殿場のルノーの集まりで。



初ドライブは千歳船橋で待ち合わせてベイブリッジに行くのがかつての決まり?
だったから、早速R9もそのルートで走った。
少し走って、そして第三京浜に入って、この無国籍でつまらない風体のクルマが、
心底ルノーであることを知らされたのだ。

粘っこい直進性、ゆりかごのような気持ちイイ椅子、素晴らしい視界、
サスストロークがたっぷりしていて素晴らしい乗り心地。
これをベースにシュペールサンクは作られた。確かにそうだ。
これはサンクの味と同じだ。要は最高だということ!



そのR9はTSEというグレードだった。
当時のルノーでは「TS」だとスポーティ系グレードであったから、
それの高級版的ななりたちの「TSE」は、スポーティ系であるということがわかる。
まあそれを示すのはリアスポくらいだったけど・・・。
エンジンは1397CCのOHV。お、と気が付かれたあなたはルノーフェチ。
サンクなどに積まれていたお馴染みのユニット。
ルノー史上初めて横置きエンジンとなった
R14(キャトルーズ=洋ナシの宣伝で失敗した悲しいクルマ)の後継であるR9は、
当然同じ搭載方法。

TSEのエンジンは、日本にも輸入されたシュペールサンクTSと同じ72PSユニットであったが、
このエンジンがOHVらしからぬ?吹き上げる気持ちイイエンジンだった。
そしてルノーOHVお約束のぶっといトルクで、運転もラクラク。
飽きの来ないエンジンであった。



平凡でむかしのマツダみたいな内装 でも飽きなかった



ゆりかご椅子とは、ふつうに背もたれが倒れるだけでなく、椅子ごとロッキングチェア風に動く椅子。
で、この「ゆりかご」を動かすレバーは前後に椅子を動かすレバーと間違えやすいので、
乗って初めての人はまずみんなこのレバーを引いてしまい、「ゆりかごを動かして」天井を見ることに・・・。
ロッキングチェアに座って後ろに倒れそうになるまで揺らした状態を想像して下さい・・・。





猫澤号と色は違うけど、これがゆりかご椅子 見るからに座り心地が良さそうでしょ



ボンネット、天井は半艶消し状態。塗装の末期だった。
なんとかツヤを出そうとワックスでもかけようものなら、
むしろワックスかけるスポンジに鼻血色の塗装がこそぎ落とされて移る始末・・・。

まあもはやこの頃の年式の赤系のクルマは、
日本車でも同じようにツヤはなくなってしまうので、赤い車体の哀しいところではある。
プラ部品もカスカス。潤滑系のワックスを塗布するも、すぐにカスカス。これも古いと仕方ない部分。


平凡。でも乗れば最高、生粋ルノー!素晴らしい!・・・のがこのR9。
とはいえ便利な5ドアが多いフランス車の中にあって4ドアセダンはやはり不便だし、
なんとも中途半端な感じがする。
ところで基本的にはフランスでもセダン層は「保守的な」ユーザー層が見込まれており、
このR9も保守中庸(ただでさえルノーは保守的なユーザーが多かったのに)の一台であった。

だが、面白いのはここからだ。
日本と違い見た目などを気にしないのがフランスの保守中庸層であるならば、
実用性もあり、道具として割り切る彼らの地において、
R9はまさに格好の一台であったのだ。


だから非常に売れたし、カーオブザイヤーも取ってるし(笑)、
トルコやアルゼンチンなどでは超がつくほどの人気車種として近年まで生産されていたほど。
だから基本が優れ、ルノーらしい「快適性能」を持っているのにダメな風体、というR9は、
その頃の迷えるルノーらしい、不器用な一台だったといえる。
見た目=サニー、知名度=限りなくゼロ、な日本において、こんなR9に乗るということの深さ。

シトロエンやプジョーよりもただでさえわかりにくい「ルノーの奥深さ」、
それをさらに超えて理解しなければならないR9というクルマは、
「ルノー道」ともいえる一台かもしれない。



...と、思い切り全文転載しちゃった。手抜きー(笑

だけどほんと、このクルマ、「ルノー道」っていう極めないといけない流派があるなら、
それのかなり高いところにある「乗り越えないと彼岸に行けない壁」な感じがしますw



日本ではこの手の「実直な、見た目に国産車と変化の無いクルマ」っていうのは、
まず売れません。ドイツ車のBMWやメルセデス、VWを除いては...。
同じセダンでも、明らかに自己主張があったり、
明らかに他社と違うプレゼンスがある
プジョー505や、ランチアテーマ、アルファのセダン(155、156,164など)は、
我が国の市場でも受け入れられてきました。
やはり外車は「記号性」が必要なのです。それは、高い金を出して舶来品を買うのですから、
至極、当然の要求です。


なので自分のR19もそうだったんですけど、
「クルマを知らないひとには、まったく外車に見えない」、
このR9のように、「サニーと間違えられた」的なクルマは、
日本では本当に売れなかったんですね...。
それでも日本に持ってきた正規ディーラーがすごいなあ。



ただ、自分のような天の邪鬼タイプには、
「分かる人が見たら『このオーナーはすげえなあ(唖然)』」と言ってもらえるような、
このR9のような「一般的には極めて難解」なクルマが好きなので困りますw

何しろ、「すごくクルマが好きなのに、そうじゃないふりをして乗る」ことと、
「クルマが大好きなのに、そうじゃないふりが出来るクルマ」が
大好きなんですよね...とほほ(涙


閑話休題。
ちなみに、これがR9のハッチバージョン、R11(オンズ)。



顔はアメリカ版の角目4灯で差別化。



やはりハッチバックのほうがフランス車っぽいね


後期モデルはR9と同じ顔に。しかしこの顔、東欧のクルマぽい。
いくらなんでも無表情すぎだw





あのサンクターボの後継のラリー車は、実はこのR11(Gr.A)だったりするんです!


