Retrospective...

イラストレーター/ライター遠藤イヅルの困った嗜好をばらす場所

【ルノーな話】ルノーの軽戦車FT-17の話。

2010-06-30 | ルノーな話。





ルノーは、クルマの製造以外にもいろいろなものを当時から作っていましたが、そのひとつに戦車があります。

ルノーに限らず、そもそも世界最古のメーカーの一つはパナールですし、
FFで最初の成功した量産車であるトラクシオンアヴァンを輩出したシトロエンなど、
クルマの世界に様々な「はじまり」を生み出してきたフランス。
実は、戦車も、現代まで続く基礎的なスタイルと設計は、フランスが編み出したものでした。

それが、このルノーFT-17なのです。


FT-17




それまでにも戦車はありました。代表的な例では、イギリスのマーク1型、
ドイツのA7V、同じくフランスのシュナイダーCA1、サン・シャモンなどです。
でもこれらの戦車は砲塔が車体と一体化していて、しかも乗員は8名とかで
いまでは考えられないほど多い!


これはマーク1型戦車 ひし形っす 世界最初の戦車




しかもエンジンルームが車内で分けられていなかった!という設計が多かったので
とにかく乗員は常に熱と気化したオイルや油、機関銃の硝煙などの中で過ごすことになり、
その環境は劣悪と言えるものだったそうな。そりゃあ暑かっただろうねぇ。


オーバーハングが長いサン・シャモン
なんとエンジンで発電し、モーターで動くというハイブリッド駆動(驚
当時の技術では左右のモーターの同調が取れずまともに走行できなかったそうな




そんな中このルノーFT-17は、はじめて旋回式の砲塔を装備し、
また、はじめて機関室と居住スペースを仕切った戦車だったのです
(トップ画像参照してね)。
この基本設計はいまでも戦車の基本形になっていますよね。


それまでの戦車がどれだけひどかったのか、という話になると、
マーク1は乗員8名のうち4名が操縦する(!)のだがそれでも立ち往生ばかり、しかも
走行が薄くすぐに破壊されてしまう...。
シュナイダーCA1は車内換気等が悪く居住性が劣悪で製造中止、
サン・シャモンは先端に75mm砲を装備するためオーバーハングが異様に長く、
荒れ地では鼻がつっかえて実際には役に立たず敵の格好の攻撃対象になった...。
ドイツのA7Vはもっとすごくて、そもそもがトラクター用のシャーシに
ぶあつい装甲を持った雑な箱組み車体を載せた「移動要塞」的な設計思想、
しかも18人もの乗員で操作し(汗
言うまでもなく車内環境は劣悪、しかもこれも機動性が悪くすぐに行動不能になった...。



A7V すげえ...ただの箱(涙




などなど、実際のところ戦場ではあまり(というかほとんど)役に立たなかったようなのです。

フランスは1916年、戦車開発に着手しますが、
すでに当時シュナイダー(=オチキス)、シトロエン、ルノーの3社で砲弾や小火器などを製造していた中で、
フランス陸軍省は戦車に関してはルノー1社だけに委託したのだそうです。

ルノーはすでにクルマの生産を大規模に行っていて、しかも当時はフランスいちのシェアを誇り、
パリのタクシーにルノーが大量導入された実績などもあって、
ルノーの祖であるルイ・ルノーはこの戦車の開発にも、クルマづくりの思想を持ちこみました。
他の戦車が大量生産で生産するという考え方を持っていなかった中、
クルマのようなコスト管理型製造と無駄を省く設計によって小型軽量化に成功、
しかもなんと乗員は2名を実現したのでした。
いかにもフランス(車メーカー)らしいエピソードではありませんか!


本来シュナイダーやサンシャモン戦車の援護用に作られたはずの「軽戦車」FT-17は、
当時の戦車がのきなみ3ケタ行くか行かないかの製造数の時代に
なんと4000台程度が製造されたとのことで、実際には主力として活躍。
戦車を「量産する」という概念を作り上げた立役者でもあったようです。


...ただし故障しやすかったそうで、途中で止まるのはよくあったそうです(涙
いかにもフランス(車メーカー)らしいエピソードではありませんか(号泣



>>ちなみにルノーの戦車はほかに、日本にも輸入され満州事変で使われたというNC型、
第二次大戦中の主力戦車であったR35などがあります。

R35 なんだかこの儚さってルノーぽい(汗



>>なおこれが現代のフランス陸軍の最新式戦車、Leclerc(ルクレール)!
足回りはむろん、ハイドロニューマチックです!

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【セダン蒐集癖】Vol.232 ベスト国産スポーツセダン(だった)、先代レガシィB4(BL型)

2010-06-28 | セダン蒐集癖。

先代のレガシィB4です。






うーむ、かっこいいですねえ。


現行レガシィの件に関しては登場して間もない時にいろいろ書いたのですけど、
その中でも先代B4について「いろいろ書いた」時の文章をそのまま持ってくると(手抜きw)、


適度なボディサイズ、シンプルで整ったディティール、
ホイールアーチとボディのバランス、黄金比的なキャビンサイズのバランス、
フェンダーの張り、ボディサイドの面の張りの美しさ、
オーバーハングとホイールベースのバランスの良さ。
無駄のないパッケージングを想像させる凝縮感。
前後オーバーハングの絶妙な絞り込み。

