ミャ~
ォォォォ ・・・・・・
ミュ~
「・・・」
「ミャ~」
抗議してる・・・
オッドネコとトラネコである。
「ミュ~」
「ちょっと待って」
「ミャゥ」
ごはんを催促しているのである。
2匹とも荷台で遊んでいて、もう僕らはごはんをもらっているのにまだたべていないのだ。
ごはんができたんだから、ノロマさん達は教えてあげるべきだったのだ。
「ニャ~」
かわいそうである。
僕も一緒に抗議する。
ついでに僕ももらえるかもしれないし。
「ミュゥ」
ガタタ ・・・
窓がゆれる。
バレッタさんの手に小皿。
「ミャ~♪」
コト
「はい」
「ミュ~♪」
お刺身。
「ニャ~」
おいしそう。
コト
ノロマさんが、もう1枚の小皿を置いた。
「・・・」
僕はノロマさんを見る。
「・・・・」
ノロマさんも僕を見た。
パタ
そして立ち上がった。
上を向いて、僕はまだ見てる。
「・・・」
僕のはないみたい。
「・・・・」
チラッとこっちみた。
チュチュ ♪
ォォォォォ ・・・・
もうマグロのお刺身もらっているから、僕は鳴かない。
おいしかったのだ。
―― ♪ ♪
料理するテーブルよりも奥、食べるテーブルとカウンターがある。
ハンスさんやグリたちが、そこでたべてる。
おいしそうなすき焼き。
もう少し待てば、フルーツが出るかもしれない。
そしたら、分けてもらう。
すこし離れた人の所に別々にもらいに行けば、どっちもすこし分けてくれる可能性がある。
上手くいけば、たくさん食べれるのだ。
「ニャ~」
パタ
コックさんたちの足の間をすり抜けて、玄関に向かう。
木の板の通路を行くと、右にも通路がある。
シャワーとかがある場所で、もうすこし進むとまた通路。
そこには、トイレが2つある。
さらに進むと、玄関。
家トレーラーの中は、暖かい。
くつろぐマヒワとメジロも、温かい空気の出る所にいた。
中は2階もあって、広い。
マヒワたちにはよさそうである。
ト ト
床はひんやりする。
転がって進めは、背中とお腹もひんやりすると思う。
でも、転がると横に曲がってしまうかもしれないのだ。
洗濯機がある場所とか、トイレに行ってしまうかもしれない。
僕は玄関に向かっているので、4つの足で歩く。
カチャ ・・・
ドアが開く音。
いいタイミングである。
「ニャ~」
タ
「・・・・」
リフがいた。
トレイを持ってる。
もうすき焼き食べたみたい。
「ニャ~」
おかわりするの?
「・・・外出る?」
ドアを開けて、待ってる。
タ
僕は横をすり抜けて、家トレーラーから出る。
ゴォォォォォ ・・・・・・・
ボチャチャ チャ
外は雨。
ずっと降ってる。
パタン
右を見ると、家トラック。
そっちには行かず、まっすぐ行くとたき火とミニバスがある。
大タープの反対側の端っこの辺り。
地面は、半分くらいシートで覆ってある。
水っぽい地面の上を歩かないでも、たき火まで行ける。
木箱で通路を作ってくれれば、もっと歩きやすいのだけど。
左には、大倒木の道。
もっと左には、車が通れる道。
2つの道の間には、木が生えてる。
その途中に、ミニタープとテントがあった。
誰かそこで寝るみたい。
タ
モグ
途中にある折り畳みのテーブルとイスで、ブラウがたべてる。
「ニャ~」
「・・・・」
僕が鳴いたら、こっち見た。
ピピ ♪
チチチ ♪
キュゥゥ
子クマの声。
大倒木の枝の間を進んで、遊んでる。
森の鳥を、背中にのせてる。
ジャリ ・・・
「♪」
カールさんが来た。
手に画面。
たき火の所にいたみたい。
子クマを見て笑って、去った。
空箱に、男の黒い杖。
何か話していた様。
パク
「ニャ~」
パチッ
パチチン
「・・・・」
僕が近づくと、見た。
モグ モグ
まだたべてる。
トン
ハットさんも一緒。
小鍋の量が、同じくらい。
いつもサッと食べるのに。
木箱テーブルには、杖を通す輪。
男の腰にあったけど、今は外しているのだ。
――
お肉とお野菜が、たまごの小皿にのった。
パク
男はそれを、一緒にたべた。
パク
さらにご飯も。
モグ モグ
ホクホクたべてる。
「・・・・」
おいしそう。
「♪」
木箱テーブルとたき火の間に、チワワがいる。
リスも。
ポカポカしているみたい。
大タープを見る。
その下にロープと、引っかかったランタンライト。
いくつもぶら下がってる。
ゆれてる。
すこしだけど、どれも。
ロープは大タープより少したるんでいて、そこに小鳥もいる。
リスも、いい通路になりそう。
ぼやけた灯りがゆれると、タープの影もゆれる。
どれもゆれるから、屋根の影はあちこち動く。
僕はそれを、目で追う・・・・
モグ
ォォォォ ・・・・・
パチン チチチ
・・・