孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

アジア・エクスプレスの夢をのせて

2007-07-10 16:03:54 | 国際情勢


写真はバングラデシュの列車ですが、おそらく何かの宗教行事で大勢のイスラム信者が集まった場所での特殊な様子かと推測されます。
いつもこんな“混雑”という訳ではありません。
昨年9月にバングラデシュを旅行した際に数時間列車を利用しましたが、ごく普通の車内でした。
セカンドクラスは込み合って座れないかもと思ってファーストクラスのコンパーメントを急遽とったのですが、セカンドクラスでも十分座れそうな感じでした。
(“flickr”より By akhlas_viewfinder)

1965年の第2次印パ戦争後40年以上旅客列車の往来を絶っていたインド-バングラデシュ間を結ぶ旅客列車が、今月8日インドのコルカタ(旧カルカッタ)を午前出発して、同日夜にバングラデシュの首都ダッカに到着しました。
今回の列車は特別臨時便ですが、列車に乗って到着した関係者と今後の定期運行・通関などについて協議がされるそうです。

インド-パキスタン間の列車については、カシミール問題などで両国の緊張が高まると運行が中断される事が多かったようですが、現在はアムリトサル(インド)~ラホール(パキスタン)間で「サムジョウター・エクスプレス」として運行が行われています。
更に両国の関係改善・平和維持の象徴として昨年2月には、第2次印パ戦争で破壊され廃線となっていたムナーバーオ~コークラーパール間の鉄道も運行が再開されたそうです。

しかし、関係改善を快く思わない勢力からすると、このような国際列車は格好のテロの対象であり、今年2月にはインド首都ニューデリーからパキスタン国境に向かっていた急行列車の客車内で爆発が起き車両2両が炎上し、少なくとも67人が死亡、数十人が負傷するという大惨事がありました。
犠牲者の大半はインドの親族を訪問し帰国するパキスタン人でした。
この事件はイスラム過激派による爆弾テロと思われています。

パキスタンとイラン、イランとトルコは鉄道がつながっているようですので、インド-バングラデシュ間が定期運行となれば、バングラデシュのダッカからトルコのイスタンブールまで国際列車の旅が楽しめることになります。

目を東に転じると、朝鮮半島でも1月ほど前でしょうか、南北間を越えて列車が運行されました。
もっとも、こちらはいろんな思惑を乗せたデモンストレーションで、定期運行はまだ具体化していないようです。

現在カンボジアの鉄道がインフラ整備が遅れ、隣国のベトナム、タイとは接続していませんが、今後は首都プノンペンとタイのバンコク、ベトナムのホーチミンを結ぶ計画もあるそうです。
そうなると、隣国との接続ができないのがミャンマーです。
バングラデシュ、タイとも接続していません。今後の予定も聞きません。
こういった面からも、ミャンマーの国際社会での孤立が窺われます。

国際列車というと「オリエント急行」を連想しますが、オリエント急行は1883年開業で、パリとイスタンブールの間を走っていました。
当時各国王族は自分の専用車を連結して旅行したそうです。
また、盗賊団に襲われ乗客が誘拐されたり、吹雪で11日間立ち往生したりすることもあったようです。
第一次、第二次大戦で中断したのち再開されましたが、往時の華やかさは失われ、1977年廃止されました。

朝鮮南北間が定期運行し、カンボジア内の鉄路が整備されれば、東京発イスタンブール行きの国際列車「アジア・エクスプレス」(バンコク-ダッカ間は空路)なんてできるかも。

「アジア・エクスプレス」主な停車駅
東京発→福岡・・・フェリー乗換え・・・釜山→ソウル→ピョンヤン→北京→上海→香港→ハノイ→ホーチミン→プノンペン→バンコク・・・空路・・・ダッカ→ニューデリー→ラホール→テヘラン→イスタンブール着
あちこちで乗り降りしながら、半年から1年ぐらいかけて旅行するのも楽しいかも。


コメント
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