...などなど、なんというか、綺麗なクルマなんですよね。


また、この密度の濃いデザインやプレミアム感で、BMWやアウディにも負けないような
「スポーツサルーン(しかも実用性が高い)」になっていたのではないでしょうか。

この代のレガシィですが、
スバルといえば、のサッシュレスドアといった「らしさ」、
エンジンはむろん伝統のフラット4でありながらも、
実は全エンジン電子制御スロットルだったり、
ダイヤルで走行モードを切り替えられるSI-DRIVEを採用したり、など
スバルらしく地道な技術改良と数多くの技術革新が重ねられた一台で、
完成度が高いように思います。


そして前述のようにサイズも手頃、
それでいて使い勝手も、性能も、なかなか高いバランスで保っていた。
このブログではクルマの肥大化をいつも嘆いていますが、
先代B4までは現実的に使いやすいサイズなのでは。


個人的にはロワグレードの2L・SOHCでいいのですけど、このB4に関しては
2.5Lとか3Lはどんなもんなんだろう、と興味があったりします(^^;
3Lは何しろフラット6だし(感動
このモデルのベストバイはいったいどれなのでしょうか...
(でも...残念ながらこの代のレガシィ、シートがあんまり良くないんですよね、
全般的に...)。


といいつつ、ちなみに、最近、現行のデザインはある意味とてもスバルらしいのかな、
と思うようになりました(^^



>>欧州で売っていた「セダン+フラット4ディーゼルターボ」とか、「LPG仕様」とかに乗りたいなあ...。

>>でもフラット4のサウンド、「ブロロロロロー((C)さいとうたかを)」が明確に無くなっているんですよね...
フラット4エンジンをより一層堪能したいならアルファスッドか33か147を買えばいいのだ(違

>>ということで海外仕様を2発...うーむ、こうしてみても日本車離れしてますね(萌







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【てつどう】デンマークのゴム顔DC・IC3がかっこいい

2010-06-25 | てつどう。
祝ワールドカップ日本代表決勝トーナメント進出!


ということで、劇的な朝を迎えたわけですけれども、
対戦相手だったデンマークといえば、ieはまっさきに「IC3型ディーゼル車(DC)」を思いだすわけです(大汗




その特徴は、タイトルにもあるとおり、「ゴム顔」...。










顔がほとんど「ゴム」ですw すんげーかっこいい~




このゴム、簡単に言うと、なんと「貫通ホロ」です。
で、ゴム以外の部分が、さらになんと「貫通扉」!
てことは、運転台はこの扉の裏にあるのかしら。
名鉄のモ600みたい(汗
ものすごい合理的な設計です。日本じゃ考えられないですよね。


欧州の客車って貫通ホロはタダのゴム同志をぶつけるだけだったりして、
日本の要に伸縮式のホロを出して相手の車両にガッチリつなぐ、という感じでは無いんですが、
このIC3のゴム顔はまさにそれ。
3両の短い編成単位を持ち、それを×2、×3と運用するにあたり、
分割併合の際の手間を省いてしまえ、という発想なのですけど、こういう合理的な考えっていかにも欧州ぽいし、北欧デザインだなって感じがします。



IC3はその名の通りインターシティ(主要都市間を高速で連絡する列車)として使用されるディーゼルカーです。
ちなみに、電車版はIR4というそうですよ。


パンタがついてるのでIR4?欧州の車両だが良く見たらバッファがないんですな



ディーゼルカーといえば萌え要素として機関の性能が出てくるのですが、IC3は3両のうち中間は「キサハ」、
つまりエンジンなしで、両端車両にそれぞれ400ps×2台のエンジンを持っているので、3両編成で1600psということになりますね。
性能的には1両当たり533psになるので、
キハ181系(500ps)かキハ183系の500番台(550ps)あたりというイメージでしょうか。
でもIC3、180km/h出るそうです...。まあ標準軌ってこともあるのでしょうね。



黒い顔、白い車体、赤いドア!モダンずぎる。
日本の鉄道車両もこのくらいシンプルなデザインに出来ないものだろうか...





>>いいなあ...欧州のディーゼルカー、ディーゼル特急には乗ったこと無いです。
見たことはあるんですけどもね。まあそれも数回ですけれども...(涙


SNCF(フランス国鉄)の車両ですが、レンヌで見たローカル用のディーゼル、X4600系。
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【ルノーな話】拾った画像でルノー15まつり。

2010-06-23 | ルノーな話。



長年読んでいてだいている方には周知の事実?なのでございますが、
ieはルノー15と17が大好きです(汗
先日も「拾った画像まつり」に、ルノー17出したばっかりじゃないか!というくらい
好きです。


そんなルノー15が、ヤフオクに出ています...もうドキドキです...。
あいにく持ち合わせが無いので手も足も出ないこのもどかしさよ!



ということで、ヤフオク掲載記念!ルノー15まつり開催です(意味不明)。



前回のルノー17まつりで基本的ななりたちは説明しましたが、簡単にもういちど。
当時のルノーを支えていたメイン車種のひとつ、ルノー12のコンポーネンツを用い、
2ドアのスペシャルなボディを載せて1971年に登場したのがルノー15/17です。



奥の緑のが15



常にパーソナルクーペが用意されていたルノーの伝統か、
フロリド/カラベルの後継としての役割も持っています。


前回ルノー17は2ドアでハッチでは無い、と書きましたが、
ルノー17はハッチで、ルノー15が独立したトランクリッドを持っているようですね。

ルノー15とルノー17の違いは外観だけでなく、エンジンの排気量なども違い、
ルノー15は1.3Lのみ(当初は1.6Lもあったが、ルノー17との差を明確にするために1.3Lのみになった。
ちなみにヤフオクの出品車は1.6LのTS)。