たぶん1987年のサンレモ?ドライバーはむろんラニョッティ!
ひーたまらん。







>>アメリカでは「AMCアライアンス」として販売されたR9/R11。
ひとたびアメリカのメーカーの手に掛かると、
ここまでアメリカンになるから、恐ろしい!
日本車どころじゃない!この「郷に入っては郷に従え」感!


本国にはない2ドア版!


さらに本国には無いコンバーチブル!


これを見ると、アメ車の要素というのは、
・ホワイトリボンタイヤ
・5マイルバンパー
・ピンストライプ
・メッキの目の細かいデザインのホイール(キャップ)
・バンパーやボディのサイドマーカー
・けばい内装
・倒せないドアミラーw
・銀のモールいっぱい
ってことがわかりますね...。

>>しかしこんな地味なR9は、なんと、欧州カーオブザイヤー受賞車!
さすがというか欧州、見る目が違う!?


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【ルノーな話】拾った画像でルノー6まつり。

2010-12-08 | ルノーな話。



一部の方にたいへんなご支持をいただいております、
久しぶりの「拾った画像で○○まつり。」シリーズです。


ということで今回は、
これまたまず日本ではお目にかかる機会の少ない、ルノー6(シス)をお送りいたします。



ルノー6(以下R6)は、1968年に登場。
そのなりたちは、ひとことでいえば2CVを「より自動車らしく」「より豪華に」したディアーヌ・アミと同じく、
ルノーの実用大衆車R4(キャトル)にひとまわり大きな車体、
巻き上げ式の窓、インナードアハンドルなど、一般的な「クルマらしい」装備を与えたものになります。





なので、ディアーヌが2CV由来のフラットツイン+関連懸架のメカニズムであったのとこれまた同じく、
R6も、R4のシャーシを流用して作られていたため、
左右で異なるホイールベース、そして直4OHVのエンジン、
ハッチバックボディの始祖ともいわれるR4のボディ形状まで受け継いでいます。



R4。製造開始から32年間、ルノーのボトムを支え続けた傑作車。




エンジンは、のちにR4にもつまれるようになった845ccと1108cc(TL)の2本立てで登場。
そのころはR4は747ccユニットしかなかったので、ひとまわり大きなエンジンを搭載していたことになります。


外観は四角くなってかなりモダンな印象となり、前述のようにR4では引き戸だった窓も
一般的な巻き上げ式になったり、ごく普通のクルマとしての装備を備えるにいたりました。
内装も確実にトリムレベルがあがり、上級なつくり。
しかしまあ、このダッシュボードのデザイン、最高だなあ...。







このボディスタイルは当時のルノーの傑作中型車・R16(セーズ)のイメージもあり、
多途性に富んだイメージも演出されていました。
R4は現代のハッチバックの祖先ともいえる車ですが、このR6は客貨車的な印象もある
(それが魅力なのだが)R4よりも、たしかにいまのハッチバックに近い「乗用車」という
スタイルを持っているように見えます。








1972年には、同じくR4のメカニズムを用いて初代R5(サンク)が登場。
でもこのころはまだ3ドアのみだったので、R5の5ドア的な存在としてこのR6が用意されていたようです。



そして1979年、R5に5ドアが登場するに当たり、R6は生産を終えることになります。
ベースとなったR4は、初代R5の製造が終わっても、
二代目R5(シュペールサンク)が出ても1993年まで延々と作られ続けたのと対象的です。





ところで、R4に対するR6、2CVに対するディアーヌ(そしてミニに対するクラブマン)も、
どれもベースになったクルマはいずれも名だたるご長寿車ばかり。

それに比べ、R6も、ディアーヌも、クラブマンも、本来であるならばベースのクルマの代替的要素もあって作られたのに、
すべて先に消えてしまったのが興味深いところなのです。





クルマを徹底的に実用に具す彼らは、
2CVやR4のようにとことんまで実用的なクルマに対して
「これで十分なのだ」「必要最小限でいい」という合理的思想でクルマと付き合っていた。
そんな中、R6もディアーヌも、ベース車とは車格も近く、また、
ちょっと中途半端に豪華で、上級な感じがした。
また、R6にはR5、ディアーヌにはLNといった後継車も出てしまった。


さらには、2CVもR4も、存在そのものがフランス車の哲学のようになっていたため、
「代わりになる車が輩出されなかった」こともある。


ですので、こうして考えると、
R6が消え、ディアーヌが消え、結果R4と2CVが生き残ってしまったのは、理解できるような気がするのです。



...最後に。
ディアーヌの話になりますが、当時ディアーヌは、こう評されていたそうです。
「何一つ2CVと変わらないのに、ほかの自動車と同じ手入れと保守を要求する」、と。






>>ちなみにスペインやアルゼンチンでは1980年代中ごろまで作っていたようです。

>>R4は友人が持っていたのでかなり運転させてもらいました。
ほんと、小型実用車として本当にいい車なので、それをさらに快適にしているとあれば、
このクルマ乗ってみたいんですよねー。

>>FBMで1、2回見たくらいですから、相当に珍しいはずです。

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【ルノーな話】地味なクルマで地味にそっくりさん対決。

2010-11-19 | ルノーな話。
ルノー・ラティチュードの話題は先日、拙ブログでもしました


R30、R25、サフラン、ヴェルサティスと続く最上級ルノーサルーンの最新版、
ルノーサムスンSM5、じゃない、ラティチュードは、それまでの5ドアハッチの伝統も持たず、
ヴェルサティスのような「気概的なもの」がちょっと少なめな新しいフラッグシップです。






まあ、個人的には、ルノーというのはR4、エスパスやtwingoといったそのジャンルのエポックを出すという
先進的なメーカーである、という印象とともに、
実際は生活に根差し、旧植民地系のエリアでも売れるような地味なクルマ
(R12、R18、R9やR19、R21の非スポーティものを想像したアナタ、正解ですw)もちゃんと製造していて、
というかむしろ、そういうメーカーだという気持ちのほうが強いw

だもんで、
先日のエントリーではベルサティスなどに比べてしまえばアヴァンギャルドさや、
フラッグシップで5ドアじゃない、ということがルノーらしくないとか書きつつも、
ラティチュードも、十分ルノーらしい、地味~なクルマでいいじゃんか、と思ったりしています。







で、この「生まれながらにして地味な運命を感じさせる」ラティチュード、
そういえば何かに似ている、まあよく見かけるクルマに...と思うようなクルマなわけですが
(でも、奇麗なデザインだと思うんですよ)、

それが何なのか、わかりました。




こたえは、これ。





顔は、マイチェン後のアリオン(実際にはほとんど見たことないw)...






