パチチ
ォォォォ ・・・・・
スル
後ろを見る・・・
「・・・」
ちゃんとチワワはついて来ている。
もうノロマさん達は三角シートの下の枠シートで寝てる。
夜になっても雨は降っていて、お月様は見えない。
僕はまだ、窓枠から外を見てはいないけど。
さっき男が目覚めて、同じ毛布にもぐり込んでいた僕も目覚めたのである。
見張りだと思う。
チワワ起きてるかと思って枠シートに来たら、寝てた。
でも、前足で何回かたたいたら起きた。
ト
枠から出る。
トン
チワワも跳ねて、外に出た。
パチチ ・・・
「・・・・」
たき火にはスコップさんがいて、火を見てる。
ペチ
たき火の方を見ていたチワワを、シッポで誘導する。
あっちは温かいけど、リフがいる所も暖かい。
ミニストーブがあるのだ。
斧さんとレトリバーも起きてる。
マッチョさんたちと交代したのだ。
「♪」
チワワがレトリバーの横に駆けていく。
あのフサフサのお腹の下にもぐって、温まるつもりである。
―― タッ
僕はすばやく横に跳ねる――
タン
タン
「!」
チワワの前で素早く左右に跳ねて、注意を引く。
タ
そしてレトリバーとの間に割り込んだ。
「ニャ~」
あっちに行くのだ。
「クゥ」
チワワをリフの方に向かわせる。
ト
「?」
チワワが気付いた。
ト ト
駆けていく。
「・・・起きたの?」
パチチ
小さい枝を燃やしてる。
グッ グッ
ミニストーブの上にはミニ鍋があって、ラーメンつくってるのだ。
「さむい?」
リフがタオルをチワワにかけてあげた。
「♪」
チワワ服着てるのに。
ミニストーブの近くは、温かい。
ランタンライトは点いている数が減って、ここでつまみ食いをしてもコックさんにはバレそうにないのだ。
それでラーメンつくってるみたい。
僕はそれを見てる。
口止めに、何かくれるはずである。
チワワを連れて来たのは、それを分けてあげるため。
パタタ ♪
シッポがタオルから出てて、動いてる。
カタ
リフがお水の入ったプレートを置いた。
僕らのである。
「マロックさん、もうできるよ」
窓枠を見た。
「・・・」
そっちに、男がいる。
窓の外を見てるみたい。
お月様は見えないと思うけど。
「うん」
トコ
こっちに来る・・・・
グッ グッ
ァァァァ ・・・・・
パチチ