こういう色遣いがたまりませんね(ハァハァ→変態w



基本的には内装は15/17で一緒のようです。このダッシュのデザインいいなあ



ではie、ルノー15と17、どっちが好きかと聞かれたら、57対43くらいで15が好きと答えます(汗

というのも、Jラインのクオータウインドウ+当時流行したルーバーなど、スポーティなディティールで
スペシャル感を強くアピールしていたルノー17に比べて、
ルノー15のこの「ただの2ドアクーペ」然とした掴みどころのないデザインがたまらんのです。
妙に長いフロントのオーバーハングや、17と同じはずなのにサイドのウインドウグラフィックがもたらす?
貧弱なリアビューなど、全然スペシャリティに見えないあたりがこころに突き刺さる点でしょうか(爆



何この小さいリアランプ(萌



ちなみにルノー15/17は、1976年にちょっと大きめのマイチェンを行い、顔が結構変わりました。
それまでも15は矩形の2灯式、17は丸目4灯式だったのですが、マイチェンしたあともそのルールは守られています。








テールエンドもちょっと派手に...貧相さが無くなってしまったのが惜しい(汗



17の内装ですが、たぶん15もほとんど同じなのでは...。
むろん媚びる椅子も搭載です(涙





>>ヤフオクのR15はNZ仕様のRHD。うーん、RHDか、とか思ったんですけど、そんな贅沢言うな(汗)、
日本にR15が来るだけでも大変なことです。
しかもこの目が覚めるようなカナリアイエローも、昔のスペシャリテらしくていいですなあ(号泣


>>まあさらに欲を言えばシートが後期型の「媚びる椅子」のほうが良かったんですが(^^;
だから贅沢言うなって(大汗
でもこの70年代チックな黒いビニールレザーのシート表皮もたまらないですね...。

>>エアコンなし!でもいまは1台しか持てないなら、これ1台にしてしまえ...って、
こころの中の黄色い悪魔が耳打ちするんですけど、さすがにそれは厳しいです(涙
となるとエアコン付き、ATのフエゴが急に普通の選択肢に見えてくるので困りますね(大汗

>>後期モデルはシルビアの「S10」に似てるかな―(顔だけ)とか思って画像引っ張って来たけど、全然違いました(爆
でもこのシルビア、すごいデザインだ...かっこいいー!



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【セダン蒐集癖】Vol.231 「コンチネンタル・アコード」、アコードCA(CA型)

2010-06-21 | セダン蒐集癖。


1980年代中盤のクルマはもう25年も前に作られたプロダクトですが、21世紀が10年たった現在においても
性能的・装備的にも、いまの基準と照らし合わせて古くはなく、実用に使えないということはないと思います。

これがその10年前になると、一気に古くなってしまうから不思議です。



で、今日はそんな「いまでも使える魅力的な1980年代カー」をご紹介。





1985年に登場した3代めアコードの中でも、これまた珍しいアコードCAです。久しぶりに見た(^^;
ボンネットが低いなあ。


3代めアコードは、クリーン&プレーンなデザインはフラッシュサーフェス化も進められた日本車離れした外観、
ドメ車ではなく欧米に輸出される性格から、バタ臭い内装のセンスは品が良く、
今見ても「かっこいい」クルマだと思います。

ブルーバードやコロナに対抗する量販ミドルセダンの領域に、
なんと大胆にもリトラクタブルライトを採用、
足回りは量産FF車では世界初?の4輪ダブルウイッシュボーンで走りも意識した設計、
ハッチバックは(北米など除き)「エアロデッキ」という英国のシューティングブレーク風
2ドアワゴンという新しいスタイルで登場するなど、話題の多いクルマでした。



1987年にアコードシリーズに追加されたCAは、「コンチネンタル・アコード」の略だった気がします。
実は欧州仕様の顔は登場当初から固定ライトのこの顔だったので、
それを日本に持ってきただけなんですが、それでも売り上げには寄与したのではないでしょうか、
当時は「サブネーム車」にしては多く走っていたように記憶しています。





>>このアコードといえば北米生産のアコードクーペを
逆輸入車としてカタログモデルで販売を始めたこともまたエポックのひとつですね。

>>全長4.5m、幅は無論5ナンバーサイズ。これでいいじゃん...
なんでクルマはどんどん大きくなるのかなあ。
北米市場に向けるとボディが大きくなるのかもしれないんですが、
このクルマだってメイン市場は北米だったじゃないかあ(^^;



>>ということで懐かしいアコードCAのCMを...って、これ、ie覚えてなかったです(汗


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【ルノーな話】久しぶりにラグナ2を堪能する。

2010-06-18 | ルノーな話。



先日、猫澤君のラグナ2ワゴンを借りて、100キロほどあちこちウロウロしてきました。

結構久しぶりに借りるので、同じような年代、同じクラスのライバル車でもある
ウチの旧型初期C5との違いを改めて探すのも楽しみだったりして。


猫澤君のラグナはワゴンの2L(直4)、布シート。
久しぶりに見たラグナ2なんですが、外寸法はウチのC5と対して変わらず、
幅はほぼ同じ。
だけどシャープなデザインと低い全高さ(数値的には1480mmで同じなんですが、
ラグナはルーフレール込みでこの高さなので)で、ラグナのほうが広い感じがしますね。





だけど、運転するとラグナが断然乗りやすい。
どんだけ距離を乗っても、なかなか左側の感覚がつかめないC5に比べて、ラグナはわかりやすい。
横方向に広いのはいいんですが、妙にぶかぶかな服を着ているような感じがするので
ドアの向こう側の感覚がわかりにくい。