テールは、プレミオ(マイチェン前のほうがそれらしい)。





まあ、ラティチュードとは、良く見りゃ全体のバランスも
各部のディティールもウインドウの切り方も全然違うんですけど、
なんというのか、ちょこちょことした部分で印象が似てるので、
相対的にラティチュードっぽいというのか。

○○に似ている、って言いだすとキリが無いんですけど、
街中でアリオンMC後を見たら、「あー」って、思った次第。



うーん...それにしても、
いまやすっかり、このクラスのサルーンは、地味なカテゴリになってしまいましたし、
カリーナ/コロナがトヨタの基幹車種だったころを妙に懐かしく感じさせる
プレミオ/アリオンも、地味な存在になっちゃいましたねえ。


ということで、かたや新型なのに地味なラティチュードとの、
地味~~なそっくりさん対決をお送りしました........(地味に終わる




>>地味といえばちびまる子ちゃんの野口さん...を急に思い出した。
フルネームは、野口えみこって言うんですぜ。




>>ちなみにこの野口さんのおもちゃ、マクドナルドのハッピーセットのおまけ。
首が回って「クックックック...」って笑うという、ハッピーセット史上もっともハッピーじゃないおもちゃwww


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【ルノーな話】ZOEプレビューに注目。次期クリオ(ルーテシア)なのかな?

2010-10-06 | ルノーな話。


毎年パリショーは楽しみなのですが(むろん見に行くわけではないがw)、今年も何台か仏メーカーから
面白そうなコンセプトカーが出てきましたね。

大衆小型車フェチなieとしては、やはり注目は次期クリオ(ルーテシア)と目される
「ZOEプレビュー」




純粋なEVとしての出展ですが、この手法はフルエンスの時も使ったような気がするので、
基本的にはこれに近い形で市販車が登場すると見ていいでしょう。
それと、フルエンスにZ.E(EV)が用意されたように、このクルマにもEVがラインナップされると思います。

となると、まさかクリオの名前も消えて「ZOE」になっちゃたりして。



これのEV出たら考えちゃうなあ。欧米のEVはインフラ的に日本のEVと合うのか、という
危惧もありますが、ルノーのEVって中身リーフなのかしら。
うーん、不勉強。もしそうなら、日本でもルノーのEV売れるんじゃないかしら。
というか、今後輸入車も将来的にはEV主体になっていくのでしょうね。

そう思うと、内燃機関の時代のピークはまさにいまが最後で
思った以上に早くEV時代になっていくのかもしれない。
ううむ、こうなったらルノー17とかを早く買わないと(違




で、ZOEです。なんともまるっこいスタイル。
全長4086×全幅1788×全高1540mm、ホイールベース2575mm。





.........全幅1788mm!?

げえー。もうこうなるとBセグメントじゃないよ....。
まあコンセプトカーだからでしょうね。
市販型はもう少し大人しくなって出ると思います。



注目は、またまた新しいデザインのグリル。




ラグナ3、メガーヌ3、クリオ(ルーテシア)3のグリルレスの顔の車種のうち
実際にはまだクリオ3しか入っていないため、この顔になじむ間もなく
ZOEコンセプトとか同じパリショーに登場したEVスポーツ「ドゥジール」のような
ひし形マークをブラックアウトして左右のライトに広がるデザインに移行してしまうのかも
しれませんね。
日本はなんだか取り残されてる感じ(^^;


これがドゥジール すごいドアの開き方!新しいアルピーヌって言われても悪くないかも


ちなみに現行型のクリオ3の寸法は
全長4025×全幅1720×全高1485mm。
ホイールベースは2575mmで同じ。
シャーシがキャリーオーバーな予感がしますね(^^


最初期のシトロエンDSチックな内装。むろんこの装飾のまま市販されないとは思いますが、
基本造形やイメージは市販型でも継承されるといいな。





このコンセプトカーを下敷きにした市販型は
2012年から生産、ということなので、どうなるのか楽しみにしています。



>>そういえばZOEはこれで実はコンセプトカーなのに3代め。
初代は2005年のジュネーブショー。このときはEVじゃなく、3人乗りの高級コミュータ的なのりもの。



カゲスター見たいな顔w


>>で、2代目は去年のZOE Z.E Concept。
これはデザインスタディの域を出ませんが、正直言ってカッコいいです。


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【ルノーな話】メダリオンに18i、そしてLe Car...役に立たない翻訳(涙

2010-09-15 | ルノーな話。

「役に立たない資料」っていうのが世の中にはありますよね。
今日はそんなお話。


アメリカのデュポン社の自動車用カラー補修用商品の、
カラーコードを車種ごとに読み解くためのマニュアル。
ちゃんと、日本版に翻訳されているんですね。
ところでデュポンの補修用カラーって、
個人用には日本でそもそも売ってないような。でも、プロ用にはあるのでしょうね。




というわけで、「ルノー」のものもあるとのことで、見てみると...



おお、オーバルプレート。ルノーといえばこれだね。
オーバルでは無いタイプも紹介。
ふむふむ、カラーコードってここに書いてあったんだ!勉強になります。


で、つぎ、もう1枚...






