―― ・・・ ♪
ブロロロロロ ・・・・・・
フワ ワ ♪
フワフワが動いている・・・
ミニバスの、後ろから2番目の左のイスの手すり。
左と言うのは、運転席の方を向いて。
あそこにノロマさんが座っていて、フワフワを動かしているのである。
柄の先に、透明な糸でつながったフワフワしたのが付いている道具。
ミニネコのネコパンチの練習に、使うものである。
「ミャァ」
「♪」
床に耳ネコがいて、前足を伸ばしているけど届かない位置にフワフワしている。
ジャンプすればいいのだけど、そのアイデアはまだ耳ネコには無い様である。
後ろ足で体を支えて、前足を伸ばしてる。
僕は右側の、一つ前のイスの背もたれからそれをコッソリ見ている。
片方の目だけ背もたれから出して、様子を見ている。
ノロマさんは、僕には気付いていない。
―― ・・・ ♪ ♪
雪はもう降っていなくて、僕らはまだ白っぽい道路を移動している。
ミニバスはさむいかもしれないけど、僕はさむくない。
中は暖かい。
一番後ろの長いイスには、エレガントさんやプルームさんが座ってる。
フワ ワ ♪
僕はあのフワフワの秘密をもう知っているけど、ここから突然ネコパンチをお見舞いしようと思う。
下で見ている耳ネコには、いいお手本になると思う。
ノロマさんも油断してるし。
ここからのジャンプでも十分届くけど、より高さを出すために背もたれの上に一度跳ねてからにする。
最初は高く跳ねすぎずに、前足をのせて素早く体を縮めるのだ。
「ミャァ」
「♪」
キュ ♪
ポメラニアンも起きているけど、後ろのイスで遊んでる。
ボン
すばやく上に跳ねる。
ダン ――
続けて背もたれの上でネコジャンプ――
―― クルン
体の角度を少し逸らして、横回転する――
パチィン
スタ
「!」
「!」
僕は耳ネコの横、通路に着地した。
空中で、強力なネコパンチをフワフワにお見舞いして。
「ミャ♪」
フワフワも突然の一撃で、びっくりしたと思う。
「・・・」
頭を後ろ向きに向けて、シッポの上を見る。
フワ ♪
元気にフワフワしている。
「♪」
僕は耳ネコには、あえてアドバイスはしない。
今の一撃を見て、きっと気付くはずである。
ジャンプしてたたくのだ。
ト ト
シッポ側を向いて、前の方に僕は去る。
「あぶなかったね」
「ミャ~♪」
フワ フワ ♪
通路の真ん中辺りまで歩く。
ピィ
メジロがいる。
頭にのせてあげるのだ・・・・
ト
ロロロロロ ・・・・・・
・・・・ ♪ ――