ステアリングフィールは、低速ではラグナはC5よりも重め。
そして走り出すと、出足の鋭さはC5が勝っています。ラグナは、いかにもルノーだな、というもっさり感
(でも決して遅くないし、スキw)。

で、乗り心地。70kmまではラグナの勝ちです。
ふわふわという乗り心地では無いですが、突き上げなどはまろやかに消し去られて
路面からののアタリがやわらかい。
やわらかいと言っても、ぽよんぽよん系・跳ね返り系・バネ系・ゆらゆら系なやわらかさではなく、
表面はやわらかく、芯にはそれよりは少し固い物質が入っている「何か」が、
タイヤとボディの間に挟まっている感じ。
二級国道、県道を走っていると幸せな気分になります。

それ以上になってくると、ふんわり感、フラットライドさはさすがにハイドロのC5に軍配が上がりますが、
でもラグナはバネサスとしてはさすがルノーな足回りで、鷹揚な揺れ方とリズムは
昔の仏車の感覚をまだ残しているように思います。
操舵感、足回りの動き方などがねっとりしているのはやっぱりルノーならでは。
どっちが勝ってる負けてる、というのはあまり関係ない。ルノーには、ルノーの世界があります。








エクステリアデザインは、ほんとにいいですねえ。
とにかく、まったく古くなっていない
2000年の登場ですから、ウチのC5と同じなんですけど、「柔」に対して「硬」といっても良いほど、
はっきりとしたエクステリアが特徴です。
エッジが立っているような見た目ですが、実際には直線的な部分はあまりなく、
サイドモール、ウインドウグラフィックなどのディティールもシャープで冴えがあります。
隅々まで手抜きされてない感じ。


ラグナ2はハッチとワゴンがあって、これまた個人的にはハッチのデザインが秀逸で大好きなんですが、
でも!ワゴンのこのリアエンドのデザインもいいですよね。






これはハッチ。リアドア~Cピラー~テールにかけての造形がたまらなく好きです。
ルノー世田谷にて。

ある意味、メガーヌ2、アヴァンタイムなど傑作デザインを出していた2000年前半って、
ルノーデザインの黄金期なのではないでしょうか。


内装デザインは常識的ではありますが、各部のディティールが凝っていて、
品質も昔に比べたらびっくりするほど良いです。
フタつきオーディオはいかにも向こうのクルマらしくていいですね。
最近はみかけなくなりましたけど、オーディオの盗難って減ったのでしょうかね。





フランス車の良いところである低いスかットルによる視界の良さは、このクルマでも受け継がれています。
これについてもC5はミニバン気味スタイルの弊害で、今一歩。


シートは布なんですけど、ちょっと表皮が滑りやすくて残念。
形状的にはウチのC5と同じくで、座面クッションがもう少し欲しいかなあ、と思いますが、いいシートなのは間違いない。






リアシートも、座れば幸せになれます。
フランス車のワゴンの美点は、サルーンと同等のシートを持っていること。
とくにラグナ2は、シートサイズも十分、クッションも暑く、何しろ背もたれの角度が絶妙。
ウチのC5が立ち気味なのに対して、少し寝ている+背もたれがやわらかめなので
ソファーに体をもたれるように座れるんです。
うーん、C5はエグザンティアに比べちゃうとリアシートにはもう+αを要求したくなるのと思うと、
これはうらやましい。
なお、ヘッドクリアランスは前後席ともに十分。むろん足元も広大です。


クルマの容積をめいっぱい使う設計(最近はそうも言いきれないが)のフランス車だけあって、
ボディがでかけりゃ荷室も広い。
ハッチでさえ十分以上に広いのだから、ワゴンなのではなおさら。
これでリアシート倒したらなんでも積めますね。




猫澤君ラグナ貸してくれてどうもありがとう!



>>ということで、2010年になって10年前のクルマを比較するieなのでした(汗

>>それにしてもつくづく思うのは、
小さければ小さいほど、フランス車の各メーカーの思想が濃厚になっていく小型フランス車ももちろん好きなのですが、
大きくなればなるほど、その濃度も上がっていくわけで、C6やヴェルサティスが雲の上のような存在に近いフランス車にとって、
ラグナやC5は事実上の最上級車になってくるわけです。
となると、この2台の味の違いはまさにルノー、シトロエンらしさの表れです。

>>お買い得で、濃厚で、マイナーで、安くて、使い勝手良くて、広くて、
というこの2台、今度は並べて走らせたいです。そのときは猫澤君また貸してね、
というか、ドライバーお願いしますー(^^;

>>猫澤君ですが、ひとことで言えば菱形菌に完全に侵されていまして(汗
BX(しかもボビン)、アルファ(しかもスッド、しかもieと同じ4ドアのスーパー)を買った以外は、
全部ルノー。しかも最初のルノーがR9(ヌフ。TSE、5MT。キャピタル正規もの、)。
トウィンゴ(フェイズ1のOHC、イージー)、ルーテシア2(フェイズ1・RXT)、
エスパス2(V6、AT。ドイツ仕様並行)、ラグナ(RTE)、で、ラグナ2。
次は何かなー(ワクワク

いやいやラグナ2を乗り続けてください(^^;

>>おまけ
ルノーのお尻あれこれ。どれも魅力的ですね...。




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【ルノーな話】ルノーの新フラッグシップ、ラティチュード登場。