...ってことで、マニュアルの対応車種が
18i、スポーツワゴン、
メダリオン、フエゴ、Le Car。


......って言われても、


日本じゃ(ほぼ)何の役にも立たないじゃないですか(笑


では解説...(いそいそ

●18i=ルノー18の北米仕様。


モール、5マイルバンパー、ヘッドライト、反射板が北米仕様を形作る参考のような感じですね(^^;


●スポーツワゴン=ルノー18ブレークの北米仕様。


●メダリオン=ルノー21の北米仕様。


最初、ルノーがAMCと提携していたころはルノー・メダリオンだったのだけど、
AMCがクライスラーに買収されてからは、イーグルメダリオンとして販売。


●フエゴ=これは同名で、フエゴ。ただし外観はいかにも北米仕様。
ちなみに日本に入っていたフエゴ2種類のうち、ターボはこの北米仕様がベース。


●Le Car=サンク(初代)の北米仕様。
ほんとは丸ライトのほうが「らしい」んだけども写真が面白いので(^^;


フランスっぽさがまったくない(涙)広告写真だなあ。


すくなくとも確かにこれらの車種、全部日本に入っていたけども
初代サンクを除いたその総輸入量っていったい(汗




>>初代サンクの初期の日本導入モデルは北米仕様がベースだったので、
丸ライトで大型バンパーでした。

>>でも...そういえばいまAUTOREVEさんにあるベージュの縦サンクは、バンパーが長く、ルノーマークがセンターに無いタイプ。
縦サンクには、ダッシュボードが新しくなる前のモデルに関しては、
年式にもよるのか、日本仕様には
丸ライト×本国バンパー、丸ライト×5マイルバンパー、
角ライト×5マイルバンパーと、いろいろあるようですね(勉強不足)。

>>なお、表題から何の話だけで「アメリカン・ルノーの話だ」とお察しできたら、
ルノーの変態度、かなり高いです(汗

>>アメリカン・ルノーの話については、拙稿もご高覧下さい~(^^;

>>カー用品の適合商品表で、たまにこういう風に
日本には入っていない・メジャーじゃないクルマがラインナップされていたりすると
嬉しかったりするワタクシは、ええ、もちろん変態ですw
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【ルノーな話】ルノー・ラグナ3、マイナーチェンジ。

2010-09-08 | ルノーな話。
デビュー以来日本に導入の無いまま早数年、
本国をはじめとした欧州では、ルノー・ラグナ3がマイナーチェンジの時期を迎えてしまいました。


ラグナは1、2ともに友人・お知り合いのクルマでかなり乗せてもらっていますし、
このクラスのフランス車、ルノーのよさというのは得難いものなので、
ラグナ3が気になるie(以前「ラグナ3まつり」もしましたw)、
日本導入は無いものか、と思っている毎日です

...といいつつ、先代ラグナ2のマイチェン後のモデルさえ日本に来なかったこと、
先にメガーヌ3が入ってくることを思うと、それは無いのだろうなあとも思います)。



ラグナ2のマイチェン後。メガーヌ2的なフェイスで、これもかっこいい。しかしまあ、綺麗なデザインです。



で。そのマイチェン。
メカニカル的な情報は入ってきていないのですが、
外観の変更は見たところでは洗練された印象で、まあいいのではないかな?と思いますが、
でも...よくよく見ると、
なんでいまさらになって、ちょっと前のVW/アウディ的な縦型グリル風のデザインになってしまったんだろ?
最近のジャガーみたいなメッキ?のバンパー飾りもついてるし。
それともこれはGTだけ?


これがマイチェン後。この写真がGTかどうかもわからないんですが(汗




で、これがマイチェン前。
「上級セグメントなのに、なんでこんなデザインになるの?」って
突っ込みたくなるつるんとしたバンパーとオチョボ口がかわいい。
フロントフェンダーの峰がそのままエッジになってバンパーに落ちてくるのも
エッジの立ったデザインを強調してますね。



マイチェン前のGT。鬼瓦権造的な精悍さ(^^; でもかっこいいー


うーん、こうやって見たら前のほうがいいぞ。
っていってもマイチェン後の写真が全然無いので、判断できないけども...。



>>こんな風に比較したところでまあそもそも並行で扱っている業者さんもいないので
日本じゃ買えない。
ってことで、何にもならないんですけれどもね(号泣
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【ルノーな話】ルーテシア1・RNで真夏の夜の東京を走る。

2010-09-01 | ルノーな話。



ちょっと前の話になりますが、
メルボルン在住の菱仲間で、小型車愛好・黒バンパー愛好・海外商用車(日本性も含む)
愛好・日本車の海外仕様向けに興味深々...など、
ieとも嗜好・思考・指向の共通点がとても多い《》nekさんが
帰国されていた間の貴重なお時間をお借りして、
《》nekさんの愛車・ルーテシア1(クリオ1)1.4RNに思いきり乗せていただく機会がありました!


蒸し暑いというか、炎暑の夜でしたが、わざわざこちらのほうまで出向いていただきました。
そして待ち合わせしたファミレスで夕食していろいろと濃厚な話をしたあと(^^;
駐車場でいよいよルーテシア1とご対面...!
2年前?のドイツ村で見かけた以来。うーん、やっぱり小さいし、かっこいい。
フェンダーのデザイン、つるんとした前開きのボンネットなど、ディティールもいいね。




エアコンが効かないというルーテシアでしたが、さすがに夜にもなると暑さも少し和らぎ、
窓を全部開けたイエローバルブのルーテシアでのドライビングは
なんだかいろいろと無くしていたものを思い出させてくれるような、
鮮烈な体験でした。

《》nekさんにステアリングをゆだねていただけたので、都内をぐるぐる。
AT改MTのルーテシアは、1tをラクに切る車重には1.4LOHCでも十分なパフォーマンス。

