鳴かない

2018年01月29日 14時03分47秒 | 黒猫のひとりごと

                   ――  ・・・  

                             ブロロロロロ   ・・・・・・

                フワ ワ ♪

フワフワが動いている・・・

ミニバスの、後ろから2番目の左のイスの手すり。

左と言うのは、運転席の方を向いて。

あそこにノロマさんが座っていて、フワフワを動かしているのである。

柄の先に、透明な糸でつながったフワフワしたのが付いている道具。

ミニネコのネコパンチの練習に、使うものである。

「ミャァ」

「♪」

床に耳ネコがいて、前足を伸ばしているけど届かない位置にフワフワしている。

ジャンプすればいいのだけど、そのアイデアはまだ耳ネコには無い様である。

後ろ足で体を支えて、前足を伸ばしてる。

僕は右側の、一つ前のイスの背もたれからそれをコッソリ見ている。

片方の目だけ背もたれから出して、様子を見ている。

ノロマさんは、僕には気付いていない。

                  ――  ・・・   

雪はもう降っていなくて、僕らはまだ白っぽい道路を移動している。

ミニバスはさむいかもしれないけど、僕はさむくない。

中は暖かい。

一番後ろの長いイスには、エレガントさんやプルームさんが座ってる。

         フワ ワ ♪

僕はあのフワフワの秘密をもう知っているけど、ここから突然ネコパンチをお見舞いしようと思う。

下で見ている耳ネコには、いいお手本になると思う。

ノロマさんも油断してるし。

ここからのジャンプでも十分届くけど、より高さを出すために背もたれの上に一度跳ねてからにする。

最初は高く跳ねすぎずに、前足をのせて素早く体を縮めるのだ。

「ミャァ」

「♪」

              キュ ♪

ポメラニアンも起きているけど、後ろのイスで遊んでる。

             ボン

すばやく上に跳ねる。

                          ダン  ――

続けて背もたれの上でネコジャンプ――

                                      ――  クルン

体の角度を少し逸らして、横回転する――

                     パチィン

         スタ

「!」

「!」

僕は耳ネコの横、通路に着地した。

空中で、強力なネコパンチをフワフワにお見舞いして。

「ミャ♪」

フワフワも突然の一撃で、びっくりしたと思う。

「・・・」

頭を後ろ向きに向けて、シッポの上を見る。

       フワ ♪

元気にフワフワしている。

「♪」

僕は耳ネコには、あえてアドバイスはしない。

今の一撃を見て、きっと気付くはずである。

ジャンプしてたたくのだ。

         ト     ト

シッポ側を向いて、前の方に僕は去る。

「あぶなかったね」

「ミャ~♪」

          フワ フワ  ♪

通路の真ん中辺りまで歩く。

                ピィ

メジロがいる。

頭にのせてあげるのだ・・・・

                       

                                     ロロロロロ   ・・・・・・

              ・・・・      ――


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