2010-06-16 | ルノーな話。



大きなフランス車も大好きなieです。


ルノーは一応フルラインメーカーなので、大衆車クラスから高級車まで持っていますが、
フラッグシップといっても2L~3Lクラスが上限。

でもそのフラッグシップのルノーといえば、一癖も二癖もあるクルマばかり。



1960年代、ルノーのフラッグシップはシトロエンのDSのライバルでもあったルノー16(セーズ)だったのですが、
すでにこのクルマからして5ドアハッチでユーティりティが考えつくされた「大きな実用車」でした。






これのあとを継いだルノー20/30(ヴァン/トラント)は、R16同様に5ドアハッチという
上級車(高級では無いことに注目)らしからぬボディを持ち、このクラスでもやはり実用性を捨てないという
そのコンセプトがいかにもフランス的、ルノー的で面白かったです
(まあR30の開発費を埋め合わせるために廉価仕様のR20が「ドンガラ実用車」
だったこともあるのでしょうが)。







で。これの後継がルノー25(ヴァンサンク)。
シトロエンSMやルノーフエゴをデザインしたロベール・オプロンの作品。





それまでのR30には革張りの高級仕様などもあれど、
さほど高いクルマには見えなかったこともあって?R25の上級版「バカラ」には、
市販のソファではなく部屋に持ち込みたいような高級な見た目と極上の座り心地を提供する
シートを持って登場。
でも、やはりこのR25もハッチゲート付きで、低廉グレードなどは装備も少なめで、
ドンガラ実用車としての魅力がぷんぷん。




このあとはルノーサフラン。日本人デザイナー永島氏の描いたクルマとしても有名ですが、
無駄なリフレクションを起こさない控えめなデザイン、
エレガントなたたずまいは捨てがたいものがありますね。
出た時はコンサバだなと思いましたが、いまはどう見てもルノーのクルマですね。
で、言うまでもなくこのクルマも5ドアハッチなわけですねえ(^^;


よりによって後期型の写真ねw



そしてヴェルサティス。これぞ前衛。こいつをフラッグシップにしちゃったルノーが凄いです。
ハイトの高いミニバン風スタイルと、明らかに5ドアハッチです!と主張するリアデザインは、
フラッグシップセダンの伝統的なスタイルなんて関係ねえ!と叫ばんほどの破壊力。
全高はなんと約1.6m。すげえ。







でもまあ、案の定というか、やはり本国フランスでも売れなかったんですよねえ...。前衛的過ぎたのかしら。
しかしまあここまで5ドアハッチ+フラッグシップを貫くのって、もはや意地なような気がしてきますたw




ところでサフランに2代めがあるのってご存知ですか。
本国では1998年に生産が終わったサフラン。ですが、
2008年に中東やアジア向け高級車として復活したのです。


その姿はこれ...。





要するに、ティアナ。しかも初代。(^^;
製造はルノーサムスン。なので韓国製です。
ちなみに、搭載しているエンジンは2Lの直4で、形式はルノーの呼称では「M4R」ですが、
要するにこれ、日産でいうMR20DEなんです。
なお、ルノーサムスンでは「SM5」という名前で販売していました。





で、やっと本題のラティチュードなわけですが、
これがルノーの新しいフラッグシップになる、とのことなのです。
つまりは、R16、R20/30、サフラン、ベルサティスの後継なわけですね。







デザインは一部でコンサバに過ぎるという声もありますが、ie的には嫌いじゃないです。
コンサバという意味では、5ドアではあったものの、サフランも突飛だったわけでは無いですし。
線のシャープさ、面の美しさはあるし、妙に鼻が長いのも結構好きだったり。


でもなんでこんな姿に?最近のルノーファミリーらしい顔もしていないし、と思うわけですが、
このクルマの置かれた背景を考えると、このスタイルにも納得がいくように思います。



その背景とは、このラティチュードというクルマ、ワールドワイドなポジションにいるということです。
ルノーサムスンSM5=サフランは、基本的にはそれまで欧州を見ていた初代サフランとは違い、
アジア、ロシア、中東、アフリカなどのマーケットに向けて開発されたクルマ。

そのポジションを、このラティチュードは担います。
つまり、新型ルノーサムスンSM5が、このラティチュードになるわけです。
なお、ラティチュードは、ベースがSM5であるがゆえ、ついに4ドアセダンになりました。





うーん、ルノーというオブラートを無くしても、相当かっこいいじゃないか!




もとから販売数も少ないフランス車のフラッグシップの開発に、巨額を投入できないという
台所事情があるのでしょう。しかも、狭い欧州での販売枠の中ですから、なおさらです。
となると、ルノー=日産=ルノーサムスンのアライアンスを最大限生かして、
可能な限り開発費を抑え、しかも販売台数を稼げるというクルマが
ルノーのフラッグシップになっても、もはや時代の趨勢でいたしかたないところなのでしょう。
ちなみにこのラティチュード、ちゃんと本国・欧州仕様も出ます。




なお、同じようなクルマの作り方に、ルノーメガーヌのセダン版・フルエンスがルノーサムスンSM3ですでにあります。




うおお、間違えた(爆
こりゃご先祖さんのR19やないかーい(汗


この場合、本国であまり台数の出ないセダン(でもそれ以外では売れる)の開発費を
世界中で回収するという意味では合理的な方法です。


だけども、フランス車ファンとしては、
フランス車のフラッグシップにある種漂うオーラがもう少し欲しいかも。

ルノーでいえば実用5ドアハッチの先鞭と言われるR16、独特のスタイルと内装でいまなお魅力的なR25、
フランスの大型車特有の退廃さすら思わせるヴェルサティスなどを思えば、
ラティチュードにはルノーのフラッグシップらしさが残念ながらちょっと薄い気がします。
世界に仲間のいる兄弟車でさらっと作った感じがして、
しかもメインターゲットがもはや本国を見ていないのも淋しいなあ、と(涙。