吹けがいいのにトルクフル、そしてなぜかOHVのような
「いかにもちょっと前のルノーエンジン」というフィーリング&音に涙が出そうな
E7J「エナジー」エンジンは、全然神経を使わないイージーなクラッチワークを可能とします。


昔よくクルマに乗って都内をぐるぐる回っていたとき、いつもなぜかひきつけられて来てしまっていた場所、新宿。
今回も自然に向かっていました。






新宿でも西口側は緑も多く、高層ビルは数おおけれど乱立はしておらず
微妙に崩れた程度の秩序をもった感じでそれぞれが存在している感じが気持ちいい。
都庁の前の道路も、オレンジ色の街路灯もふくめてなかなかのロケーション。



暑さもだいぶ和らいできたし、もう少し乗りたいので、そのまま表参道へ...。
もちろんどこにも行かず、クルマと表参道の景色のマッチングにほれぼれ
(しかも2人で^^;)していたのみでしたが(汗
これで街路灯がオレンジ色とかだったら最高だなあ。


あいにくもう同潤館は無いですが、
その跡地に出来た表参道ヒルズは都会的洗練さを持った派手さで、
嫌いじゃないです。

そういえばこの間の表参道オフ、行けなかったんだよなあ。来年こそは行きたいです。


(この写真だけ携帯。さすがにキビシイ)


そのあともあてもなく、止まることも無く、都内をミズスマシのように俊敏に走ってきました。
シュペールサンクやR19で見慣れたあのメーター、
独特のゴリゴリした(でもスムーズという不思議)シフトフィール、
シフトノブの下端を持ち上げて入れるリバース、
言うまでも無く良好なシート、目の前を照らすイエローバルブの光...。

空いていた都内の夜の景色は、もはや勝手にフランスの街中に置き換えです(笑



そして思ったことは...ルノーの小型車の素晴らしさ、そして自分との精神融合度の高さでした。
シュペールサンクでこの世界に嵌ってしまった自分に、サンクに近いこのルーテシア1
の走り、味わい、存在感はすべてが「ささる」のでした。
「ささる」と言っても、突出して速いわけでも、いかに乗り心地がいいとはいえ、
さすがにハイドロにはかなわないので、「特徴」や「図抜けたところ」がささるわけではない。
でも、こんな風に何も「ささらない」中に、ルノーの奥深い乗り味を見つけてしまったら
(それを見つけるまでが長いw)、この「ささらなさ」こそがルノーの良さなのですね。


ああ、困ったなあ、ちょっと、古い、小さいルノー、が欲しくてたまらんです...。


>>《》nekさんありがとうございました。
都内をすばしこく走ると、田園風景の中にもまして「さまになります」ね!
ルーテシアの写真をバシバシ撮っていた時、正直幸せでした。

>>免許取って間も無いころ。サンクを買って間もないころ。
こんな風に、あてもなく東京を走り回っていました。
シュペールサンクのシックさとまだまだ若造だった自分は合っていなかったけど、
サンクと、東京は、似合っていました。
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【ルノーな話】うもれていたい。ずっといたい。

2010-08-25 | ルノーな話。
まあ、日本でもメーカーの工場の生産車がストックされていることは当たり前のようにあるわけで、
それはどこの国のどこの工場でも一緒...。




でも、こういう景色は、日本では絶対にありえない...(あたりまえだけど)

































まわり全部ルノー。見渡す限り全部ルノー(涙
うひゃあ。
車種が限定された日本のイベントで集まったルノーと違う、ふつうのルノーの世界!



ああ、この場所にうもれていたい...(^^;




>>偶然の拾い画像なので、どこの工場かわかりまへん...。

>>真っ白で黒バンパーのカングー2の商用仕様(カングーエクスプレス)とか、クリオツアラー、かっこええわあ。
右のほうにクリオツアラーの低廉版かなにかがいませんか?窓周りのブラックが省略されているやつ...。
うーん、これも萌え萌えだなあ。

>>さらに良ーく見るとコレオスとか、クリオ2キャンパス、ロガンとか、いろいろいますね。
ん?キャッシュカイの7人乗りもいる?
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【ルノーな話】日本で買える旧型ルノーマスター...FROM茨城

2010-08-11 | ルノーな話。



ルノーは商用車をもってしても足回り、シートなどがいいというのは、
基本が商用車であるエクスプレスやカングーの素性の良さからも推して知ることが出来ますが、
これらのサイズ以上のトラフィックやマスターといった商用バン
(日本車で言うキャラバン、ハイエース、ダイナよりも上のクラス)も、
乗ったら相当にいいことが想像されます。

基本的に商用車が好きなie(あ、いかん商用車のコーナー完全に停めてます...汗)、
しかもルノーが好きとくれば、このブログ内でも何度か登場したりしてます。


で、表題のとおりなんですが,
ヤフオクで旧型(先々代)ルノーマスターが出品されていました(カテゴリは「その他」)!
フローム茨城。
価格は最低価格40万なり。いくらで売ってくれるのでしょうね...(気になる)。


espace3さんから茨城にマスターがあるよ、という情報は聞いていたのですが、
これかなあ。っていうか、これしかないよねえ(涙


くわしくはそのページの下のほうにたくさん写真があるので見ていただくとして。

平成9年式の右ハンドル、ガソリン。
おおもとは沖縄の福祉施設で使用されていたそうで、現在エアコンが効かないらしい。
ベースがイギリス仕様なのはマイル表示のメーターから明らか。

それにしても日本語のちゃんとした(印刷の体裁はコピーだけど)マニュアルがあるってことは、
ある程度(片手くらいだと思うが...)日本に入って来たってことなのでしょうかね。
だ、誰が(どこが)入れたのかしら。ちょっと知りたいですね。


FFである利点を最大限に生かし、床はぺったんこで超低い。くるま椅子での送迎には最高の仕様かと思います。

日本の商用車でFFなんてそうないですよね。全部床が高くて、車いすのあげさげも大変かと思いますが、
マスターのスロープなんて超短いです。
故障さえなければ(涙)、日本の福祉車両とかロケバスとか全部フランスのFF商用バンにしたらどう(ry


