2つ道

2017年03月01日 13時49分12秒 | 黒猫のひとりごと

                      ミャ~

                                                   ォォォォ  ・・・・・・

         ミュ~

「・・・」

「ミャ~」

抗議してる・・・

オッドネコとトラネコである。

「ミュ~」

「ちょっと待って」

「ミャゥ」

ごはんを催促しているのである。

2匹とも荷台で遊んでいて、もう僕らはごはんをもらっているのにまだたべていないのだ。

ごはんができたんだから、ノロマさん達は教えてあげるべきだったのだ。

「ニャ~」

かわいそうである。

僕も一緒に抗議する。

ついでに僕ももらえるかもしれないし。

「ミュゥ」

                                        ガタタ  ・・・

窓がゆれる。

バレッタさんの手に小皿。

「ミャ~♪」

          コト

「はい」

「ミュ~♪」

お刺身。

「ニャ~」

おいしそう。

                   コト

ノロマさんが、もう1枚の小皿を置いた。

「・・・」

僕はノロマさんを見る。

「・・・・」

ノロマさんも僕を見た。

                   パタ

そして立ち上がった。

上を向いて、僕はまだ見てる。

「・・・」

僕のはないみたい。

「・・・・」

チラッとこっちみた。

                                チュチュ ♪

                                           ォォォォォ  ・・・・

もうマグロのお刺身もらっているから、僕は鳴かない。

おいしかったのだ。

                        ――   

料理するテーブルよりも奥、食べるテーブルとカウンターがある。

ハンスさんやグリたちが、そこでたべてる。

おいしそうなすき焼き。

もう少し待てば、フルーツが出るかもしれない。

そしたら、分けてもらう。

すこし離れた人の所に別々にもらいに行けば、どっちもすこし分けてくれる可能性がある。

上手くいけば、たくさん食べれるのだ。

「ニャ~」

           パタ

コックさんたちの足の間をすり抜けて、玄関に向かう。

木の板の通路を行くと、右にも通路がある。

シャワーとかがある場所で、もうすこし進むとまた通路。

そこには、トイレが2つある。

さらに進むと、玄関。

家トレーラーの中は、暖かい。

くつろぐマヒワとメジロも、温かい空気の出る所にいた。

中は2階もあって、広い。

マヒワたちにはよさそうである。

                 ト     ト

床はひんやりする。

転がって進めは、背中とお腹もひんやりすると思う。

でも、転がると横に曲がってしまうかもしれないのだ。

洗濯機がある場所とか、トイレに行ってしまうかもしれない。

僕は玄関に向かっているので、4つの足で歩く。

                            カチャ  ・・・

ドアが開く音。

いいタイミングである。

「ニャ~」

         

「・・・・」

リフがいた。

トレイを持ってる。

もうすき焼き食べたみたい。

「ニャ~」

おかわりするの?

「・・・外出る?」

ドアを開けて、待ってる。

              

僕は横をすり抜けて、家トレーラーから出る。

                                             ゴォォォォォ  ・・・・・・・

                            ボチャチャ チャ

外は雨。

ずっと降ってる。

                 パタン

右を見ると、家トラック。

そっちには行かず、まっすぐ行くとたき火とミニバスがある。

大タープの反対側の端っこの辺り。

地面は、半分くらいシートで覆ってある。

水っぽい地面の上を歩かないでも、たき火まで行ける。

木箱で通路を作ってくれれば、もっと歩きやすいのだけど。

左には、大倒木の道。

もっと左には、車が通れる道。

2つの道の間には、木が生えてる。

その途中に、ミニタープとテントがあった。

誰かそこで寝るみたい。

             

                        モグ

途中にある折り畳みのテーブルとイスで、ブラウがたべてる。

「ニャ~」

「・・・・」

僕が鳴いたら、こっち見た。

                      ピピ ♪

                                 チチチ ♪

          キュゥゥ

子クマの声。

大倒木の枝の間を進んで、遊んでる。

森の鳥を、背中にのせてる。

          ジャリ  ・・・

「♪」

カールさんが来た。

手に画面。

たき火の所にいたみたい。

子クマを見て笑って、去った。

空箱に、男の黒い杖。

何か話していた様。

                   パク

「ニャ~」

                    パチッ

                                 パチチン

「・・・・」

僕が近づくと、見た。

                モグ  モグ

まだたべてる。

          トン

ハットさんも一緒。

小鍋の量が、同じくらい。

いつもサッと食べるのに。

木箱テーブルには、杖を通す輪。

男の腰にあったけど、今は外しているのだ。

          ――

お肉とお野菜が、たまごの小皿にのった。

                     パク

男はそれを、一緒にたべた。

                パク

さらにご飯も。

                     モグ    モグ

ホクホクたべてる。

「・・・・」

おいしそう。

「♪」

木箱テーブルとたき火の間に、チワワがいる。

リスも。

ポカポカしているみたい。

大タープを見る。

その下にロープと、引っかかったランタンライト。

いくつもぶら下がってる。

ゆれてる。

すこしだけど、どれも。

ロープは大タープより少したるんでいて、そこに小鳥もいる。

リスも、いい通路になりそう。

ぼやけた灯りがゆれると、タープの影もゆれる。

どれもゆれるから、屋根の影はあちこち動く。

僕はそれを、目で追う・・・・

             モグ

                                              ォォォォ  ・・・・・

                      パチン チチチ

         ・・・


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