>>で、このSM5=ラティチュードなんですが、SM3=フルエンスを含め、日産のクルマに出来ないか
(yasuさんも先日いただいたコメントで言われていましたね)、と思うんです。

>>SM3=フルーエンスは、ブルーバードシルフィの後継(サイズ的にはちょっと大きいのですが)、
SM5=ラティチュードはうーん、ティアナ?でも2代めが出て間もないしなあ。

>>トップ画像は、R16の前のフラッグシップ、フレガートです。
戦後のルノーでは珍しいFR(というか、唯一)でした。かっこいいですね。

>>R16を一般的なフラッグシップカーというイメージで見るかどうか微妙ですが、
当時の乗用車のトップオブレンジであったこと、
タイムライン的に後継のR30が明瞭なフラッグシップであることから、
その扱いにしました。
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【かめら】5年ぶりに新機材導入。その名はオリンパスE-510。

2010-06-14 | かめら。



デジタル一眼レフは、長らく(2005年11月以降)ニコンのD70を譲り受けて
使用してきたのですが、カードを認識しない
(どのカード挿してもだめなので、本体の故障なのでしょう)トラブルでついに
使用が出来なくなってしまいました。


コンパクトデジカメも他に数台あるにはあるのですが、
まだD70が元気だったころにコンデジ+駅撮り+通過する列車を撮影した時、
そういう用途には対応が難しい(当たり前ですが)ことを痛感したのを思い出し、
やはり鉄道写真が基本のワタクシには、一眼レフは必須と考えておりまして。


ということで。

こうなると後継機種選び...になるわけですが、
こういうとき、いろんな会社の製品を比較しないのはieの悪い癖...。

そもそも、使うなら今度こそオリンパス!と「決めて」しまったのでした。
多少使い勝手が悪くても、機能がニコンやキャノンに劣る部分があっても、
すでにニコンのズームなどもあって所有するシステム的に鞍替えする必要が無いのが
わかっていても、「好きなブランド」から入っちゃうんですよねえ...(大汗


そうなんです、オリンパスが好きなんです。基本的に。

いつかの記事にオリンパスOM-1が原体験と書いたのですが、
どうもやはり「オリンパス」に対する思い入れがすごーくあって、
次のデジイチを手に入れる時はオリンパスにする!と決めていたのでした。


というわけで、機種選びは「オリンパスのデジイチの中」だけ、
ということになったのですが、
トータルな性能を考えて、E-510と相成った次第です。
3年ほど前の設計になる機種ですけど、過不足はないと思います。

まだ試し撮りをしただけですけど、はて、どんな絵を見せてくれるのか、
いまから楽しみで仕方がありません。
すこしづつ使い勝手とか書いていきます...が、
C5にしろ、E-510にしろ、新品のレビューが無い困ったブログだなあ(汗



>>大好きな名鉄モ510にもなんとなく名前が似てるし(爆

>>猫澤先生いろいろありがとうです。今回も助かりました。
いつも世話になりっぱなしですみませんです。
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【セダン蒐集癖】Vol.230 バブルからの名車もついに終焉 最後を飾る現行シーマ(F50型)

2010-06-09 | セダン蒐集癖。

Y31セドリック営業車が存続する傍らで、そろそろ命脈を尽きようとしている日産のクルマがあります。

それが、このシーマ(現行、F50型)です(実際にはこれをベースにしたプレジデント含む)。





シーマ現象とまで言われてヒットした初代シーマから数えて4代目にあたる現行シーマは、
なんと2001年登場ですのでそろそろ10年選手。
早いものですね。
ちなみに、シーマとしては1988年以来の歴史ですから、今年消滅するとなれば、
22年の生涯ということになります。



個人的には好きなデザインです。
いまだに古くなっていないように思うんですが、なんでかこのシーマ、
内股・腰高な印象がぬぐえず、さらに、妙に細長く見えるんで、
なんだか全幅1845mmもあるのを感じない、損なデザインにも思います。



F50シーマのエンジンは3LV6ターボと直噴4.5LのV8の2本立てでしたが、
このシーマ(プレジデント)の廃止によって、日産の乗用車からV8エンジンが消えることになってしまうんですね。なんだか残念です。


それにしても、日産の決断ってすごいですよね。
トヨタはLS、マジェスタの2本立てのクラスから撤退といってもいい状態。
後継車の開発は行わないというのですから。
トップレンジがフーガになるわけですが、
2代めフーガは華流の派手なデザインで、ショーファー向けでは無いと思うんですがねー(^^;



>>ということで、毎度おなじみ?北米仕様コーナーです。


>>セドリック・グロリア系をベースとしなくなったことで、
それまでのY系の形式を捨てた現行シーマは、
FY33型シーマに引き続いてインフィニティQ45としても海外では販売されていました。







>>毎度毎度なのですが、なんで北米仕様ってこんなにイメージが変わるんでしょうね。
何が違うのかなあ...。
フロントナンバーの有無だけじゃ絶対にないはずですよね。


>>ちなみに、インフィニティではもうQ45って売っていないんですよ!
アメリカではすでに4年前から販売されていません。
ライバルのレクサスLSに対する車種は、インフィニティには存在していない
ということになってしまうんですね。残念。


コメント (16)
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【てつどう】名鉄600V路線の廃線跡に涙する(3)美濃町線跡は今