これは先代(の後期顔)。
ああ、日産のマークつけてモーターショーにマスターが展示された時は興奮したものですね(号泣



内装もいいですね。見慣れたスイッチ類、メータのデザインから察するに、
この旧型マスターの登場した80年代初頭(そう、実は古いんです!こんなにモダンなのに)の
ルノーらしさがあふれています。
シートもよさそうだなあ...。
こんな車だったら、果てしなく運転手出来ます(汗


旧型マスターを特徴づける丸いドアハンドル周辺の造形、そして外吊りのスライドドアも
むろんそのまま。
これってたぶん、後部の乗客が乗るエリアは別の会社で架装された
「マルチライダー(日本でも良く走っている先代マスターを元にした「ルノーバス」)」
とは違い、「純粋ルノーマスターのバス仕様」なのではないかと思います。
となると、うしろに並ぶシートもさぞいいんでしょうね。


これ茨城の仕様に近いね。おお、リア上のほうに付いているランプは本国仕様にもあるのか!



>>普通免許で乗れるんだね!これはいいな←何がだww

>>これでFBM行ったら、ルノー徳島のマスターと並んでヒーローだろうな。
上のほうの駐車場と会場を結ぶシャトルバスかなんかに使ったらどうだろうね。


>>ieが買っても使い道が無いな...キャンピングカーにする?

買いませんってばw
でも、正直ちょっと欲しい...。長野にオーベルジュ建てて、駅までの送迎用に使ったら最高だね。
あ、そのときはハイビスカス柄は取りますよ(^^;


>>おまけ1。
現行のマスター。なんでこんな顔に(汗




>>おまけ2。
旧型マスターの消防車仕様。ボンネットにユーリエの文字(滝涙


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【ルノーな話】いくらルノー好きでもこれは乗りたくない(涙) ルノーUE

2010-08-04 | ルノーな話。
...ルノー好きなieに乗りたくないルノーなどあるのでしょうか...


でも、これは正直イヤです。












そのルノーがこれ。ルノーUE。




























ってまた軍事ものかい(自己ツッコミw


ね、大丈夫、一般的に乗れるルノーじゃないんで(何が大丈夫なんだw


ということで、この間のルノーFT-17に続いて軍事ものでゴメンナサイ(大汗
今日の話はルノーUE型牽引車のお話です。


この戦車、実際には戦車ともよべない「無限軌道つき補給用トラクタ」とでも呼べるもので、
1930年代に歩兵の近代化、機械化のためにイギリスのカーデン・ロイド豆戦車のコンセプトを下敷きに設計されました。


これがカーデン・ロイド豆戦車 なんかかわいいね



あくまでも物資運搬用のトラクタなので武装は持たず、
うしろにはトレーラー(戦車砲等の場合もある)を牽引できるように
なっているなど、あくまでも物資や砲弾、大砲を運んだり、
飛行場で飛行機を牽引する目的に用いられたようです。


このルノーUEの最大の特徴は、その平べったい車体なのですが、
これはもとはといえばベースになったカーデン・ロイドがむき出しのオープンタイプだったものに対して
装甲で覆った故にこんな形になったのですが、そうなると、激しい疑問が頭をよぎるわけです。











...どこから前を見るんだい?そもそも、どこに乗るんだい?











........まさか.......うしろのほうに2つ並ぶ「お椀」は.......




いやー!やめてー!
まさかそこに頭が入るんなんていうのはやめてー!








答えはそのまさか、だったりするわけですがw








ががーん
..........やっぱりそこに頭が入るのねん(号泣


こんな感じ




ひいいいい






というわけで、ここに頭が入って、前を見るときは
お椀に入っているスリットからか、もしくはさっきの写真↑のように
ヘルメットバイザ的に持ち上げていたんですねえ...。




このお椀を壊すほども強度のあるものが倒れてきたら?
そもそもここに砲撃があったら?
砲撃が無くても外からバットでたたかれたら?

いやーん、考えただけでアレが縮みます(大汗


他に頭を囲う方法が無かったのかなあ...。

頭が収まるところの狭さという意味ではスコープドッグどころの比じゃねえな...。







>>おっと、もう少しルノーUEの説明をしないといけないですね。
UEは後継のUE2と合わせ、ルノー以外にもフーガ(航空機メーカ)、ベルリエ(涙)、オチキスなどで5000両近く製造され、
敵国ドイツにその大半の3000両程度が捕獲された後も、
ドイツもUE本来の使用方法として砲弾や小部品の輸送などに活躍したというのですから、
成功作と言えたのでしょうね。
小型軽量で小さく、量産に向く、なんてあたりがルノーの作った車輛っぽくてなんだかいいんですよねえ。


>>ちなみにルノーUEが田宮から模型化されてたの知らなかったよ...やべえ、すげー欲しいー。



>>おまけ...戦車といえば個人的に大好きな「アストラッド戦車」。
スコタコのターレット付きwかわいいww大河原デザインが炸裂しています(^^



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【ルノーな話】「新しめ」なルノー12、ダシア1310が欲しい。

2010-07-07 | ルノーな話。
いきなりですが、ダシア1300/1310が気になります。



ダシアといえば最近はロガンなどで日本でも知られるようになりましたが、
このロガンの前身が、この1300/1310だったのです。

ロガンはルノー系メーカーのダシアが、ルノーの部品を集めて作った極めて極めて魅力的な
廉価版小型乗用車なのですが、
1300/1310もダシア=ルノーの関係上、ルノーに極めて近いクルマでした。


で、これがダシア1300/1310なわけですが





っていうかダシア1300/1310(初期)はご覧の通り、見たまんまR12(ルノー12)なわけですな(汗



R12は、簡単に言うとドーフィン以来のRRだったR8の後継として、
1969年に投入された小型ファミリーカーです。
フランス本国以外での生産も出来るよう、経済性に優れな設計を一義とし、
経済性に優れ、居住性・トランクスペースも広く、
基本的には簡潔に設計されたクルマなのですが、そこはさすがにフランス車、
素晴らしい乗り心地を持っていました。
当時のCG誌でも聖エンスー小林彰太郎神が絶賛あらせられた一台です。


ルノーにはすでにFFがありましたが、それら(R4、R16)はエンジンがダッシュ側にめり込んでいるような設計で、
ギアボックスはエンジンも前にあったのですが、R12はこれらとは異なり、
縦置きながらもエンジンはフロントにオーバーハングして搭載されました。
そのためギアボックスも車内側に引き寄せられたため、R12ではフロアシフトの採用が可能になったのでした。



これは本家のR12ざます



ご覧の通りR12はどうにもお世辞にもスマートとはいえない冴えない外観でしたが、
設計要求であった経済性や性能、乗り心地は高い水準を誇り、
また、これも設計要求通りにルーマニア、トルコ、オーストラリアなどでの生産も成功したのです。


フランス国内では1980年、後継のR18のとうじょうにともなって生産が終了しましたが、
ライセンス生産がおこなわれていた国では、
引き続き新車でルノー12が買える状況が続きました。


その中の1台が、ダシア1300/1310なのです。


1979年、ダシア1300はそれまでまんまR12だった外観をフェイスリフトして
多少オリジナリティを出すと同時に名称を「1310」に改称、その後20世紀末にさらにこのような顔↓になりましたが、
顔以外は思い切り、得も言われぬR12のデザインのまま(涙


バランスが悪過ぎて超萌(ハァハァ


ダシア1310は結局2004年まで製造されていたので、名前や外観などに差異はあれど、
ほんとについ最近までルノー12が新車で買えた!
もしくは、いまで言うならば年式が新しい中古のルノー12が買える!
ということになります(汗
個人的にはさすがに最終型は顔が違いすぎるので、
1990年代後半まで売っていたフェイズ2がいいかなー(ってそんな呼称があるかどうかは不明w)。



フェイズ2?の顔。





末期の内装。ルノー12のオリジナルは失われてますが、なんともルノーらしい雰囲気はありますね。


まあ、実際にはエアコンもないでしょうし、買ったら大変なんでしょうね...。
だいいちどうやって日本に入れたらいいんだあ。

でも外観や乗り味、機関は(OHVながらも最後は電子制御化されていたらしい)昔のままで、
ルノーの製造技術も年々新しいものが投入されていたであろうし、
ieの好きな「外観古く、でも実は新しい(め)なクルマ」の要求?を満たすんですねえ(大汗


ちなみに本国にもあったワゴン(ブレーク)はダシア版にもあり



ロガンにも存在するピックアップはむろん1300/1310にもありましたが
これは言うまでもなく本国にはないボディバリエーションですね。



4枚ドア付きトラックの「キングキャブ」とかも他にあるぜよ(凄


ちなみに変わったところでいえばもう一種、1410スポーツ(もしくは単にダシアスポーツ)なるクルマも存在します...。







ががーん 2ドアのR12(号泣
サニーの2ドアみたいだー!



>>なお、トルコでもルノー12は2000年くらいまで作られていて(ルノー12トロスという)、
こちらは外観がダシアほど派手にかわってないので
こっちのほうがいいかもー!
って、日本でこんなこと考えてるのって何人くらいなんだろう(汗



>>オヤック・ルノーのルノー12トロス。ああ、この風景を再現したい(T_T


>>5年前にこのブログで似たような投稿してるんですわ...ie、進歩してないのね(涙
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【ルノーな話】ルノーの軽戦車FT-17の話。

2010-06-30 | ルノーな話。





ルノーは、クルマの製造以外にもいろいろなものを当時から作っていましたが、そのひとつに戦車があります。

ルノーに限らず、そもそも世界最古のメーカーの一つはパナールですし、
FFで最初の成功した量産車であるトラクシオンアヴァンを輩出したシトロエンなど、
クルマの世界に様々な「はじまり」を生み出してきたフランス。
実は、戦車も、現代まで続く基礎的なスタイルと設計は、フランスが編み出したものでした。

それが、このルノーFT-17なのです。


FT-17




それまでにも戦車はありました。代表的な例では、イギリスのマーク1型、
ドイツのA7V、同じくフランスのシュナイダーCA1、サン・シャモンなどです。
でもこれらの戦車は砲塔が車体と一体化していて、しかも乗員は8名とかで
いまでは考えられないほど多い!


これはマーク1型戦車 ひし形っす 世界最初の戦車




しかもエンジンルームが車内で分けられていなかった!という設計が多かったので
とにかく乗員は常に熱と気化したオイルや油、機関銃の硝煙などの中で過ごすことになり、
その環境は劣悪と言えるものだったそうな。そりゃあ暑かっただろうねぇ。


オーバーハングが長いサン・シャモン
なんとエンジンで発電し、モーターで動くというハイブリッド駆動(驚
当時の技術では左右のモーターの同調が取れずまともに走行できなかったそうな




そんな中このルノーFT-17は、はじめて旋回式の砲塔を装備し、
また、はじめて機関室と居住スペースを仕切った戦車だったのです
(トップ画像参照してね)。
この基本設計はいまでも戦車の基本形になっていますよね。


それまでの戦車がどれだけひどかったのか、という話になると、
マーク1は乗員8名のうち4名が操縦する(!)のだがそれでも立ち往生ばかり、しかも
走行が薄くすぐに破壊されてしまう...。
シュナイダーCA1は車内換気等が悪く居住性が劣悪で製造中止、
サン・シャモンは先端に75mm砲を装備するためオーバーハングが異様に長く、
荒れ地では鼻がつっかえて実際には役に立たず敵の格好の攻撃対象になった...。
ドイツのA7Vはもっとすごくて、そもそもがトラクター用のシャーシに
ぶあつい装甲を持った雑な箱組み車体を載せた「移動要塞」的な設計思想、
しかも18人もの乗員で操作し(汗
言うまでもなく車内環境は劣悪、しかもこれも機動性が悪くすぐに行動不能になった...。