2010-06-07 | てつどう。



あれま、GWから1カ月たってしまったのですね。


ということで、さすがに長く続いた記事も終わりにします...。



谷汲駅跡から東へ東へ。揖斐線あとをたどり、郊外路線の出発駅だった
忠節駅跡のわきを抜け、かつては揖斐線直通車や市内線の車両が行き来した忠節橋を渡ります。
いまや、こうなればただの橋...。





そして、何も路面電車時代の痕跡が無い
岐阜市内を抜け、美濃町線の跡を進みます。




たぶん野一色のあたりだと思います。
町並みは一向に変わっていないのですが、路面電車がいないだけで、
とても寂しいものです。それに、人が全く歩いていません。






日野橋駅あたり。
徹明町から来た電車の折り返し駅。
こんなところだっけ?
歩道橋のうえから撮影した覚えがあるけど、歩道橋も撤去されちゃったのかな?





ちょっと先に進んでしまうけど、新関駅の跡。



ここはまだこんなに面影が残っています。
新関~美濃間が廃止になったあとは、ここから
電車は長良川鉄道の関駅に乗り入れるようになっていました。
それにしても中心部(関駅)からは結構離れていたんだなあ。今改めて思う。




そして、C5はそのまま西へ進み、美濃町駅跡へ。

美濃町駅は、駅舎・ホームともにほぼ現役当時のまま残されていて、ここに、
美濃電のエースだったモ510、美濃町線~新岐阜へ田神線経由で乗り入れるために開発されたモ600、
そして、新関~美濃間のワンマン用に準備されたモ590の3両、
さらには札幌からやってきたけれども立派に岐阜の顔に成長したモ870の顔だけが、
綺麗な状態で保存されています。




モ510とモ600。架線が無いのが残念だけど、まるで現役時代のような美しさ。
どちらも、美濃町線に深い縁のある車両です。





モ510のマスコン。ウェスティングハウスの刻印。大正15年製のもつ歴史の重み。





廃止近くになってかつての岐阜市内線の色に戻されたモ590(593)も、綺麗に飾ってありました。
ちなみに、同型のモ591と592は、遠く土佐電鉄(高知県)に送られ、
今なお元気で活躍しています。





ぱっと見ると3両並んでいるようですが、左端のモ870は、顔だけ+ホームに据え置き、
でした。
とはいえ久しぶりの再会に涙涙です。
なお、モ600の屋根に並んでいるのはクーラーでは無くて、抵抗器です。
これがために最後まで冷房化出来なかったので、
2000年に登場したモ800と入替って一挙に
6両のうち5両が廃車になり、この1両(606)のみが残りました。






馬面っぽい細い顔のモ600をアップで。
この小さな車体に複電圧、クロスシート、総括制御など、見どころの多い車両で、
1971年のローレル賞を取った輝かしき電車です。

重連で運転されることもあったので、電気連結器も備えたごっつい自連がかっこいいですね。




>>今回は昔の美濃町線の写真を探し出せず。見つけたら、アップして更新します。

>>岐阜の路面電車・600V区間が無くなって感じたのは、妙にクルマが増えたな、
ということでした。
もとからクルマ社会ではありましたけど、揖斐線の沿線は、もう少し空いていたように
思います。
駅前の空洞化、郊外のショッピングモールの建設、ロードサイドショップの増加。
なんだか、鉄道廃止の縮図を見たような気がしました...。


>>ちなみに...モ870って、晩年(2000年以降)複電圧車に改造された(部品はモ600から流用)のって
あまり知られていないとい思うんですが、ご存知でしたか?
複電圧機器の搭載場所の全然ないはずのモ870は
冷房+複電圧機器を積んでいたのですから、時代が進んだものだなあと思いました。
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【セダン蒐集癖】Vol.229 まだ売る気満々!? 知らぬ間にマイチェンしてたセドリックY31 

2010-06-04 | セダン蒐集癖。

GWに行ったGTの記事が進まないので(書くのに時間がかかるので^^;
また間に違うネタを挟んでみたり。


ということで、「このコーナーに出すの何回目なんだよ!」ってツッコミが入りそうな
Y31セドリックセダンの登場です(汗


ご存知の通りY31は、もはやセダンのタクシー仕様のみしか作られていないのですが、
そのY31、なんと知らぬ間にマイナーチェンジをしていたんですねえ...。



携帯カメラのズームではこれが限界...。さあ、何が変わったか、おわかりでしょうか(^^




その内容は結構大がかり。

1)アイドリングストップ+スタートシステムを追加!うひょー!
2)歩行者との衝突対策にボンネットやフロントフェンダーの形状変更!
3)ボンネットの開口線が変わってしまったのでフェンダーミラーが設置できなくなったので、
なんとタクシー用なのに全車ドアミラー化!
4)全車がセパレートシートに統一!さよならベンチシート。
5)タクシー用ダッシュボード廃止!
6)さらに、な、なんとマニュアル車は廃止!



ひえええ、これはまだまだまだまだ、このY31を売る気ですね!

すごいぞY31!国産の長寿車記録を目指して、頑張るのだ!





>>ちなみにマイチェンは去年の9月だって。全然知らなかった(汗




>>この写真だとボンネットの開口部が変わったことが分かりますね。
ていうかこのホイルキャップまだ使うんだ(涙

>>ちなみに1枚目の写真、むりやり開口部を強調してますが、ちょっと失敗してしまいました...。
コメント (11)
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【シトロエンな話】シトロエン 新型C4登場!...シトロエンスパイラルへの懸念

2010-06-02 | シトロエンな話。


え!もう!?C4フルモデルチェンジなの!?

と思った方多いと思います。
先日DS4と思われるコンセプトカーが発表されたばかりのタイミングで
新型シトロエンC4が出てきました。



で、発表された新しいC4なのですが...。


ズバリ言うと、うーん...という感じです。

シトロエンは新型が登場するたびに賛否両論が起きます。
少なくともieは、どちらかといえば「出た時は否定派(汗)」なんですが、
このC4も、正直なかなか受け付けられない...。





先代のC4は、比較的平凡なスタイルだったZX→クサラ
(でも猫背で、尻あがりのスタイルはシトロエンらしさが溢れていた)の後継車として、
アーチ型ルーフを持つ彫刻的なデザインのボディにセンターメーター(しかも透過式)、
そしてセンターパッドが固定式のステアリングなど、独創的な内外装を持って登場。



本国仕様。うおお、今見ても、なんだこのプレーンな美しさは!


このときは、ie、出たばかりでも「これはいい!」と思いましたし、
いまでも、たとえばサーブルドラングリュヌ色のC4が、洗車もしない状態で
東京の冬の曇り空の下で道端に停まっているのを見ると、
その周囲の景色がパリに見えるほど(汗)、フランス車、シトロエンらしいクルマだと思っています。


虚飾のないシンプルで機能的なダッシュ。




でこの新しいC4。
うーん、どうとらえたらいいのか...。
つまんだようなサイドのキャラクターラインは分断されて、抑揚がある面構成とともに
妙にどろどろしたデザインという印象を受けます。
ルーフはとくに特徴のある形ではもはやなく、
これ、ダブルシェブロンが無かったら、シトロエンには見えないです。
ところどころのディティールはよく練り込まれてると思いますが。

内装も、デザイン的には斬新で面白いのですが、前のC4が切り開いた、
「ああ、やっぱりシトロエンはこうじゃやなきゃなあ」という、あの「期待」
も影をひそめました。センター固定式ステアリングは不評だったのかな。





乗ったら絶対にいいのでしょうね。それは、間違いない。

だけど、昔から思う、シトロエンの「迷いのスパイラル」を、このクルマに見てしまうのは
ieだけでしょうか。
デザインにしても、存在感にしても、キャラづけにしても。


90年代で一時期国際的なデザインや方向性に向き、2000年初頭では
デザインは没個性気味に(ウチのC5はその時期^^;)。
でも2CVをモチーフにした量販車としては思い切ったデザインのC3、
そして前述のC4、そして極めつけのモダンシトロエンC6が出て、シトロエン復活か!
と思ったら、ここ最近に来て、これまでのデザイン言語をばっさり捨ててしまった。
新しいC4のこのどろどろしたデザインは、実はシトロエンとしては大きな販売拠点である、
中国市場を見ているのかな?とか思ったり。



なにはともあれ。これまで、デザイン言語(シカクかったり、マルかったり)が変わっても、シトロエンは「スタイル言語」には
変化が無かった(長いフロントオーバーハング、猫背気味のスタイル、ロングホイールベース)はず。
その点で見ると、このC4は、果たしてシトロエンなのか?





レトロを否定し、未来に向かうその姿勢は好きです。前へ。シトロエンらしいです。
だけど、「らしさ」はスタイルやポリシーに残すべきなのではないかなと思うんです。
BMWやメルセデスは、デザイン言語は違えど、一目見てそれとわかる、
「スタイル言語」や「メーカーの特徴」「車種の特徴」は持ち続けているように感じます。


昔が好きな懐古主義の古いフランス車乗りの言うことなんか、ということなのかもしれませんが、
だけど...シトロエン、また迷ってないでしょうか。
「シトロエン」という存在自体への自分自身への迷い。
シトロエンのアイデンティティって何でしょう?変わることは悪い事では無い。
だけど、レトロの否定と、「らしさ」を捨てることって、違うと思うんですが。


シトロエンの言う「個性」とは、ディティールでの差別化やちょっと他とは違うプレミアムカーを目指すというものではなく、
ギミックにしても他の会社のクルマとは一線を画したようなものであって欲しいし
ブーランジェが2CVを作ったころのような思想やクルマづくりの観点であり、
人々を感嘆させるような設計であり、唯我独尊ともいえる存在感、
なのではないかなあ...。
まあ、それを突き詰めて言ったら、PSAに至る前のシトロエンまで戻ってしまうんですが(汗


まあ本国にはこのC4にも低廉グレードは必ず用意されるはずで、
それがすごく魅力的だったりするのでしょうが(汗
むしろ、シトロエンだったら、この時代に逆行して徹底的にシンプルにするとか、
そういった気概が欲しかったような気がしてなりません。
TATAナノのようなクルマは、シトロエンのようなメーカーから作ってほしいのです。






>>と手厳しいことをいいつつ、気になるのはシトロエンが好きだから。
日本に入ったら、見に行きます!

>>ひょっとして旧C4(要するにいま売っているタイプ)の人気が出るのでは?
サイズ、デザイン、価格、性能、乗り心地、使い勝手、道具感(これ大事)、
プレミアムに背伸びしていないところなど、すべてが好印象な
トータルバランスの優れた一台ですものね。

>>となると、なんだか、新型は登場すると旧型の魅力が上がるというシトロエンの法則は、
このC4でも発動してしまうかも。です...(汗

>>よくよく見ると結構鼻が長いし、おしりは短いし、シトロエンらしいといえばらしいのか...。
だけどやはりデコラティブにすぎる。VWのゴルフやポロがむしろシンプルなだけに...。
コメント (21)
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