A7V すげえ...ただの箱(涙




などなど、実際のところ戦場ではあまり(というかほとんど)役に立たなかったようなのです。

フランスは1916年、戦車開発に着手しますが、
すでに当時シュナイダー(=オチキス)、シトロエン、ルノーの3社で砲弾や小火器などを製造していた中で、
フランス陸軍省は戦車に関してはルノー1社だけに委託したのだそうです。

ルノーはすでにクルマの生産を大規模に行っていて、しかも当時はフランスいちのシェアを誇り、
パリのタクシーにルノーが大量導入された実績などもあって、
ルノーの祖であるルイ・ルノーはこの戦車の開発にも、クルマづくりの思想を持ちこみました。
他の戦車が大量生産で生産するという考え方を持っていなかった中、
クルマのようなコスト管理型製造と無駄を省く設計によって小型軽量化に成功、
しかもなんと乗員は2名を実現したのでした。
いかにもフランス(車メーカー)らしいエピソードではありませんか!


本来シュナイダーやサンシャモン戦車の援護用に作られたはずの「軽戦車」FT-17は、
当時の戦車がのきなみ3ケタ行くか行かないかの製造数の時代に
なんと4000台程度が製造されたとのことで、実際には主力として活躍。
戦車を「量産する」という概念を作り上げた立役者でもあったようです。


...ただし故障しやすかったそうで、途中で止まるのはよくあったそうです(涙
いかにもフランス(車メーカー)らしいエピソードではありませんか(号泣



>>ちなみにルノーの戦車はほかに、日本にも輸入され満州事変で使われたというNC型、
第二次大戦中の主力戦車であったR35などがあります。

R35 なんだかこの儚さってルノーぽい(汗



>>なおこれが現代のフランス陸軍の最新式戦車、Leclerc(ルクレール)!
足回りはむろん、ハイドロニューマチックです!

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【ルノーな話】拾った画像でルノー15まつり。

2010-06-23 | ルノーな話。



長年読んでいてだいている方には周知の事実?なのでございますが、
ieはルノー15と17が大好きです(汗
先日も「拾った画像まつり」に、ルノー17出したばっかりじゃないか!というくらい
好きです。


そんなルノー15が、ヤフオクに出ています...もうドキドキです...。
あいにく持ち合わせが無いので手も足も出ないこのもどかしさよ!



ということで、ヤフオク掲載記念!ルノー15まつり開催です(意味不明)。



前回のルノー17まつりで基本的ななりたちは説明しましたが、簡単にもういちど。
当時のルノーを支えていたメイン車種のひとつ、ルノー12のコンポーネンツを用い、
2ドアのスペシャルなボディを載せて1971年に登場したのがルノー15/17です。



奥の緑のが15



常にパーソナルクーペが用意されていたルノーの伝統か、
フロリド/カラベルの後継としての役割も持っています。


前回ルノー17は2ドアでハッチでは無い、と書きましたが、
ルノー17はハッチで、ルノー15が独立したトランクリッドを持っているようですね。

ルノー15とルノー17の違いは外観だけでなく、エンジンの排気量なども違い、
ルノー15は1.3Lのみ(当初は1.6Lもあったが、ルノー17との差を明確にするために1.3Lのみになった。
ちなみにヤフオクの出品車は1.6LのTS)。





こういう色遣いがたまりませんね(ハァハァ→変態w



基本的には内装は15/17で一緒のようです。このダッシュのデザインいいなあ



ではie、ルノー15と17、どっちが好きかと聞かれたら、57対43くらいで15が好きと答えます(汗

というのも、Jラインのクオータウインドウ+当時流行したルーバーなど、スポーティなディティールで
スペシャル感を強くアピールしていたルノー17に比べて、
ルノー15のこの「ただの2ドアクーペ」然とした掴みどころのないデザインがたまらんのです。
妙に長いフロントのオーバーハングや、17と同じはずなのにサイドのウインドウグラフィックがもたらす?
貧弱なリアビューなど、全然スペシャリティに見えないあたりがこころに突き刺さる点でしょうか(爆



何この小さいリアランプ(萌



ちなみにルノー15/17は、1976年にちょっと大きめのマイチェンを行い、顔が結構変わりました。
それまでも15は矩形の2灯式、17は丸目4灯式だったのですが、マイチェンしたあともそのルールは守られています。








テールエンドもちょっと派手に...貧相さが無くなってしまったのが惜しい(汗



17の内装ですが、たぶん15もほとんど同じなのでは...。
むろん媚びる椅子も搭載です(涙





>>ヤフオクのR15はNZ仕様のRHD。うーん、RHDか、とか思ったんですけど、そんな贅沢言うな(汗)、
日本にR15が来るだけでも大変なことです。
しかもこの目が覚めるようなカナリアイエローも、昔のスペシャリテらしくていいですなあ(号泣


>>まあさらに欲を言えばシートが後期型の「媚びる椅子」のほうが良かったんですが(^^;
だから贅沢言うなって(大汗
でもこの70年代チックな黒いビニールレザーのシート表皮もたまらないですね...。

>>エアコンなし!でもいまは1台しか持てないなら、これ1台にしてしまえ...って、
こころの中の黄色い悪魔が耳打ちするんですけど、さすがにそれは厳しいです(涙
となるとエアコン付き、ATのフエゴが急に普通の選択肢に見えてくるので困りますね(大汗

>>後期モデルはシルビアの「S10」に似てるかな―(顔だけ)とか思って画像引っ張って来たけど、全然違いました(爆
でもこのシルビア、すごいデザインだ...かっこいいー!



コメント (7)
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